優れた投資家は売りよりも買いを重視する!
バフェットの「株主への手紙」は投資の本質を教えてくれた
投資の神様は決して無理をしないものです。
時価総額約55兆円の米投資会社バークシャー・ハザウェイを率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏(88)が2月23日、毎年恒例の「株主への手紙」を公表しました。(参考:日本経済新聞「バフェット氏、封じられた大型買収、金余り価格高騰」)
「長期の展望があるビジネスを買うには価格があまりにも高すぎる」(バフェット)。
その手紙の中で、バフェットは現在の株価水準では長期的に保有するに値する銘柄が見当たらないことを明らかにしました。
では、12兆円にも積み上がった余剰金を再投資せずに、どうするのか?
無理に投資せず、株主に還元する意向のようです。
個人資産6兆円超のバフェットは、他人から預かった金融資産を守る姿勢は慎重そのものです。
そして、他人の資産を守るためには「休むも相場」が大切さだと教えてくれたのが、今回の「株主への手紙」でした。
非課税口座で下落相場を待つ姿勢を継続
銀行や証券会社は騰がるかどうかも分からない投資信託をすすめますが、他人のお金の投資には、バフェットのような思慮深さが必要なのです。
バフェットが「オマハの賢人」と敬愛されているのは、世界一の資産家になっても質素な暮らしを続けているだけでなく、人々が誠実さを感じているからだと思います。
実は、私も10株で構成する自作ファンドを構築して運用しています。
すでにテンバーガー(10倍株)も誕生し、毎年、配当を受け取るだけの楽な投資です。もちろん、一度購入したら、数年に一度入れ替えるだけで、ほとんど「バイ・アンド・ホールド」です。
早期リタイアを機に、米国株を中心に新たな自作ファンドを構築したいので、いろいろな銘柄を研究中なのですが、いまは買いたいと思える株価水準ではありません。
ですから、私も「休むも相場」状態です。
しかし、せっかく売却益や配当が非課税になるNISA口座をつくったのですから、年末までにはコツコツ仕込もうと下落局面を待っている最中です。
バフェット先生、これからは何に投資すべきなのですか?
株式市場には人間の欲望と知恵と夢がある
私は、若いうちに一度、株式投資は経験しておいた方がいいと申し上げてきました。
その理由は、株式投資で資産構築することだけではなく、株式市場を通じて多くのことを学べるからです。
それは、人間の欲望や失望、狂気、さらには成長する企業や経営難に陥る企業の特徴、相場に影響を与える政治・経済の動きなど多岐にわたります。
企業のビジネスモデルや経営者を見る目が養われれば、自分の働く会社の将来性も見えてくるかもしれません。
今年88際の投資の神様・バフェットは、これまで様々な企業の経営者や人々を見てきました。その結果、彼は、こんなことを語っています。(参照:Wikipedia)
- リスクとは、自分が何をやっているかよくわからないときに起こるものです。
- 株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きます。
- 風見鶏を見ているだけでは金持ちにはなれません。
- 尊敬できる人のもとで働きなさい(就職活動に関するアドバイス)。
たくさんある語録の中で、私の琴線に触れた言葉をピックアップしました。
詐欺に騙される人は「なにをやっているかよくわかない」ものにお金を投資する人たちです。
儲け話に振り回されている人たちに、お金持ちはいません。尊敬できる人がいない会社には長く働いていたいとは思わないものです。
どの語録も人生の道しるべに思えてきます。
バフェットが推奨する投資先は?
6兆円の投資資産を築いたバフェットですが、個人投資家に一切、銘柄の推奨は行っていません。
ただ、バフェットは「ウォール街の専門家が高額の手数料を課している場合、並外れたもうけを手にするのは顧客ではなく運用担当者だ」と述べ、個人投資家は手数料の高いアクティブ運用型投資信託には、手を出すべきではないと主張しています。(参照:「バフェット氏の株主宛て書簡、インデックスファンド投資を改めて推奨」)
では、何に投資すべきなのか?
バフェットはインデックスファンドを推奨しています。
以前、当ブログでは、一見地味に見えるS&P500ETFは、長い歴史を紐解くと、投資成績が非常に優れていることを紹介しました。
信託報酬が安いので、バフェットが指摘するような運用担当者に手数料を搾取される心配もありません。
というわけで、私はS&P500ETFをNISA口座で運用する銘柄候補のひとつに考えています。
早く急落しないか、待っています!