人生100年時代に生涯労働から脱出する方法
老後も労働抜きには生きていけないという強迫観念の正体
人間の欲は果てしなく深いものです。
貯蓄が3000万円あっても5000万円は欲しいと思うようになり、貯蓄が1億円でも2億円なければ心配だと思い、死ぬまでお金を稼ぐ人生を選択する人は少なくありません。
それに輪をかけて、中高年サラリーマンは「年金だけでは2000万円不足する」とか、厚生年金に加入していない自営業者は「最低5000万円は必要」といわれると、いよいよ生涯労働の人生も致し方ないと思うわけです。
しかし、それこそがお金に支配された人生ともいえます。
お金に支配されず、人生の後半くらいは誰にも束縛されず、自由に自分の好きな趣味や社会貢献に時間を費やしたいものです。
では、いったい、どうしたらお金に支配される人生から脱却できるのでしょうか?
答えは意外に単純なところに存在すると考えています。
大学や高校を卒業してから人生の後半が始まる50歳前後まで30年前後の時間があります。
30年前後という時間を最大限活用することが何よりも重要ですが、その際、心がけるべきことがあります。
- 50歳までに2人分の収入を獲得する
- 無駄な固定経費は削減する
- 目標貯蓄に達したら新たな金銭欲は持たない
上記の3点を心がけたら、生涯労働の人生から逃れ、お金に支配されない後半人生に近づくことができます。
人生前半の所得倍増に潜む落とし穴とは?
50歳までに2人分の収入を獲得する「所得倍増計画」には注意すべきことがあります。
それは、たとえ副業で高収入になってもサラリーマンをやめないということです。
副業で大儲けして気が大きくなって早期退職するサラリーマンもいますが、50歳まではマラソンのようなものです。
スタートしてから10キロ地点でうまくいっても、30キロ、40キロ地点で息切れしないとも限りません。
そのとき、安定した給料は心強いものです。
脱サラして給料を失えば、2人分の収入どころか1人分の収入さえ危うくなる危険性があります。
後半人生は自由になるという夢を心に抱いて、50歳までは割り切って会社員を続けることが賢明です。
固定経費の削減は大物から手を付ける
もうひとつ家計の固定経費削減も重要です。
ただ、毎月数十円や100円の削減のために多大なエネルギーや不自由を強いられる経費削減は、逆に疲労やストレスの元になり、浪費という反動を生む恐れがあります。
ですから、固定経費の削減は、削減額が大きな大物から順番に検討することが重要です。
家計負担で最も大きいのは住宅ローンだと思います。
他行にかりかえることで、毎月ローン返済が2万円減少しただけでも年間24万円もの削減です。
次に生命保険など各種保険も見直しの土俵にあげてみましょう。
とくに、生命保険や医療保険、自動車保険は、ネット専業の会社などが低額な保険料を提示しています。
毎年見直すつもりで試算することが重要です。
ちなみに我が家は自動車保険は毎年見直し、生命保険や医療保険は都民共済を利用しています。
これだけで毎月1〜2万円程度のコストカットとなります。
自動車保険は別として、他の生命保険や医療保険は貯蓄が増えるにつれて、基本的には不要というくらいの姿勢で見直しています。
所得倍増に失敗しないために必要不可欠なこと
目標の貯蓄額に到達したときに考えるべきこと
私は貯蓄が1億円を超えた段階で、お金を稼ぐことには労力をかけないようにしました。
無収入であっても贅沢さえしなかったら年金も含めて生き延びることができるからです。
その時点からお金に対する欲望を強めたら、それこそお金に支配される人生になってしまいます。
人生、ほどほどがちょうど良いと考えました。
ただ、人生とは皮肉なものです。
お金に無欲になると、今度は妻に経営を任せている事業が好調となり、売り上げは倍増しました。
最近は、早く妻の後継者となる社長を育てることが最重要課題となっています。
妻も引退したら、夫婦で人生後半を自由に楽しむ早期リタイア生活が名実ともに始まると考えています。
サラリーマンが手を出してはいけない副業とは?
50歳を境に人生を前半と後半に分けて、後半の人生は労働ではなく自由な生活を実現したいものです。
そのためには、人生前半はサラリーマンを続けながら副業に取り組むことが重要だと申し上げてきました。
ただ、社会に出てから50歳までの期間は長いようでいて実は短いものです。
ですから、副業を模索するだけでなく積極的に実行することが必要です。
サラリーマン生活に支障のない在宅の副業はたくさんあります。
なかには「簡単に稼げる」「何もしなくても稼げる」といった謳い文句の在宅副業を目にすることもあると思います。
しかし、簡単に稼げる系の副業に手を出してしまうと、玉ねぎの皮を剥くようにお金を剥ぎ取られ、何よりも大切な時間を奪われてしまいます。
簡単に稼げる系の副業はすべて詐欺だと考えて無視することが重要です。
サラリーマンに最適な副業とは?
最後に、サラリーマンに最適な副業を考えたいと思います。
私は50歳まであらゆる副業を経験しましたが、その私の経験則でもあります。
他の人には当てはまらない点があるかもしれませんが、私の経験は概ね、サラリーマンの共通項だと感じています。
その前に避けたい副業は他人に雇われて時給で働くアルバイトです。
特に、会社が終わったあと夜間にアルバイトで働く副業はに過労が多いようです。時給換算なので、収入が青天井で増えるという夢もありません。
ですから、週末などを利用して自分のペースで自由に取り組める副業がサラリーマンには最適です。
その意味では、ブログやユーチューブ、株式投資といった資産型の副業は、満足な副収入まで時間を要しますが、時間の自由があり、収入が青天井で急増するという夢があります。
副収入は、すぐに稼げるか否かではなく、夢と自由のある副業を選ぶという視点が重要です。