後継者不在のまま高齢化する中小企業の経営者
中小企業の経営者は平均年齢が69歳に高齢化
とかく大企業ばかりがニュースに取り上げられますが、日本経済を支える屋台骨は間違いなく中小企業です。
その数は日本企業の99%を占め、中小企業や小規模事業者で働く社員・従業員は全体の約7割に上ります。
中小企業白書によると、中小企業の経営者は平均年齢が1995年時点で47歳でしたが、2018年には69歳に上昇し、経営者の高齢化が大きな課題になっています。
もしも後継者がいなければ、企業は廃業を余儀なくされ、現在の状況が放置されれば、2025年までに約22兆円の国内総生産(GDP)が失われるとも懸念されています。
中小企業の55.6%が後継者不在に直面している
経営者の高齢化が危惧されるなか、11月7日、東京商工リサーチは2019年「後継者不在率調査」を発表しました。
その調査によると、中小企業で後継者が決まっていない「後継者不在率」は55.6%で、半数以上の企業が後継者不在の状況であることが分かりました。
中小企業の経営者(代表者)の年齢は、60代が40.9%、70代が29.3%、80代が23.8%。東京商工リサーチは「代表者の高齢化が後継者難に拍車をかけている状況も浮かび上がった」と指摘しています。
私の所有する会社は妻が社長を勤めていますが、加齢には勝てず、最近は疲労を訴えることも増えてきました。
しかし、社員の平均年齢は約30歳。若い人たちが引っ張っている会社なので、社長の後継者選びはとても悩みます。
中小企業ではありますが、全くの無借金経営。1年後までクライアントが決まっていて、毎年黒字決算を続けている会社でもあり、社員の雇用維持も考えると廃業は考えられません。
今回の「後継者不在率調査」は、他人事ではないという思いで拝見しました。
サラリーマン投資家には中小企業買収の好機到来!
中小企業を買収するサラリーマン投資家には好機だ
中小企業の後継者不在問題は経営者にとってピンチですが、サラリーマンなど個人投資家にとってはチャンスといえます。
かつては事業継承やM&A(企業の合併・買収)の仲介は取引銀行や公的機関が主体でしたが、最近は事業継承やM&Aのマッチングするサイトを利用する経営者が増えてきました。
ですから、個人投資家にとって買収する企業物件の選択肢が増えているわけです。
おそらく、マッチングサイトを利用して中小企業を買収する個人は2つのタイプが想定されます。
ひとつは、管理会社つき不動産投資と同様に、企業を買収したあとは既存社員に全面的に任せるオーナータイプです。
もうひとつは、自分がサラリーマン時代に培ったビジネス経験や人脈を活用して買収した企業をさらに成長させようと経営に積極的に参画するタイプです。
いずれにしても、自己資金の範囲内で中小企業を買収し、新たな人生を歩み出すのはなかなか面白い人生設計だと思います。
不動産物件探しのようにサイトで企業が選べる時代
サラリーマン投資家の大半は不動産の検索サイトを利用してめぼしい物件を探しています。
中小企業の買収もまた、サラリーマンが自宅にいながらにしてパソコンで検索できる時代になりました。
経営者と個人投資家をマッチングさせるサービスは、以下の3サイトがあります。
M&Aマッチングサイト | 特徴・実績 |
「TRANBI(トランビ)」 | ユーザー数は3万8000人以上、売買案件は3800件超 |
Batonz(バトンズ) | ユーザー数は2万8000人超、累計成約実績200件 |
スピードM&A | 完全成功報酬型を採用 |
とくに、M&Aプラットフォーム 「TRANBI(トランビ)」は10月6日放送のNHKスペシャル「大廃業時代〜会社を看取(みと)るおくりびと〜」でも紹介され、私自身、こんな凄いサービスが存在することと、その利便性の高さに驚きました。
サラリーマンが投資を通じて社会貢献する方法は、何も株式投資や不動産投資だけではありません。
企業を継承し、そこで働く人たちの雇用を守り、社会に役立つ商品やサービスを安定的に提供する。
これも立派な社会貢献だと考えています。