中西経団連会長「終身雇用もう守れない」発言は当然の話!過剰反発せず深く考えることが賢明

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”人生100年時代”はひとつの会社で一生働く時代ではなくなる

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経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”は本音の発言

経団連の中西宏明会長が19日、終身雇用を続けるのは難しいという発言をしたことで、SNSなどネット上では早速、様々な反応が相次ぎました。

その反応をみると、賛否両論、様々な意見が飛び交っていますが、反応を見た所で何も進歩はありません。

むしろ、中西会長が実際、どんな発言をしたのか、その正確な中身を把握したうえで、今後、日本人が覚悟すべき働き方と生き方を考えた方が前向きです。

その前に、経団連の中西宏明会長はどんな人か、少しだけ説明しておきます。

中西会長は日本最大の電気機器メーカー日立製作所の社長・会長を歴任した経営者です。日立グループは連結の従業員数が約30万人にも上り、トヨタに次ぐ従業員数を抱える巨大メーカーでもあります。

当ブログの読者にも日立グループの関係者がいるかもしれませんね(笑)。

その中西会長の発言ですが、日テレNEWS24によると、中西会長は「正直言って、経済界は終身雇用なんて、もう守れないと思っているんです」と明言し、「人生100年時代に、一生、一つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている」という認識を示しました。

中西会長はまた、4月の一括採用入社について、あとから非正規で入社した人がスキルを身につけても正社員に差をつけられるケースを示し、現在の雇用システムにも疑問を示したそうです。

このため、社会のシステムをどう作り直すのか、大学側とも新たな雇用のあり方を議論することを説明したというのが、今回のニュースの要点です。

正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので                               (出典:日テレNEWS24

中西経団連会長の発言はとても正直な発言だ

経団連会長の“終身雇用を続けるのは難しい”発言を見て、私は「やはり、そう思っていたのか」という気持ちと同時に、「とても正直な人だな」というのが最初の印象でした。

私は以前、政府が「人生100年時代」を掲げて、企業に70歳まで雇用延長を求めることになれば、企業は退職金廃止か、若年層の給料削減を考えざるを得なくなるのではないかという話を書きました。

売り上げや営業利益は同じでも人件費が上昇するわけですから、その人件費増のしわ寄せはどこかにくるわけです。

では、若年層の雇用を減らして高齢者の雇用を守るかというと、それでは企業が衰退してしまいます。

ですから、人件費捻出のために退職金制度に手を入れざるを得なくなると考えています。

しかし、退職金をあてにして老後の人生設計を考えている会社員が大半です。簡単には手を突っ込めません。

だとすれば、企業は終身雇用ではなく、20年契約などと年限を区切った新たな雇用形態を考えるようになるのは当然の流れだと思います。

人生100年時代で定年退職制度がなくなると考える理由!退職金ゼロ時代に備える方法
人生100年の掛け声で定年退職制度がなくなると考える理由 近い将来に定年レス時代が到来する予感 最近、よく耳にする言葉に「人生100年時代」と「70歳定年延長」という言葉があります。 「長寿の時代になったのだから、70歳まで働いて稼ぎましょう」という掛け声なのです。 しかし、猫の手も借りたいほど人手不足の会社は別として、会社経営者にとって「プライドばかり高くて、腰が重く体力も記憶力も劣化した高齢者を70歳まで雇いたくない」というのが本音です。 70歳まで高齢者を雇うことで、そのための人件費も発生するため、若手の給料を引き上げる原資が不足します。ですから、若年の賃金アップが鈍化し、会社全体の活気を削ぐことになりかねません。 当然、経営者は60歳のときに支給する定年退職金を何とかできないか考えるようになります。退職金をなくすることができれば、若い社員にお金を回すことができるからです。 70歳ま...
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多様な雇用形態になっても幸福な人生を実現する方法

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終身雇用でなくなっても大企業で働くことが有利な理由

今回の経団連会長のニュースで、”脱社畜”ビジネスで稼ぐブロガーらは「大企業も終身雇用をやめる。早く会社をやめてフリーランスで稼ごう」と大喜びするかもしれません。

しかし、私は終身雇用でなくなったとしても、やはり大企業で働きながら副業でスキルを高めることを推奨します。

今後、雇用形態が変化しても、サラリーマンの副業が最も安定感があり、幸せな人生に近づけると考えているからです。

その理由は、まず労働時間の短さと給料の安定感です。

大企業は働き方改革が進んでいて、労働時間の短縮化や休日消化、そのほか育児休職など労働条件の改善がとても進みました。

例えば、三菱UFJ銀行は5月から、男性社員にも約1ヵ月の育休を義務化する新制度を始めると報じられています。大企業だからこそ、育児休暇を取得した社員がいても、それをカバーする人的資源が豊富です。

私の知り合いでも中小零細企業の経営者は、社員数が少ないだけに長期休暇には頭を悩ませています。あまりに寛容な対応だと、他の社員に対する仕事量のしわ寄せが多大で、労働時間の悪化に繋がりかねないためです。

労働時間の短縮化や有給休暇の完全消化など大企業は企業イメージを大切にする意味でも対応が早いものです。

ですから、大企業の社員ほど自分の時間を確保できる傾向が今後、ますます進みそうです。

自分の自由時間さえ確保できれば、さまざまな副業を経験し、自分自身のスキルを磨くことが可能になってきます。

多様な雇用形態の対応は早期リタイアと考え方は同じ

私はサラリーマンが準備なしに早期退職しフリーランスで生きていくのはリスクが大きすぎるので慎重に考えるべきだと主張してきました。

しかし、会社員として漫然と会社に依存する生活も好ましくはありません。

早期退職を目指す人だけでなく、定年退職志向の人であっても、副業でスキルを高め、いつリストラされても生き残れる準備を進めることが重要だと考えています。

今回、経団連会長から飛び出した「もう終身雇用は守れない」という本音。これに過剰に反発するだけでは何も生まれません。

むしろ、終身雇用なき社会を見据え、自分の時間を確保できる企業で働きながら副業に取り組むことができれば理想的です。

副業を経験する中で、自分が一生楽しめるライフワークを見つけ出せれば、きっと幸せな人生を手にすることができると考えています。

サラリーマンの副業はネットビジネス以外はありえない!【副業ランキング】
副業と言っても働きながらできる仕事は限られている 政府が推奨する副業のすすめの理想と現実 2018年は政府が副業を推奨し、「副業元年」と言われました。 少子高齢化による人手不足を解消する方策として浮上した副業のすすめですが、働く側の視点に立つと、別の現実が見えてきます。 現在雇われている会社以外に、別の会社で働く副業というのは、ふたつの会社の指示に従う生活になるわけです。 他人に雇用されて働く生活は、大変なストレスです。ましてや、2つの会社に雇用され、指示をされて働くことは、二重のストレスに耐える生活を意味します。 人間はロボットではありません。 仕事は体力的苦痛よりも精神的苦痛の方がつらいものです。 いま雇われている会社の給料が少なすぎて、別の会社でもバイトしない限り生活できないという人でない限りは、2つの会社に雇用される生活は避けたいというのが普通のサラリーマンの感覚です。 他人に雇用...
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