転落人生に陥らないために心がけるべきことは?
悩める人は人生を真面目に考えている人である
早期退職を考える人の多くが考えることがあります。
それは「自分は何のために働いているのだろうか?」という根源的な疑問です。
私も40代に早期退職を考え始めた時に「俺は何のために働いているのか?」と、仕事の意義や生きる目的を考えたものです。
こんな疑問を抱くことは決して悪いことではありません。
むしろ、人生を真面目に前向きに生きようとする現れともいえます。
では、なぜ、働く意義や目的を自問自答するようになるのでしょうか?
現在の会社や仕事に不満があったり、満足できていないからです。
だからといって、すぐに会社を辞めて転職したり、フリーランスで生きていこうというのは、より大きな人生の落とし穴にはまりこんでしまう恐れがあります。
これから自分がどういう方向に走るべきなのか、人生の転換を考えるときに必ず考えて欲しいことがあります。
人生で成功するには人を見る目を養うことが大切だ
長い人生を成功裏に生きていくためには、まずは人を見る目を養うことがとても重要です。
スキルや知識を高めることに一生懸命でも人を見る目を高めることに留意する人は意外に少ないものです。
尊敬できる人だと思っていた上司が部下を自分の出世の道具として考えていなかったり、常々、名経営者だと感じていた人に誘われて転職したら実際には驚くようなブラック企業だったという人は少なくないはずです。
そんな人物に遭遇するのは不運な面もありますが、人を見る目があれば、事前に避けられるものです。
仮に、早期退職したあとは初対面の人たちと仕事や趣味で付き合うことが増えるものです。
組織にいた頃は同僚や部下など多くの知人があるので交際には不自由しませんが、早期退職後は基本的に孤独です。
ですから、サラリーマン時代以上に人間観察力は重要になってきます。
人間観察力こそ人生を転落しないために重要なポイント
人間観察は外見・行動・志に着目することが重要
では、人を観察するときに、どこに着目するべきなのでしょうか?
大切なのは、次の3点です。
- 外見
- 行動
- 志
人間というのは、過去の人生が顔に現れるものです。「あの人は人相が悪いけど心は優しい」ということがありますが、それはうわべの優しさであるケースが多いものです。
ヤクザの幹部はファーストインプレッションは物腰柔らかで、カタギほど「想像していた人と違って優しい普通の人だ」とイチコロになります。
しかし、神様は決して見逃しません。それぞれの顔に過去の人生をしっかり刻んでくれているのです。
ですから、人相や風態など外見は重要な観察点なのです。
行動と志で人間の本質が見えてくる
次に重要なのは、行動と志です。
上司がいるときだけ熱心に仕事をしている人や社長の前には部下に優しい上司など、明らかに性格が見える行動があります。
その程度なら誰でも信頼すべき人なのかどうか見分けることができますが、判別できなくなるのは成功者と言われる人たちです。
一般的に、成功というのは数字で判断されます。
会社の規模、売り上げ、個人資産・・・
どれも物差しは数字です。そして、その数字の多い人ほど賞賛されるものです。
賞賛された成功者の行動はまた、好意に受け取りがちです。
多少破天荒な行動であっても「あのくらい大胆な行動をする人だからこそ成功したんだ」という具合です。
そして、凡人ほど結果を出した成功者に魅力を感じて近づきたいとか、真似をしたいと考えます。
最近流行の有料サロンは、そうした人間心理を利用したビジネスでもあります。
成功者が行動してきた志や目的に本質が見える
成功の有無ではなく成功の先にある志こそ重要だ
しかし、もう一歩踏み込んで観察してほしいのです。
それは、賞賛されている成功者が何のために行動しているのか?ということです。
ただ単に私服を肥やしたいのか、あるいは社会的な名声や名誉が欲しいのか、それとも社会的貢献に向けた力を蓄えたいのか。
成功の先にある志を確かめる癖をつけて欲しいのです。
ビジネスで大当たりしても、女優との豪遊を繰り返し、家や車や美術品に多額のお金を散財する成功者もいます。
一方で、巨万の富を寄付し、自分は質素な生活で大満足な成功者もいます。
行動の先にある志や目的は何なのか?
このことを観察できれば、決して数字上の物差しだけで尊敬すべき成功者だと判断することはなくなります。
ただ、お金を稼ぐことは悪いことではありません。
むしろ、お金を稼ぐことができなければ他人を助けることも社会貢献することも難しくなります。
大切なのは、お金を稼ぐ力をつけて、その実力や成果をどう社会に役立てることができるか、常に考え続けることです。
その精神があれば、どんな努力も継続できるはずです。
早期退職を考えるときに重要なポイントとは?
「現在の会社にとどまって幸せな人生が送れるのだろうか?」
早期退職を考えるとき、誰もがそう考えるはずです。
尊敬できる上司や同僚、社会に対して胸を張れる会社の事情内容、この二つがあれば、幸福な気分でサラリーマン生活を送れるものです。
今回、人間観察力をテーマにしたのは、早期退職を判断するにあたって大切なエッセンスがあるからです。
人間観察に必要な①外見②行動③志の3つのポイントは、なにも人間だけを対象にした物差しではありません。
法人たる会社も人と同じような物差しで観察すべき対象なのです。
その物差しに照らして、自分の人生を捧げるべき価値がまだ残っていると判断するのなら、せめて定年まで頑張るという選択もあります。
しかし、売上や利益だけが目標となっていて社会貢献を全く考えていない会社ならば、おそらく、早晩、あなたの頑張る気力も薄れてくるでしょう。
その前に、いつ早期退職しても生きていけるようにすぐに準備を始めるべきです。
他人に頼っても人生は切り開くことはできません。
最後は、あなたの観察力と実行力が人生を幸福に導くのです。