大手企業の半数が副業を解禁!その理由は?
1年間で副業を解禁する企業が急増した
昨年2018年は、政府が副業容認に動き始め、「副業元年」と呼ばれました。
あれから1年ほど経過して、企業の意識はどう変化したのか?
日本経済新聞が東証一部上場など大手企業にアンケート調査を実施した結果、約5割の企業が社員に副業を認めていると報じました。
働き方改革の一環として、企業が副業を解禁する動きが進んでいる。日本経済新聞社が東証1部上場などの大手企業にアンケートを実施したところ、回答を得た約120社のうち約5割の企業が従業員に副業を認めていることが分かった。企業側には外部のノウハウを吸収し、人材育成や新事業の開発につなげたいとの期待が大きい。複数の職場で働く従業員の労務管理などの課題も残る。(出典:日本経済新聞)
日本経済新聞は昨年3月、副業について「社長100人アンケート」を実施していますが、そのときは副業を容認している企業が31.5%にとどまっていたということです。
調査対象が全く同一ではないので単純比較できないとは思いますが、この1年余りで副業に対する企業の理解が急速に進んだことが分かります。(参考:日本経済新聞)
副業解禁はモチベーション向上が本来の目的なのか?
もともと企業は副業を認めることは本業に悪影響を及ぼすとして後ろ向きだったはずです。
なぜ、いま、企業は副業を解禁するのでしょうか?
日本経済新聞によると、アンケート調査で最も多かったのは「社員の成長やモチベーション向上につながる」(76.6%)という回答でした。
確かに、私も副業で年収が1000万円を突破したとき、会社の仕事にも意欲が高まった気がします。「会社に依存しなくても生きていける」という自信がつき、ある意味、開き直ることができました。
次に多かったのは「社員のセカンドキャリアの形成に資する」(45.7%)という回答です。
これが本音に近いような気がします。
回答を見て感じるのは、企業が「社員の副業を禁止したまま、会社が70歳まで面倒を見る人事でいいのか?」と考え始めたということです。
もっと直接的に申し上げると、一部の役員候補を除いて45歳前後で退職させる人事が普通の時代が到来するということです。
すでに、経団連会長やトヨタ社長は「終身雇用は難しい」と表明しています。
企業から「社員のセカンドキャリアの形成に資する」という回答が2番目に多いのは、社員が副業で稼ぐ力を身につけてもらい、早期に退職しても生きていけるようになってほしいという意思の表れとも感じます。
終身雇用の終焉と副業解禁はパッケージなのではないでしょうか。

サラリーマンが普通に副業する時代が到来する
サラリーマンが副業を選ぶ際に注意すべきこと
サラリーマンが副業を選ぶとき、最初に考えがちなことがあります。
それは儲かるかどうかという点です。
しかし、儲かるか否かを最初の物差しにすると、必ず失敗します。
なぜなら、さほど儲からないと感じ始めると、すぐに諦めてしまうからです。
もうひとつ、ありがちなのは会社の仕事の延長線上で副業を選ぶということです。
確かに、会社は本業のプラスになるかもしれないと喜んでくれるかもしれません。
しかし、基本的には会社の仕事の延長線上ですから、新鮮味に欠け、うまくいかなければ、すぐに断念しがちなものです。
では、何を物差しにするべきなのでしょうか?
答えは一つしかありません。
自分が興味を持てる事、昔からやりたかった事、楽しいと思える事を副業にするということです。
自分が楽しいと思えることならば、長年、やり続けても苦にはなりません。
将棋の世界でも、小学生の頃に始めた人たちが成人になっても辞めず、プロ棋士になってしまうのは、将棋を指すこと自体を楽しいと感じているからです。
私のようなヘボ将棋でも、対局中、幸せな気分になるのが自覚できるものです。
プロ棋士になるのは辛い道ではありますが、反面、将棋で生活できる人は自分の好きな事で生きているのですから、幸せな人たちでもあります。
副業を選ぶ際も、同じことが言えます。
まずは、自分は何を楽しいと感じるのか、自己分析することが第一歩となります。
他人を助けることに生きがいや楽しさを感じるならば、教育や福祉、介護という分野があります。
文章で表現することに幸福感を感じるならブログ、動画を撮って編集してみたいならYouTubeもあるでしょう。
小説やイラスト、漫画、などクリエイティブな物作りの世界だってあります。
自己規制をかけない限り、副業の世界は実に幅広く自由なのです。
夢や希望があれば毎日が楽しいもの
副業に取り組み始めると、間違いなく、生まれる感情があります。
それは期待感であり、夢や希望です。
副業が成功した暁には、どんな未来が待っているのか。想像しているだけでもワクワクするものです。
ブログで月収1000万円以上という人もいますから、ブログを始めて取らぬ狸の皮算用をする人も少なくないでしょう。しかし、夢や希望を持てただけでも副業に取り組んだ意義があると思います。
なぜなら、会社に通うなかで、上司を見てもさほど幸せそうではないなと感じているサラリーマンは多いものです。
「うまくいったとしても、あの程度か?そのために人生の時間を会社に消費しているのか」
そう思うだけで、夢や希望の薄い日々を送っていることに気づくはずです。
取らぬ狸の皮算用であったとしても、副業で夢や希望を抱いている時間は、実に幸せなものです。
しかも、数年後、想定外の収益が発生し、取らぬ狸の皮算用ではなく、現実のものになる可能性だってあるのです。
副業は、単に経済的な側面だけでなく、精神的にも深い効用があるものです。
