バブル入社組の大量退職時代に生き残る方法とは?
団塊世代の影に隠れている大波とは?
いま、日本全体を雲のように覆っている将来不安は少子高齢化が原因です。
とくに、人口のボリュームゾーンを占める団塊世代は、あと5年ほど2025年には後期高齢者(75歳以上)の範囲に入ります。
現在は健康な人でも、後期高齢者になると健康状態が変化し、医療費が膨れ上がる一因とも言われています。
総務省統計局の「高齢者の人口」によると、75歳以上は今年1848万人ですが、2025年には2180万人に膨れ上がり、総人口に占める割合が14.7%から17.8%に上昇すると推計されています。
また、60歳以上は総人口の28.4%から30.0%に達し、日本人の10人中3人が65歳以上という本格的な高齢化社会に突入することになります。
ただ、世の中の関心は団塊世代に向きがちですが、もうひとつ大きな人口の波が押し寄せようとしています。
それは平成バブル入社組の大量退職です。
企業はAI選択で”転職”冬の時代が到来する
平成バブル入社組は、団塊ジュニア世代とも重なっていてボリュームも小さくありません。
2026年から29年はバブル入社組が60歳を迎え、大量退職時代が到来します。
定年延長や転職を選択する人も多いとは思いますが、定年退職を選択したあと、無職のリタイア生活を選ぶ人も少ないとみられます。
どんな後半人生の選択が幸せなのか、50代になると悩むものです。
どんな生き方でも一長一短がありますが、ひとつだけ留意したいことがあります。
それは政府が70歳まで雇用することを企業に推奨しようが、肝心の企業は高齢者の雇用に後ろ向きな時代が一層強まるということです。
なぜなら、AI(人工知能)が急速に進化しているためです。
AI化によって企業が一層リストラの動きを強めることが予想されます。
なぜなら、AIの前段階と言われるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって、すでにメガバンクはリストラをスタートしているからです。(メガバンクの場合は採用抑制による自然減リストラです)
大手企業で働く人にとって「RPA」は聞き慣れた単語だと思いますが、簡単に言うと、コンピューターソフトに業務を覚えさせて自動化する手法です。
人工知能のAIは膨大な情報を分析して判断までするのですから、高齢社員がかなうはずがありません。
つい数年前、AI将棋はプロ棋士に全く勝てませんでした。「いくら何でもAIがプロ棋士に勝つのは不可能だ」とも言われていました。
しかし、現在はプロ棋士がAIに負かされる時代になりました。あっという間の出来事でした。
ビジネス現場でも社長が社員の分析や提案よりもAIを信頼する時代が到来するともいわれています。
定年延長の高齢社員に任される程度の仕事はAIにとって朝飯前の作業になります。
それでも経営者はAIよりも高齢者の雇用を選択するでしょうか?
あるいは、転職希望の高齢者を積極的に採用するでしょうか?
議論するまでもありません。
いまから、定年延長や転職が冬の時代を迎えると想定して、退職後の対策を講じておくことが重要です。
経済的基盤とともに退職後の人生に必要不可欠なことは?
退職後のリタイア生活はお金以上に大切なことがある
若手社員やAIと比較されたり、かつての部下から命令されながら、大切な後半人生を消化したくはないと考えるサラリーマンは少なくないはずです。
そんな人生を回避するためには、完全リタイアでも生きていけるように、現役時代から給料のほかに副業で収入を増やして経済基盤を築くことは基本中の基本です。
ただ、定年退職であれ、早期退職であれ、退職サラリーマンが陥る不幸があります。
それは孤独です。
サラリーマンの多くは長年、会社と家庭という2つのコミュニティーの間だけを行き来してきました。
しかし、退職後は会社というコミュニティーはなくなります。
家庭だけが唯一残されたコミュニティーなのに、夫婦仲が芳しくなく家庭も喪失寸前という人もいるでしょう。
退職後、元同僚や上司らと遊ぶ人もいますが、元会社コミュニティーだけだと、いつも同じような話題で刺激も発展性もありません。
何よりも孤独や刺激のない生活は認知症のリスクがあります。
体の健康と同時に脳の健康も留意することが重要です。
ですから、私は高齢者ほど若い人たちと交流することが大切だと考えています。
高齢者が若い人たちと交流する方法
シニアが若い人たちと交流する方法はいろいろあります。
地域のボランティアや大学の社会人コースに通ったり、趣味のサークルに参加する方法もあるでしょう。
私はカメラが趣味なので、いつか若い人たちと撮影散歩サークルを立ち上げようとも考えています。
もうひとつは、会社を買う方法もあります。
先日、全3回にわたってサラリーマンが小さな資金でも後継者不在の会社を買う方法を連載しました。
ゼロから会社を作るのは大変ですが、黒字でも後継者不在のために売り出されている会社を買収すれば、ワクワクするような新たな人生を踏み出せるかもしれません。
私も社員の平均年齢30歳という若くて小さな会社のオーナーですが、彼らが一生懸命働いて喜びを感じている姿は実に気持ちの良いものです。
しかも、社員たちが新たなビジネススキームや情報、文化、そして刺激を与えてくれます。
病気やゴルフ、子供の話題ばかりで退屈な同世代コニュニティーとは全く刺激と空気感が異なります。
まとめ・お金と趣味と人間関係
サラリーマンはいま会社の中核で働いていても、いずれ自身の高齢化と企業のAI化に直面します。
運良く出世するかもしれませんし、会社に嫌気が差して定年退職や早期退職を選択するかもしれません。
人生の先行きは誰にも予測できないものです。
ですから、会社員時代にどんな状況に陥っても幸せに生きていける準備に取り組むことが重要です。
そのためには・・・・
- 副業に取り組んで金融資産を増やす
- 退職後でも熱中できる趣味をつくる
- 若い人たちと交流する方法を考える
少なくとも上記の3点は常に心がけることが大切です。
私は50代で早期退職し自由に生きていますが、上記の3点を心がけたからこそ、いまの生活に満足しているのだと実感しています。