早期退職して大きく変化することは何か?
最近退職した50代女性の話で再認識したこと
最近、私の知人が早期退職しました。
有名企業で周囲の男性社員に負けずに頑張ってきたものの、あることをきっかけにモチベーションがなくなり、50代で早期退職した営業職の女性社員です。
彼女が早期退職した理由のひとつに世代間ギャップがあります。
20代、30代の社員と交じって競争社会の中で働く彼女にとって、最近のデータ優先主義はついていけなかったといいます。
「昭和世代あるある」ですが、かつては取引先と酒を飲み交わして信頼を勝ち取って会社の利益に繋げることが営業マンの面白さであり、醍醐味でした。
そういう社員は人間性や人脈が勝負と考えていますから、データを駆使した分析は「小賢しい空想話」に感じたのかもしれません。
しかし、時代は無尽蔵なデータを集積し分析するAI(人工知能)時代に突入しました。まだ、AIを導入していない企業であっても、データ分析する社員の提案を重視する傾向が強まっています。
データ分析主義と人間関係主義は体質的に相容れない部分があり、50代の彼女もある意味、自分が活躍する時代は終わったと感じたのかもしれません。
ただ、彼女が偉いのは、自分の時代が終わったと悟ったあとは新たな人生に舵を切ったということです。
人生の時間は有限です。
1年たりとも無駄に過ごしたくないという思いが彼女を早期退職に駆り立て自由な生活に導いたのです。
50代女性社員は早期退職して何が変化したのか?
新たな時代の潮流は逆らうことはできません。
その潮流が正しいことか否かを論じてみても意味がありません。
論議して変わるわけでもなく、自分の人生は自分自身で切り開くしかないからです。
その意味では、いまの時代、いまの企業が求めるものと、自分自身の能力や体質がミスマッチだと感じた時に、すぐに方向転換できるのは別の意味で能力の高さを感じます。
私は「不満や愚痴を口にしながら会社にしがみつくサラリーマンが多い中で、早期退職した君は立派だよ。さすが機敏で判断力に優れたトップ営業マンだったことはある」と賞賛しました。
彼女は満更でもない表情で、会社員時代やれなかった趣味や個人事業を実践しようと準備していることなど楽しそうに語り続けました。
最後に「早期退職して最も変わったことは何?」とたずねると、即座に返ってきた言葉があります。
「ぐっすり眠れるようになった」
なるほど、そうしてみれば、今の自分もそうだと改めて実感しました。
就寝前、翌日の仕事を考えながら眠りにつく会社員は多いものです。真面目なサラリーマンであればあるほど、無意識のうちに、そういう習慣があるものです。
しかし、彼女は、もう会社の仕事や利益を考えたり、不安を感じることもありません。
「自由とは不安からの解放なのだ」
改めて、そんなことを感じていました。
早期退職しただけでは本当の自由にはなれない
真の自由になるために必要なことは何か?
早期退職して会社に縛られ不安な日々から解放されたいと願うサラリーマンは少なくありません。
今回紹介した彼女は多忙な営業職のかたわら、将来、会社を辞めた時でも経済的な不安を抱かず生活できるように準備していました。
それは不動産投資です。
彼女は年収1000万円以上だったので、銀行ローンというレバレッジを利用して都内に不動産物件をいくつか保有し、その家賃収入を得ています。
彼女が言うには、貯蓄と割り増しされた退職金、副業収入があるので、経済的には何の不安もない状態だといいます。
中年期まで好成績な営業マンだと副業など考えないものです。むしろ会社に尽くして社内の出世を狙います。
しかし、企業というのはデキる社員よりも従順な社員を出世させたがるものです。なぜなら、ポストを決めるのは上の人間だからです。
彼女はいつ自分が戦力外になるかもしれないと考え、給料に甘んじることなく、副業も実践していました。
若い頃は重宝されていても。50代になると不要社員の烙印を押され居場所がなくなる人は多いものです。
彼女は最悪の事態も想定して、仕事が順調な頃から副業という保険をかけていました。
副業の効果たるやテキメンです。早期退職したあと、彼女は経済的な不安なく自由な生活を謳歌しています。
早期退職しただけでは真の自由は手にできません。
経済的な裏付けがなければ、心の底から自由になれないものです。
早期退職後に心の底から自由になった人の共通点
彼女と自分の共通点を考えてみます。
二人とも早期退職後に実感したのは「ぐっすり眠れるようになった」ということです。
眠りが深く、起床時間を意識する必要がないため、体調も良好です。
他人に雇われて仕事することは、最も大切な睡眠に影響を与えていることを退職後に認識したものです。
ぐっすり眠れるのは安心感があるからです。
早期退職後に経済的な余裕がなければ、安心感どころか、むしろ、新たに生活不安が襲い掛かります。
ですから、早期退職しただけでは自由になれません。
しかし、彼女も私もサラリーマン時代に副業に取り組んでいました。
彼女は不動産収入、私はブログや事業収入。サラリーマン時代に取り組んだ「給料以外の副収入」が自由な生活を与えてくれました。
お金に支配されない人生を実現するには、副業で稼ぐしかない。
このことを改めて実感しました。