資産形成の定石を覚えないと一生貧困が続く恐れがある
億単位の資産を形成するには定石がある
将来不安が高まっているせいか、ツイッターなどで「楽に稼げる方法を教えます」といったダイレクトメールが届きます。
もちろん、そんな話はすべて詐欺のようなものだと分かっているので無視しています。
ただ、どんな人がこんなDMを送っているのか調べると、億単位のお金を稼いで自由人になったと称する人や何とかコンサルと称する人など様々ですが、本当のお金持ちはそんなDMを送ったりはしません。
本当のお金持ちは稼ぐことよりも、お金を減らさないことを考えるもので、怪しげなメールやツイッターをあげている人は、その行為そのものが自分は貧乏だと言っているようなものです。
最近、若い人が豊かで自由な生活に憧れ、若くして脱サラしたものの、現実は甘くなく、結局は生活に困って詐欺的なネットビジネスに手を染めているのかと思うと、とても複雑な気持ちになります。
私は幸運にも悠々自適なリタイア生活を実現することができましたが、億単位の資産を形成するには定石があると思っています。
将棋と同じように定石を覚えないと資産形成は難しい
私は将棋が好きでテレビなどでプロ棋士の対局を観戦するのですが、彼らはプロになる前に徹底的に定石を叩き込まれています。
定石とは、その局面における「最善の一手」あるいは「決まり切った一手」という意味です。
初めて将棋の全7タイトルを獲得した将棋の天才・羽生善治さんでさえ、終盤は「玉は下に落とせ」という定石通りに指しているのを見ると感動を覚えます。
将棋は相手の玉を最後に仕留めるゲームですが、玉を上段に逃すと仕留めづらくなります。このため、玉を下段に落とすことが定石とされていますが、私が小学生の時に祖父に教えられた定石のひとつです。
強い棋士ほど、この初歩的な定石を大切にしているものです。
資産形成も同じです。
億単位の資産を形成するには最善の一手があります。
億単位の資産形成のために心がけた支出の考え方
富裕層が高価なブランド品を買う理由
消費、つまり支出に関しては、いろいろなフィナンシャルプランナーがアドバイスをネット上で語っていますが、その多くは参考にならないと考えています。
なぜなら、まず、消費の考え方が間違っています。
富裕層の家は、物が少なくスッキリしているものです。余計な物が置かれていません。
しかし、彼らが買い物する時は、安くて流行しているものではなく、高くても長年使える高級ブランドの物を選びます。
そういう高級ブランド品は長年にわたって大切に使います。20年以上使って不要になっても高値で売ることができます。
エルメスのバーキンは新品だと130万円ほどですが、20年以上使用して売却してもきちんと値がつき数十万円で買い取ってもらえます。カメラのライカも同じです。
闇雲に支出を下げるのではなく、「安物買いの銭失い」を避けることが定石です。
家計簿は弊害がある!節約より重要な事とは?
もうひとつは、節約の考え方です。
節約のために家計簿をつける人がいますが、これは萎縮的な姿勢を醸成する恐れがあります。
むしろ、資産形成を目指す当初は、節約よりも支出を増やすことに全神経とエネルギーを注ぐべきです。
毎日、家計簿をつけて節約に一生懸命になると、投資するお金さえも無駄な支出に思いがちです。
「株に500万円も投資して、本当にお金は増えるの!お金は返ってくるの!」
こんな会話が飛び交うようになってしまいます。
我が家は家計簿をつけたことがありません。
唯一、30代前半に年間の収入と支出を計算しただけです。
このとき、集計したら、年収は2000万円、支出は800万円でした。妻と2人で「支出は増えてもいいから、それ以上に年収を増やそう」と決意した覚えがあります。
もしも家計簿をつけて節約思考だったら、成功するかどうか分からない妻の会社立ち上げに資本金を全額出資しなかったかもしれません。
節約よりも、どうすれば収入が増えるのか?
まずは、収入を増やすことに全力を傾けることが重要です。
家計簿をつくって節約するのは資産が1億円を超えてから始めても遅くはありません。
会社員の資産形成は給料のほかに収入複数化が定石
収入を増やすために心がける定石とは?
資産形成には収入を増やすしかありません。
いくら節約しても収入が増えなければ、億単位の資産形成はほぼ無理です。
では、収入を増やすための定石とは何なのでしょうか?
- 会社の給料のほかに複数の収入源を持つ
- 自分の時間をすべて会社に捧げない
- 収入計画は5年単位で考える
私が心がけたのは上記の3点でした。
30代から年収数千万円の外資系企業と違って、日系企業に勤めて給料だけで億単位の資産を形成するのは、なかなか厳しいと思います。
私は会社の給料は生活の基本とし、資産形成の援軍はWeb収入や不動産収入、配当収入など副業にる収入増加を考えました。
これができれば、世帯年収3000万円以上になるのは、さほど難しいことではなくなります。
副業で収入を増やすには自分の時間確保が重要
会社員が億単位の資産を定年前に形成するには副業が必須です。
副業は無理だという人は資産形成をあきらめ、給料が少なくても65歳〜70歳まで会社にお世話になることを真面目に考えるべきです。
副業も資産形成もしていないのに会社に居づらくなったので早期退職しようかどうか迷っている人のブログをよく見かけますが、「会社も嫌、副業も無理」というのは出口はありません。
また、会社に不満を持つ同僚らと居酒屋で会社や部長批判をして溜飲を下げているサラリーマンも少なくありませんが、これも時間の無駄です。
会社の同僚と酒を飲む時間も会社勤務の延長のようなものです。少なくとも「自分の時間をすべて会社に捧げない」という定石に反しています。
とくに、若い人は決して愚痴や悪口の飛び交う飲み会に付き合ってはいけません。付き合うなら、会社の主流派の先輩と酒を飲みましょう。そちらの方が得るものがあるはずです。
反主流派の愚痴に付き合っても、大切な時間を失うだけで百害あって一利なしです。
資産形成は5カ年戦略で立ち向かうこと
自分の時間を確保したら、いよいよ収入を増やす戦略づくりです。
副業をしながら資産を形成し、早期退職して自由に生きる。
こんな人生を実現するには、それなりの戦略が必要です。ただ、勤務実態や生活環境に合わせた副業を考えることも必要です。
私の場合、30代はサラリーマンとして最も時間を会社に捧げ、忙しい時代でした。このため、副業は不動産程度で、親しい不動産屋さんに管理を丸投げしていました。
40代は会社での責任が重くなりましたが、一方で時間の余裕も出てきました。自分で自分の勤務時間をコンロールできるようにもなりました。
ですから、会社の飲み会は必要最小限度に抑え、早めに帰宅してWeb制作や株式投資など副業に本格的に取り組みました。
50代は、早期リタイアのゴールが近づき、保有不動産の出口戦略、つまり売却が最大の課題になりました。
20年間空室になることなく安定収入だったマンションでしたが、いずれ老朽化で管理組合がもめる可能性があります。その前に売却し、多額のキャッシュも入ってきたので心の余裕も生まれました。
いずれも5カ年計画に具体的な収入目標を書き込み、毎年、計画の微修正を繰り返しました。
なぜ、5カ年計画をつくったのか?
それは目標を明確化するためです。人間は弱い生き物ですから、具体的な数値目標がなければ、途中であきらめてしまったかもしれません。
もうひとつ5カ年にしたのはネット収入はすぐに成果が上がらないからです。5年先ぐらいを目標にするのがちょうどいいと考えました。
資産形成のために副業で稼ぐには、それ相応の覚悟と戦略が必要です。
ただ、思い返してみると、最も大切なことは、勉強は二の次で、まずは実践することだったような気がしています。
何よりも副業は新たな世界を経験することなので、実にワクワクして楽しい時間でした。