ソニーが火を付けたフルサイズ・ミラーレスカメラの戦国時代。いよいよ面白くなってきました。
ソニー、ニコンに続いて、カメラ業界の最大手キヤノンも、フルサイズミラーレスを初めて発表し、いよいよ戦闘モードに入りました。
9月8日のブログで、エントリーモデル3機種について、ボディー本体とレンズを価格面から比較しましたが、今回は機能面から比較・評価したいと思います。
α7Ⅲ、Z6、EOSRの性能比較
画素数はキヤノンEOS Rが最多
今回、比較するのも、最も売れ筋になる以下の3機種になります。
- ソニーα7Ⅲ 20万9700円(価格.com最安値・税込み)
- ニコンZ6 24万5430円(価格.com最安値・税込み)
- キヤノンEOS R 25万6500円(Canonショップ価格・税込み)
ただ、ニコンZ6もキヤノンEOS Rも発売前なので、現時点では性能はカタログスペックでの比較になります。
まず有効画素数ですが、キヤノンが最大となっています。
- ソニーα7Ⅲ 約2520万画素
- ニコンZ6 約2450万画素
- キヤノンEOS R 約3170万画素
画素数はキヤノンが最多となっています。
画素数が多いと良い写真が撮れるとは限らない
画素とは何か?
画素はデジタル画像を構成する最小単位の点のことで、これが最も多いのが「EOS R」ということになります。
では、「画素数が多ければ、解像度の高い画像が撮れるか」というと、必ずしも、そうとは言い切れません。
少し専門的になりますが、画素数が多いということは、撮像素子に多くの画素を詰め込んでいるわけですから、1画素が受け取れる光の量は少なくなります。
ですから、階調が浅くのっぺりした写真になりかねません。
今回、キヤノンが「EOS R」と同時に、F値の明るいレンズを発表しましたが、これは画素数を意識したものと思われます。
もうひとつ、画素数が大きいと、それを記録する媒体(SDカードなど)も大容量が必要になります。
し、動画の記録や編集を考えるとパソコンなどのシステムも高性能なスペックが必要になるかもしれません。
「画素数=いい写真が撮れる」というわけではなく、むしろ画素数が少ないほうが安心だという人がいることを覚えておいてください。
キャノンとニコンはソニーのAFに勝てるのか
圧倒的なキヤノンEOS RのAF測距点数
画素数比較の次は、最近、ミラーレスカメラファンが注目しているオートフォーカス(AF)性能を比較します。
3機種とも、現在、上位機種では常識となった高速でピントをあわせてくれる像面位相差検出を採用しています。
では、その測距点と、もうひとつ、ソニーがカメラファンを驚愕させた「瞳AF」の有無を比較してみました。
- ソニーα7Ⅲ 測距点数693点 瞳AFあり
- ニコンZ6 測距点数273点 瞳AFなし
- キヤノンEOS R 測距点数5655点 条件付きの瞳AF
測距点はピントを合わせるための領域のこと。カメラのファインダーや液晶パネルに長方形や点などで表示される、いわゆるフォーカスポイントです。
この測距点はキヤノンが圧倒的な多さです。画素数といい、測距点といい、キヤノンは大きな数字がお好きなようです。
AF測距点以上に注目されるポイント
測距点が多いと、被写体が動いて、最初にピントを合わせたフレームを外れても、別の測距フレームに入るので、被写体を追い続けることができます。
このため、測距点数は多いに越したことはないような気がしますが、一部に測距点が邪魔だという人もいます。
というのも、最近は、動体予測AFのアルゴリズムが重要視され、追尾AFの競争が激しくなっているからです。
ただ、キヤノンも「EOS R」に高性能な追尾AFを搭載しているものと思われます。
ソニーのAFは定評があるが、ニコンとキヤノンは未知数
オートフォーカス(AF)でもう一つ重要なのは、ソニーが驚愕させた瞳オートフォーカス(AF)です。
瞬時に瞳を検知し。ピントを合わせてくれるので、動く被写体のポートレート、例えば、ダンスやスポーツ、子供の撮影には力を発揮する機能です。
α7Ⅲが爆発的に売れる一因ともなった瞳AFですが、ソニーはもちろん搭載。キヤノンは条件付き搭載。ニコンは見送りとなりました。
キヤノン「EOS R」のサイトを見ると、『瞳AFは「ワンショットAF」「顔+追尾優先AF」「瞳AF:する」の時に機能します』と書かれていて、限定的な瞳AFとなっています。
オートフォーカスというのは、実際に実機を手にして撮影してみないと、その性能の良し悪しが分からないものです。
すでに発売されているソニー「α7Ⅲ」のAFは高い評価を受けていますが、ニコンとキヤノンのフルサイズミラーレスはまだ未知数です。
発売されてから店頭でよく確認する必要があります。
ここまで、基本的な撮影性能を比較してきましたが、次回はカメラ選びで最も重要なポイントに切り込みます。
実は、それこそ売れ行きを左右すると思われる重要ポイントだと感じてるので、その点を中心に解説したいと思います。
キーワードは「時代の新潮流」です。
それでは、また、お会いしましょうね。