「中田敦彦のYouTube大学」に感じる可能性とは?
久しぶりにYouTubeの可能性を感じる動画を見つけた
最近、YouTube動画がつまらなくなったと感じています。
それはクリエイターに対する規約が厳しくなったせいなのか、それとも報酬発生のハードルが高く、新たな才能が新規参入するインセンティブが低下したのか、原因は分かりません。
ただ、悪ふざけ系などエンタメ動画は同じような企画ばかり。大人系動画は商品広告、つまり企業提供の動画が増えて、人気ユーチューバーが企業広告の駒になっています。
YouTubeは、企業に忖度することなく、実際に商品やサービスを使ってみて感じた素人の本音レビューが魅力です。
有名ユーチューバーが企業提供に染まると、まるでテレビショッピング番組のような動画に見えてきます。そうなると、そのユーチューバーの信頼性も薄れ、いつの間にか見る気が失せています。
しかし、最近、久しぶりにYouTubeの可能性を感じる動画、そしてユーチューバーに巡り会いました。
それが「中田敦彦のYouTube大学」です。
自然で何気ない中田敦彦氏の反骨精神
「中田敦彦のYouTube大学」は、文学作品や日本史、世界史、世界の偉人、現代の政治的テーマをお笑いを交えて分かりやすく、そして鋭く切り込む動画番組です。
講師の中田敦彦氏は、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの芸人。現在は、相方の藤森慎吾氏と別々に活動することが多いようです。
中田 敦彦(なかた あつひこ、1982年9月27日 – )は、日本のお笑いタレント、実業家。お笑いコンビ・オリエンタルラジオのボケ、ネタ作り担当。相方は藤森慎吾。ダンス&ボーカルグループ・RADIO FISHのメンバーとしても活動している。(出典:Wikipedia)
彼が配信するYouTube動画は教養が身につくだけでなく、地上波では決して流せないような政治的テーマに鋭く切り込んでいます。
中田敦彦氏の反骨精神と教養は、どこから来るのでしょうか?
彼の略歴は次の通りです。
1982年(昭和57年)、父親の仕事の都合で佐賀県で生まれ、生後2・3ヵ月頃に大阪府高槻市へ移る。弟はポップダンスチームBLACK D.O.G.SのFISHBOY。1992年4月、大阪から山口県山口市に移り、山口市内の小学校に転入。その後、山口大学教育学部附属山口中学校に入学したが、両親の転勤に伴い、1995年4月、東京学芸大学附属小金井中学校に進学。中学校では茶道部に在籍。東京学芸大学教育学部附属高等学校を経て、2001年4月に慶應義塾大学経済学部入学。高校生の時に観たビデオでダウンタウンや千原ジュニア、シティボーイズが好きになり、お笑い芸人に興味を持った。(出典:Wikipedia)
中田敦彦氏は慶應大学経済部出身。芸人としては高学歴です。
ですから、動画を見ていても基礎学力や基礎知識の高さを感じさせます。
しかし、真の教養とは単なる知識の蓄積ではありません。
知識を応用した生きる知恵、さらには常識を疑う探究心、幸福な世の中や人生を追求する反骨精神の結晶です。
彼の動画の空気感から、まさに真の教養を感じるのです。
「中田敦彦のYouTube大学」が大学以上に大学な理由
「リアルな大学」と「中田敦彦のYouTube大学」の違いとは?
多くの親や若者が「学士」を得ようと、大学進学を希望します。
その結果、今春の大学進学率は53.7%と、過去最高の高さになりました。(参考:文部科学省の2019年度学校基本調査(速報値))
長年、「大学不要論」などが言われていますが、実際には、多くの親や子が大学に進学して「学士」を得ることが就職に有利だと考えていのです。
しかし、大学に進学した学生の多くは、その授業の退屈さに閉口するのではないでしょうか?
私も学生時代、授業のつまらなさに閉口した覚えがあります。
その原因のひとつは、学生に理解してもらおうというサービス精神の希薄さがあります。
大学の先生は学生の理解度に関係なく、授業をすれば、給料をもらえるからです。
もしも、理解度に応じた報酬システムならば、教授たちの意識は変革されるはずです。
しかし、「中田敦彦のYouTube大学」は徹底的に分かりやすさにこだわっています。
視聴者に理解されなければ、登録者が増えず、収益も上がらないことが、分かりやすさを生んでいるのだと思います。
まさに、市場原理が分かりやすさを生み出しているのです。
何よりも、「中田敦彦のYouTube大学」は、いまのリアルな大学に欠けていると思われる「新時代をタフに生きれる教養」をテーマに掲げています。
登録者が急増!「中田敦彦のYouTube大学」と地上波の違いは?
「中田敦彦のYouTube大学」は、今年4月にスタートし、現在、登録者数は67万人を超え、もうすぐ70万人に届きそうな勢いです。
5ヶ月ほどで70万人近い登録者数は異常です。
もちろん、お笑い芸人として積み上げた中田敦彦氏の人気も寄与しているでしょう。
しかし、私のように、まったくお笑いには興味のない男が登録するほど「中田敦彦のYouTube大学」はタメになります。
その大きな理由はYouTubeの特性を活用して政治的なタブーを乗り越えた内容になっていることがあります。
過去の歴史や文学作品の紹介は忖度する点が少ないと言うのは分かります。
しかし、中田敦彦氏は、原発問題や憲法改正問題、消費税率の10%引き上げ問題など、地上波では扱いにくい問題もまた取り上げています。
しかも、動画の中では、なぜ大手マスコミが原発の不都合な真実を報じないのか、なぜ消費増税に寛容なのか、さらには国民洗脳のPR役になっている点にも切り込んでいます。
もちろん、そうした見解は彼のオリジナルではなく、毎回、そのベースとなる参考書籍も紹介しています。
ですから、彼は最後に「権力者のみなさん、勘弁してください。私がそう言っているのではないんんです、この本がそういっているのです。悪いのはこの本なんです」と泣き顔で弁明するのですが、それがまた風刺が効いて面白いのです。
お笑いで反骨精神を見えなくする。
最近、吉本興行が権力者に取り入って公的資金を自分のビジネスに流し込んでいることが批判の対象にもなっています。
しかし、中田敦彦氏には本来人々が求める芸人の本質を感じ取る人が多いのかもしれません。
秀逸な動画「消費税増税 本当に必要? 不都合な真実編」
最後に、教養講座としても娯楽番組としても秀逸な内容だと感じた作品を紹介したいと思います。
先日、私は「『マンガでわかる こんなに危ない⁉️消費増税』を徹底レビュー」という記事をアップしました。
名門高校に通う女子高生あさみちゃんが経済学者や財界トップ、政治家、財務省幹部ら増税派論客たちを次々論破する漫画です。
漫画ではあっても、中身は実に硬派。難しいことを難しく伝えるのではなく、難しいことを分かりやすく伝える点では、中田敦彦氏と通じる作品です。
その彼が『マンガでわかる こんなに危ない⁉️消費増税』を参考に消費増税問題を語ったのが、「消費税増税 本当に必要? 不都合な真実編」です。
財務省が消費増税するために、国民は長年洗脳されていたのか?
信じるか、信じないかは、あなた次第です。