多くの経営者が「終身雇用」と「70歳定年」に反対!
中年社員は自分の力で稼ぐ時代がすぐそこに来ている
正直なところ、大企業の経営者がこれほどはっきり口を揃えるとは思っていませんでした。
私はまだまだ甘いのかもしれません。
5月30日に放送されたテレビ東京のワールドビジネスサテライト(WBS)は、経団連の定時総会記念パーティーを取り上げました。
この定期記念パーティーは、経団連の新体制をお披露目し、懇親を深める大切な場でもあります。これが終わると、7月には軽井沢にトップが集まり、夏季セミナーという名の勉強会が開催されます。
その記念パーティーで、テレビ東京のWBSは企業トップに「終身雇用は維持できる?」「定年70歳に賛成?」という2つの質問をしました。
「終身雇用を維持したい」と答えたのは、サントリーホールディングスの新浪剛史社長だけ。その新浪社長も定年70歳にはバツをつけました。
みずほFCと大成建設のトップは”定年70歳”も”終身雇用”もバツ
一方、みずほFCの佐藤康康会長は「定年70歳」「終身雇用」の両方にバツをつけました。
佐藤会長は50〜60歳まで銀行で働いてスキルや知識を身につけ、地方の中小企業の経営者になるなど新たな働き方を求めました。
ただ、メガバンクの銀行員を経営者として必要とする地方企業がどれだけ存在するのか疑問は残ります。銀行員と地方企業の間で処遇のミスマッチがあるかもしれません。
しかし、中年期になったら自分で生きる道を探すことが必要不可欠なことを予見させる発言でした。
もうひとり、大成建設の山内隆司会長は「一律で70歳まで保障しますなんて、そんなこと言っていられない」と率直な考えを明言しました。(参考:テレビ東京オンデマンド)
経団連会長やトヨタ自動車社長が終身雇用は厳しいと発言し、世の中に衝撃を与えました。
しかし、それは何も特異な意見ではなく、経営者に一般的な考え方であることを印象付けた経団連のパーティーでした。
サラリーマンが老後まで生き抜く方法とは?
50歳定年のつもりで準備を進めることが不可欠
今回、最も注目すべきは、みずほFCの佐藤康康会長の言葉だと感じました。
中年になったら銀行を辞めて自分で稼ぐという働き方改革を強調したのです。
政府が定年70歳制度を推進しても、企業はむしろ中年以上の社員は不要と考えています。中高年になったも安泰なサラリーマンという期待感は捨てた方がいいのかもしれません。
企業は、体力や柔軟性が低下した高給な高齢社員よりも、若くて安い労働者を欲しているのです。
中年期に新卒で就職した会社を早期退職し、その後は転職かフリーランスを選択するのが一般化する時代がすぐそこに来ているのだと感じます。
ですから、これからのサラリーマンは50歳定年を想定して、その前に経済的な準備を進めることが必要不可欠なのです。
サラリーマンは副業に有利な環境にある!
50歳定年を想定して準備することには、ため息が出るサラリーマンが多いかもしれません。
住宅ローンや生活費、子供の教育費などに出費がかさみ、貯蓄する余剰金は少ないという人は多いと思います。
しかし、元サラリーマンの私からすれば、サラリーマンほど副業に恵まれた環境はないと感じています。
なぜなら、副業で稼げなくても、ただちに生活が破綻するわけではないからです。
しかも、最近は働き方改革で労働時間の短縮も進んでいます。
無駄な飲み会など時間の浪費を回避すれば、副業時間は増えているのです。時短という時代の流れを利用しない手はありません。
私はサラリーマン時代にブログで5000万円ほど稼ぎましたが、当時に比べたら、いまはブログで稼ぐには有利な労働環境が整っています。
私がいま40代だったら、もっと稼げたと思うこともあります。
中高年のリストラが時流になるのならば、今度は時短の時流を利用してネットで稼げばいいのです。
ピンチと危機感こそが人生を変えるきっかけになるものです。