トヨタもBMWもカーシェアリングに踏み出した!
シェア経済は家計リストラの末に登場した?
世の中は所有にこだわらないシェア経済が広がっています。
私自身、別荘を所有するよりも全国の旅館や海外のホテルに泊まる方が、各地の観光地や部屋を体験でき、トータルコストも優れていると考えています。
最近は、家も「所有」より「賃貸」の方が生涯コストが安いという珍説もありますが、さすがに、これには疑問を感じます。
自宅コストは家族の人数や住む場所によって異なりますから、一概には言えず、ポジショントークの一種だと考えています。
ただ、クルマとなると、「所有」と「レンタル・カーシェア」ではどちらがコスト安かといえば、使用頻度にもよりますが、週末利用のサラリーマンには明らかにレンタルがお得です。
税金や各種保険料が給料から天引きされ手取りの増えない時代です。
若者のクルマ離れが言われて久しいですが、給料が増えても手取りが伸びなければ、若者に限らず、誰もが消費する気分にはなれません。
来年の消費増税を前に、政府はクルマの各種税金の免除などを検討しているというニュースを目にしましたが、手取りを圧迫する税金や各種保険料の上昇もクルマが売れない遠因です。
その意味では、自動車メーカーにとって、最大の商売敵は他社ではなく政府なのかもしれません。
トヨタやBMWがカーシェアリングに踏み出した
11月1日の日本経済新聞電子版を見ていたら、来年からトヨタ自動車が毎月一定の料金を払えば複数の車を乗り換えられるカーシェアリングサービスを始めるという記事がアップされていました。
日経によると、「レクサスなどを自家用車のように使いながら、複数の車を入れ替えることができる」のだそうです。
クルマ販売ばかりに執着していると、出荷台数は頭打ちになってしまうといった、トヨタの危機感を感じる記事でした。
しかし、同じようなカーシェアリングは、すでにBMWが、IDOM(旧ガリバーインターナショナル)と組んで始めています。
毎月定額の料金で高級欧州車のBMWやMINIの新車が乗れるサービスです。
その会社が「NOREL(ノレル)」。毎月、定額料金を支払えば、あなたも高級欧州車にノレルということなんでしょうね。
BMWの新車をつまみ食いできるサービス?
「NOREL(ノレル)」のシステムは、少し、これまでのカーシェアリングとは趣が異なります。
簡単に説明すると、毎月、定額料金を支払って、走行距離が5000キロに達するか、10カ月利用すると、別のBMWの新車に乗り換えることができます。
それ以降、再び5000キロに達すると、また別の新車に割引料金で乗り換えることができるシステムです。車検や定期点検の費用は必要ありません。
ちなみに、BMW2シリーズやMINIクーパーに乗れる最も安いプランが月額7万9800円(税別)。税込みだと、月額約8万5000円余りでBMWを所有者のように乗れるわけです。
クルマの「所有」と「利用」はどちらがコスト安なのか?
クルマの所有とシェアはどちらが低コスト?
では、所有するより「NOREL(ノレル)」のシステムがお得なのでしょうか?
例えば、BMWの人気車種X3を購入した場合、キャッシュで約700万円です。
このX3をNORELで借りた場合、月額料金は15万円(税抜き)です。
仮に5年乗ったとしてNORELに支払う料金は次のようになります。(長期割引は含めていません)
- 15万円✕12ヶ月✕5年=900万円
このことから分かるように、NORELが始めたサービスは所有コストを下げるためではなく、高級車を何車種も手軽に楽しみたい人たちをターゲットにしているように見えます。
実際、NORELも「同じ車種の長期保有は買った方がお得だ」と認めています。
購入するのが新車か、中古車かなどによって色々変わってきますので一概には言えないのですが、基本的に「5年以上ずっと同じクルマに乗るなら買った方がおトク」と考えていいでしょう。(2017年6月11日のNOREL公式ブログ)
また、NORELのシステムは、外形的には所有と同じなので駐車場は自分で借りなくてはいけません。
このため、NORELの公式ブログは「週に1回しか使わないならレンタカーやカーシェアが安い」とも明言しています。
NORELの公式ブログは、貸し出したクルマの不調など自分たちに不都合なことでもきちんと公表しているので好感が持てます。
不都合なことは隠すより開示した方が、会社の品格を高めるものです。
コスト面ではレンタカーやカーシェアがお得
コストだけを考えると、まだまだレンタカーや従来型のカーシェアリングに分があるようです。
私も海外旅行ではレンタカーを利用しますが、国内ではマイカーで動いています。
時々、クルマの断捨離を考えるのですが、思い立ったときに、すぐに使えるマイカーはやはり便利なので、もうしばらく、お世話になろうと思っています。
ただ、将来的にはクルマを断捨離する時が必ず来ます。
そのときは、各地に駐車場を運営している「三井のリバーク」が展開する「カレコ・カーシェアリングクラブ」を利用しようと考えています。
「カレコ・カーシェアリングクラブ」は月会費も必要なく、10分単位で使用した分だけが課金されるシステムです。
24時間いつでも使えて、車種にはメルセデスベンツもラインナップされています。料金設定も「10分間130円から」なので課金にビクビクする必要もありません。
「カレコ」は「三井のリパーク」中心に首都圏や関西圏にステーションを集積させているので、東京リタイア生活には便利なサービスになりそうです。