サラリーマンの経験と給料は貴重!まずは就職が重要
かつて持て囃されたフリーターの末路
最近、会社に縛られることを嫌がり、十分な社会経験も積まずに、アーリーリタイアすることを進める風潮があります。
20〜30代で会社を辞めて自由な生活を手にした著名なブロガーやユーチューバーが、不自由な会社勤めなんか早く辞めて自由な生活を実現しようと呼びかけ、人気を博しています。
そうした内容の有料サロンやnoteも売れ行きが好調で、若い人たちがいかに自由に憧れているのかが分かります。
しかし、現実はそんなに甘くはありません。
1990年前後、定職につかず自由に生きるフリーアルバイター、略してフリーターがもてはやされ、1991年には広辞苑にフリーターが掲載されました。
そのフリーターの多くは生活のために非正規社員を選択せざるをえなくなり、その後、雇い止めや正社員との差別や格差を経験し、いまは将来の老後不安に苛まれているのは、さまざまなメディアが報じている通りです。
いまは若い人たちの間でも一定のイメージが染み付いたフリーターという呼び方は減って、フリーランスと呼ぶようになりました。
名称は変わっても実質は同じです。
20代で早々と会社を辞めてフリーになることを過度にすすめたり、それを讃える風潮には、私は強い違和感を感じています。
サラリーマン時代こそ幸せなリタイア生活の基礎になる
誰もが希望する会社に就職できるわけではありません。むしろ第2志望、第3志望の会社に就職している人が大半だと思います。
しかし、第一志望の会社でなくても、就職先の会社で経験したことは人間力を高め、地に足のついた知識として深みを増しているものです。
私はブログを始めて15年目になりましたが、ブログを書くにしても体験談はとても力があると感じています。何よりも読者を惹きつけるものです。
大学を卒業して社会経験や知識の浅い人が書いたブログと、さまざまな難問に直面し苦悩しながら働いた人のブログでは、同じテーマでも自ずとコンテンツの深みに違いがあらわれます。
サラリーマン時代の経験は決して無駄ではありません。フリーランスになっても貴重な資産になるものです。
もうひとつ、それ以上に重要なことがあります。
サラリーマン時代の給料は、住む家を確保させ、貯蓄や資産を形成し、各種投資の元手となります。つまり、リタイアやフリーランス生活の経済基盤の素になるのです。
株式投資ひとつとっても、専業投資家とサラリーマンとの兼業投資家では、サラリーマン投資家に大きなアドバンテージ(優位性)があります。
それは、生活費を投資の利益で稼ぐ必要はないということです。
専業投資家は利益から生活費と次の投資資金を創出しなければいけません。それは極めて厳しい世界です。
こうして考えると、サラリーマン時代というのは窮屈で大変ですが、幸せなリタイア生活を実現する重要な土台となる貴重な時期なのです。
大した経験を積まないうちに会社員を捨ててしまうのは、大きく成長する前の苗木を無理やり引っこ抜くような行為だと感じてしまいます。
経済的に安定した自由人になるために絶対に留意したいこと
人生は短いようで意外に長いもの
30年以上勤務したあと早期退職して感じるのは、人生は短いようで長いということです。
確かに、時の経過はあっという間に感じます。
今にして思えば、辛いことや恥をかくことも、あっという間の出来事でした。
しかし、自分や家族を養うために収入を得なければいけない年月はとても長いものです。
家族の生活費や子供の教育費のほかに、将来、悠々自適なリタイア生活を夢見ているのなら、リタイア資金も貯める必要があります。人生はまるでマラソン競技のようです。
たとえフリーランスになって、数年間、大儲けする年があったとしても、20年〜30年にわたって同じ水準で稼ぎ続けるのは大変だと思います。
私の周囲にもフリーランスで働く人たちがたくさんいました。
ただ、50歳前後になると、体力的にも衰え、雇用を切られ、将来の蓄財ができないまま、次の雇用が決まらず、路頭に迷う人がいました。
いまは若くとも誰もが年を取ります。企業は中高年は使いたくないというのが本音なのです。
しかし、安定した収入が振り込まれる会社員は、ある程度、将来の計画を立てて準備することができます。
その間に経済的に安定感のある早期リタイアを目指して着々と準備することができます。
それこそが会社員の特権です。
経済的な準備をしてからリタイアやフリーランスになることが重要です。会社を辞めてからお金を稼いで、将来の経済的自由を得ようと考えると、深い谷底に落ちる恐れがあります。
リタイアやフリーランスなるための順序を間違えないように注意することが大切です。
サラリーマンの優位性を生かして自由な生活を手に入れよう
夢を実現するには「戦略と実行と継続」が大切です。
どれが抜け落ちても、夢は実現しないでしょう。
「夢を抱き続けていれば、必ず、実現できる」という人がいます。
しかし、私は1割は本当で、9割は嘘だと思っています。
夢を実現したいと思っても、戦略の立案だけにとどまり、実行し継続できない人が多いからです。
経済的不安のないリタイア生活やフリーランス生活を実現するために心がけるべきことは、次の三点だと考えています。
- 会社員時代に可能な限り蓄財や投資運用に努めること
- 会社員時代に自分の好きなことや継続できること、そして複業を見つけること
- 好きで継続できることを見つけたら、そのスキルを磨いて、事業も検討すること
この3段階を念頭に、遅くとも40代までに着手すれば、物心ともに自由な生活を実現できると考えています。