崖っぷちの人が成功者になる本当の理由
危なっかしい人ほど大成功を遂げる
私たちの周りには、後先考えずに行動する人がいます。
ところが、向こう見ずで危なっかしい人ほど大きな成功を成し遂げるものです。
そういう人は、成功したあと、「先見の明があった」「度胸があるから成功した」などと、後付けで賞賛されますが、行動を起こした直後は「やっぱりあいつは危ないやつだ」と陰口を叩かれていたはずです。
例えば、楽天の創業者・三木谷浩史社長は、その一人かもしれません。
三木谷社長は一橋大学商学部を卒業したあと、当時の日本興業銀行(現みずほ銀行)に就職します。若い人は知らないかもしれませんが、当時の興銀マンといえば、銀行の中でもエリート中のエリートでした。
預金ではなく金融債を販売して資金を集め、国家的プロジェクトや大企業に融資して、戦後日本の高度経済成長に貢献しました。皮肉なことに日本の企業が成長すると資金需要は減り、興銀は時代的な使命を終えました。
私もかつて興銀のトップや幹部と会食したことがありますが、国策銀行だけあって、社会を俯瞰して見ているし、なかなか知的で魅力的な人たちでした。
その興銀時代、三木谷社長は早期退職して、大手企業が失敗を繰り返していたインターネットモールを運営する会社を起業しました。
「人はインターネットではモノを買わない」と言われていた時代です。
興銀の上司や同僚は、銀行マンを辞めて、失敗が相次いだeモールを起業する行動を危険だと思っていたはずです。
しかし、Fobes日本長者番付によると、いまや三木谷社長の資産総額(2018年)は5660億円と推定されています。
帰る場所があると失敗したあと諦めが早い
私は普通の人が幸せな早期リタイアを実現するには、安易に退職せず副業しながら経済的基盤を固めることが最も賢明だと考えています。
ただ、サラリーマンの副業には、唯一、大きな欠点があります。
それは覚悟です。
サラリーマンは副業でうまくいかなくても帰る場所があります。ですから、少し副業をかじってうまくいかないと「やっぱり副業で経済的に自立するのは無理だ」と簡単に諦めてしまいます。
しかし、向こう見ずに早期退社して起業して生きていこうという人は失敗しても帰る場所がありません。
ですから、失敗を繰り返しても、何度も挑戦します。挑戦するうちに、唯一、行けそうなものが見つかります。すがるような気持ちで、その光明を必死で掘り下げます。すると、気づいた時には、大きな成功にたどり着くことがあるのです。
生活が保証されているサラリーマンと、崖っぷちで努力するしかない人の最大の違いは、失敗を重ねる中で成功の道筋を探そうとする覚悟だと思うのです。
帰る場所のないサラリーマンは努力を積み重ねる
サラリーマンでも帰る場所がない人もいる
会社勤めをしていながら、すでに、心はその会社に存在していないサラリーマンも少なくありません。
愛社精神を失い、人生の目標を会社の利益よりも自由な生活を構築することに軸足を置いている人たちです。
もちろん、そういう人生観に至る理由は人それぞれです。理由は異なっていても、すでに心は会社にありませんから、副業で失敗しても同じ会社でサラリーマン生活を続ける気持ちは失っています。
つまり、心の帰る場所のないサラリーマンであることは変わりありません。
そういうサラリーマンには2つのタイプが存在することに気づきます。
ひとつは、副業に踏み出す意欲もなく、無気力・無表情で会社員生活を続けるタイプです。
このタイプは副業を考えたりもしますが、うまく行かなかったり、努力することも億劫に感じ、もう成り行きに任せて生きていこうと思ったりもしています。
もうひとつのタイプは、必死に会社を脱出するためにもがいているタイプです。
これまでの経験を生かして大学やシンクタンクで雇ってくれないか、いまの会社のしがらみのない知人の会社が雇ってくれないか、いろいろな方策を探ります。
しかし、いくら人手不足と言っても、自己主張な強そうな中高年を雇ってくれる会社はなかなか見つからないものです。
雇われるより自立する方が幸せになれる
大学や知人の会社に再就職の道を模索しても、所詮は雇われることには変わりありません。
結局、他人に主導される人生を選択することになります。
ここからは人生観ですから、人それぞれですが、私は自分で自分の人生を主導するフリーランス的な生き方に幸せを感じています。
自分のスキルや経験といった価値を提供し、社会に貢献する。その結果として対価を受け取れれば、それでいいし、たとえ対価がなくても満足です。
そうした人生を手にするためには、サラリーマン時代に自宅で完結する副業を経験しながら金融資産を形成するしか方法はありません。
とても厳しい道かもしれませんが、達成したときの自由度は他とは比較にならないものです。
そのためには、危なっかしい人たちに負けないほど失敗を繰り返す必要があります。その失敗の先に光明が見えたら、あとは掘り下げるだけです。
結果的には、これが最も近道になると考えています。