サラリーマンのメリットを存分に享受することが重要だ
会社員のメリットを再評価する
私が夢だった早期リタイアを実現できたのは、ひとえに勤めていた会社のおかげだと思っています。
会社から振り込まれる給料やボーナスがなければ、リタイア資金を貯めることはできませんでしたし、都心に近い場所に家を購入することもできませんでした。
また、家族の生活費や子供の教育費、投資資金など全ての費用は毎月安定した給料があったから可能だったと考えています。
ブロガーのイケハヤさんがブログで「まだ東京で消耗しているの?」と呼びかけ、早く会社を辞めてブログやユーチューブなどで稼ぐ道を唱えています。
私もブログやユーチューブなどネットを利用したビジネスで生活する道を探ることは大切だと思いますが、簡単に会社を辞めることには賛同できません。
むしろ、心を病んでいない限りは、消耗しない程度にサラリーマンで安定収入を受け取りながら、副業ビジネスで将来の独立や早期退職の道を目指すのが早道だと考えています。
ブロガーに広がる拝金主義の文化
私は10年ぶりにブログを必死に書き続けています。
なぜ必死に書くのかというと、これ以上、面白いものはないと思うからです。努力すればした分だけアクセス数が増えて、最高の知的ゲーム的感覚も味わえます。
ただ、かつてのようにブログで大きく稼ぐことは考えていません。なぜなら、長年、サラリーマンをやりつつ、早期リタイアの準備を続けたおかげで、もう稼ぐ必要がないからです。
久しぶりにブログに熱中する過程で、いろいろなブログを鑑賞しましたが、以前よりも拝金主義的なブロガーが増えているような気もします。
考えてみれば、専業ブロガーは大変です。毎月数十万円稼げるようになっても、その状態が20年、30年と続く保証がどこにもないからです。
イケハヤさんがかつては「ブログをやれ」といい、最近では「ユーチューブのほうがいい」と言い始めているのも、将来もずっと稼げるのか、心のどこかに不安があるからだと思います。
この不安感は「明日もお客さんが来てくれるだろうか?」といつまでも心配する自営業者の心理と同じです。
私が50代のリタイアが理想だと考える理由
サラリーマンのメリットは金銭面だけではない
会社員のメリットは、安定した収入だけにとどまりません。専業ブロガーになったら自営業者と同じですから、病気の際には無収入になってしまいます。
もうひとつ大きなメリットは、人生経験を積んだ尊敬できる上司や先輩にめぐりあう可能性が高いということです。
とくに大企業になればなるほど、ゆとりを持って社会を俯瞰し、ためになるエピソードや過去の勉強経験を持った人がいるものです。
私も多くの経営者とお付き合いさせていただきましたが、尊敬でき、勉強になる方が少なくありませんでした。
最低限必要なリタイア資金とは?
将来、公的年金制度が崩壊すると喧伝されていますが、私は年金制度は減額されることはあっても生き残ると考えています。
いろいろな人たちが予測していますが、こればかりは神様しか分かりません。
ですから、どんな状況になっても生き延びることができるように資産形成は大切ですが、「天が崩れ落ちてくる」と、あれこれ心配しすぎるのもどうかと思います。
辛いことがあっても会社に踏みとどまって、サラリーマンのメリットを最大限に享受しつつ、年金の支給開始年齢(65歳〜70歳)まで生き延びられる資金を貯めてからリタイアしても遅くはありません。
もちろん、ブログ収益など副業の努力をしていれば、理想的です。
会社員の収入を得ながら副業収入を得る方法を試行錯誤するのがリタイアへの近道であり、不安の少ない人生になると思います。
どんなリタイアが理想的なのか?
最後に、私がいま感じている理想的なリタイアの形について述べたいと思います。
まず、第一に、経済的な不安がないことです。
これは説明するまでもないことですが、無収入でも生きていけるリタイア生活が理想的です。
お金を稼ぐ必要性を感じなければ、無欲ですから、変なカネ儲けに騙されることもありません。
そのためには会社員時代に貯蓄に励む必要があります。同時に、リタイア後のために資産(ブログも含む)から不労所得が生まれる仕組みづくりに励む必要があります。
私の場合は事業と配当でしたが、10年以上の日数を要しました。
二つ目は、没頭できる趣味を持っているということです。
趣味がなければ、最初は自由を謳歌していても、いずれ退屈なリタイア生活になってしまいます。趣味はお金と同じくらい必要です。
三つ目は、家族が平和で健康であることです。経済的な不安がなくても、家族や健康のトラブルは大きなストレスとなり、寿命を縮める恐れがあります。
- 稼ぐ必要のない経済的基盤
- 没頭できる趣味
- 家族の平和と健康
この三つが揃うまで会社に勤めながら副業に励み、早期リタイアを実現できることを祈っています。