リタイア前に不安を感じる深層心理
リタイア前に不安をこぼした先輩の話
いまから15年ほど前の話です。
私の部署に、近く定年退職を迎える先輩がいました。
すでに埼玉県内に住宅ローンを終えた自宅があり、近所には駐車場で貸し出している土地もあるということでした。
ある日、二人で喫茶店で雑談していると、「何か心の元気がなくなるんだよなあ、この先の不安というか・・・」と、ポツリとつぶやきました。
「でも、退職金もあるし、年金ももらえるし、心配ないじゃないですか」
と言ったのですが、彼の不安はこういうことでした。
自宅はローンが終わっているとはいえ、すでに築30年を超え、不具合が出ているので、大規模リフォームするか、建て替えるしかない。
近所の所有地を駐車場に貸し出しているが、借りてくれる人が少なく、単価も安いので、月の収入は数万円程度にしかならない。
年金を当てにしても、働いていた時とは大幅に収入が減少するので、何か元気が沸かない。
要約すると、こんな話でした。
人間というのは、どんなに準備をしても、不安感は拭いきれないものです。
1億円の貯蓄がある人でも不安を感じる人もいます。
リタイア前の不安感は、資産の金額とは必ずしも比例しないようです。
では、どうして不安を感じるのでしょうか?
将来に不安や怖さを感じなかった学生時代
会社に通ってさえいれば、給料がもらえるサラリーマンから、貯蓄の目減りを確認しながら生活するリタイア生活では、不安感が異なるのは当然です。
ただ、私はいま不安を全く感じていません。
どうしてなのか?
私が鈍感なのかもしれません。いや、楽天的なのか?
いろいろ考えているとき、ふと、思い出したのが学生時代のことです。
あの頃、先々、どうなるのか、まったく道標もなく、就職試験を受けまくっていましたが、不思議なことに不安はありませんでした。
駄目なら駄目で、自分自身やってみたいことがあったし、目標に向かって走る人生も面白いと考えていました。
人間というのは不思議なもので、目標を見つけて、ひたすら疾走しているときは不安や懸念といった余計なことは考えなくなるものです。
私もリタイア前に、あれこれと資産運用で現金を増やすことを考えたり、生き延びるための収支計算をしたりしていましたが、いざ、早期退職を決めてからは不思議と不安感がなくなりました。
いまさら、あれこれ思案しても、致し方ないという気持ちもあるのですが、それ以上に、私の不安感を消し去っているものの正体が分かってきました。
好きなことの目標を設定して走れば不安はなくなる
最初の目標はブログで100記事書くこと
私は独自ドメインを取得してレンタルサーバーを借りて、自分に所有権のあるブログを始めました。
それが当ブログです。
幸いにも20記事以上書いた時点で、コンテンツ連動型広告のGoogle Adsenseの審査に合格し、ブログの収益化の第一歩を踏み出しました。
いろいろなブロガーの記事を読んでいると、ブログで稼ぐには「最低でも100記事は書け」ということが共通の指摘だったので、その100記事の投稿に向けて毎日頑張るという目標もできました。
目標が定まると、その他の問題は些末なことに感じるのが不思議です。
やはり、人間は好きなことをやっているときが一番幸せを感じるし、好きなことであればストレスを感じないで目標に突き進めます。
不安を感じなくなる深層心理をリタイアを直前に控えて知ったのは意外な副産物でもあります。
リタイア生活に不安を感じたくないのならば、まずは好きなことに没頭できる目標を設定することが大切だと思うのです。
リタイアの不安はお金以上に生きがい探し
リタイア生活の基本は経済的な基盤です。
しかし、いくらお金があっても不安を感じるものです。
ですから、経済的な基盤がある程度準備できたら、あれこれ不安がることはやめて、あとは経済状況に応じた生活水準で暮らすと割り切ることが賢明です。
むしろ考えるべきことは、リタイア生活を充実させる生きがいを、いかにして見つけるかということではないのかと感じています。
私の場合、ブログがその一つですが、ブログは独自ドメイン代とサーバー代さえ払えば、あとはコストの殆どかからない格安の趣味です。
ブログでなくても、自分が子供の頃から、何をやりたかったのか、好きなことの棚卸しをしてみたらどうでしょうか?
その中から、リタイア後にやりたいことを選択して、目標を設定し、走り出せば、不思議とリタイア生活の不安は消えるはずです。
リタイア資金のやりくりや目減りを心配する生活から、好きなことに向かって走る生活に転換する。
それだけで幸福感を感じる方向に心境は変化する様子を経験して欲しいと願っています。
一度しかない人生。あれこれ悩むより、楽しみたいものです。