新型コロナウイルスの感染拡大で大リストラ時代の恐れ
ANAが5000人のCAを一時休業へ
新型コロナウイルスは、いまやモグラ叩きの状態で世界中のあちこちに蔓延してしまいました。
米国や欧州は他国との往来を制限し、まさに鎖国状態。同時に、国境を超えた経済活動が停止、あるいは極度に縮小されています。
その影響は、各地から部品を調達して製品を組み立てる自動車や機械メーカー、さらには観光業や航空などあらゆる分野に飛び火している状態です。
そんななか、とうとう、全日空(ANA)が全社員の3割に相当する客室乗務員5000人を対象に一時休業する方針を固めました。
全日本空輸(ANA)は全社員の3割に当たる5000人の客室乗務員を対象に、1人当たり数日程度の一時帰休をさせる方針を固めた。同社は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国際線の6割減便を決めており、一時的に大幅な人員余剰が出ているため。需要が激減する航空業界では欧州を中心にリストラの動きが相次ぐ。新型コロナが企業の雇用調整にまで影響し始めた。(出典:日本経済新聞)
ANAはすでに国際線の6割を減便する計画なので、当然、CA(客室乗務員)は余剰になります。
その余剰人員を一時休業とすることで、人件費を抑制し、財務体力の低下を少しでも防ぎたいということのようです。
旅客機を運航できないのですから、企業としては当然の防衛策です。
今後は大手企業のリストラ拡大が焦点
CAの一時休業といった措置はANAに限ったことではありません。
日本経済新聞によると、世界の航空大手でも人員整理が顕在化し始めています。
エールフランスKLMがすでに2000人の削減を発表。格安航空(LCC)のノルウェー・エアシャトルにいたっては従業員の9割を一時解雇することを明らかにしているということです。
新型コロナの影響で約12兆円の旅客収入が減るという試算もあり、今後、他の航空大手にも休業やリストラの波は拡大するとみられます。
これまで新型コロナは中小企業の雇用に大きな影響を与えていました。
その最大の原因は、日本を訪問する観光客の激減でした。
日本政府観光局(JNTO)は19日、2月の訪日客数について、前年同月比58.3%減と発表しました。
とくに、中国と韓国の観光客が減少していて、中国は87.9%減、韓国も79.9%減で、ともに8割前後の激減となっています。
しかも、3月はさらに訪日客の減少幅が拡大するとみられ、海外客に頼っている観光業は大打撃、瀕死の状態です。
こうした国内の経済的打撃は時間がたつにつれ、企業は収入がなければ、給料は支払えないのですから雇用問題に大きな悪影響を及ぼすのは必至です。
こうした状況を念頭に、私たちは何を考えるべきなのでしょうか?
もう会社だけに依存する人生は辞めませんか
会社もまた自立できる社員を求めている
私の所有する会社は、この春も新卒社員が入社し、同時に来春の新人採用も開始する予定です。
幸いなことに、いまのところ、コロナウイルスの影響は業績に大きな影響がなく、胸をなで下ろしていますが、それでも一寸先は闇、この先、何が起こるか分かりません。
そんな中で、私人たちの雇用を安定的に継続するためには、やはり中高年の処遇に頭を悩ましています。
おそらく多くの経営者は、「これからのサラリーマンは会社一筋ではなく、自立できるポテンシャルを身につけて欲しい」と願っているはずです。
昨年は、政府の70歳雇用に反発するかの如く、多くの大手企業が先手を打って中高年リストラを活発化。業績が良好で経営体力のある企業ほど「将来に備えた人材戦略」と位置付け、その動きはドラスティックでした。
しかし、今年は、そんな余裕あるリストラではなく、不景気に登場する業績悪化によるリストラが横行する恐れがあります。
つまり、景気の良し悪しにかかわらず、これからのサラリーマンは常にリストラの恐怖感と背中合わせで生活する必要があるのです。
そんな人生を60歳まで続けて、果たして幸せですか?
いつでも会社を辞めれる自分を創造することが重要だ
私は40代から早期退職の準備を始めて、50代でリタイア生活に入りました。
経済的な目標にしたのは、1億円以上の金融資産と、生活に困らない不労所得でした。
早期退職するまでの助走期間が10年以上あったこと、幸いにも会社の給料が高かったこと、妻の支援・応援(いま会社経営者)が得られたことから、経済的な目標を達成し、早期リタイアすることができました。
現在は生活費を心配することもなく、若い頃から夢だった文筆業の準備や、カメラや旅行、キャンプなど趣味に興じる日々を送っています。
ただ、現在の生活を手にするまでには、先ほど申し上げたように10年余りの助走期間が必要でした。
しかし、過ぎ去ってみれば、10年という月日もあっという間です。
あっという間に過ぎ去る時間を無駄にせず、自分や家族を幸福に導くために、私が留意したことがあります。
- いつでも退職できる自分を作ると固く心に決意する
- そのために1日も早く給料以外の副収入を獲得する
- 低コストの副業を数多く試してみる
- 会社の給料は保険。簡単に退職せず十二分に貯蓄する
- 家族の理解が得られるよおうな経済的基盤を築く
上記の5点は、どれが欠けても早期退職するのは無理だと思います。
少なくとも、給料以外の収入源を獲得できなければ、早期退職どころか、定年退職以降も70歳まで他人に雇用されて労働する人生が待っています。
他人に雇われて働くストレスと、副収入を増やす自己努力。どちらを選びますか?
私はいまでも後者の自己努力を選択して良かったと考えています。