生活保護の受給を恥じる必要はない!美しい国は負け組や貧困を救える国

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生活保護を受給することは恥なのか?

恥の文化が生活保護の申請を消極的にさせていないか?

純金融資産が1億円以上の富裕層であれば、明日から失業しても生き延びることは可能です。

しかし、平均的な給料の会社員は業績悪化やリストラで職を失い、生活苦に直面する恐れがあります。

経済的理由だけでなく、精神的変調や介護など家庭事情で失職する人は後を絶たないのが実情です。

苦境に直面した時、最後のセーフティーネット「生活保護」という制度です。

生活保護(せいかつほご、英語: Public Assistance)は、経済的に困窮する国民に対して、国や自治体が、健康で文化的な最低限度の生活を保障する公的扶助制度である。(出典:Wikipedia

生活保護は、日本国憲法第25条の「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文を根拠にした救済措置ですから、国民の権利でもあります。

しかし、日本人には、生活保護に対する心情的なわだかまりがあります。

それは「恥」という感情です。

生活保護を受給するのは決して恥ではない

「そんなことをしたらご近所に笑われますよ」

お母さんが子供を怒ったり、諭す時、よく「恥ずかしい」「笑われる」という言葉を使います。

日本人が礼儀正しく秩序を守る民族なのは、この「恥の文化」「横並びの文化」がプラスの方向に働いているためです。

他人の目を気にする心理が心の奥底には沈殿しているのかもしれません。

しかし、憲法に基づく生活保護を受け取ることさえ、恥と感じるのも日本人的な感覚なのかもしれません。

「生活保護をもらうのは恥だ」と思い込み、生活保護の申請を我慢している人もいます。

しかし、生活苦に喘ぐシングルマザーやパワハラなどでうつ病になってな失業した人などは恥と考えず、堂々と生活保護を活用すべきなのです。

日本国憲法第25条は最低限度の生活を保障しているだけではありません。

第25条の2項には、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と国の努力規定も明記しているのです。

日本国憲法第25条
1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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生活保護の受給者は徐々に減少傾向にあるのが実情だ

生活保護は税金の無駄遣いか?

「生活保護をもらってパチンコ三昧の人もいる。生活保護は税金の無駄遣いだ」

こんな風に主張する人もいます。

1980年代以降、生活保護の不正受給が事件化したり、生活保護費をパチンコなど遊興費に消費している人たちの実態が報道されるとともに無駄遣い批判が強まりました。

「俺たちは安月給でも我慢して働いているのに、あいつらは働きもせずにパチンコと酒を飲んでいい気なもんだ」と不公平感や不快感を感じる人も増えました。

しかも、日本は借金大国という掛け声で、役所の窓口では申請受理を拒む”水際作戦”も展開され、貧困者が役所に足を運びづらい空気も醸成されました。

では、どれだけの人たちが生活保護を受給しているのでしょうか?

厚生労働省が発表した「厚生労働省の被保護者調査(令和元年6月分概算)」によると、今年6月現在、207万人。前年同月比ではマイナス1.1%と減少しているのが実情です。(下記グラフ参照)

引用:厚労省の被保護者調査(令和元年6月分概数)の結果

生活保護の受給者は207万5282人ですが、前年同月比で2万3508人減少しています。

世帯数で見ても、163万4303世帯で、前年同月よりも2024世帯減少しているのです。

不正受給の割合は?

では、不正受給はどのくらいの割合なのでしょうか?

厚労省の「生活保護制度の現状」をみると、全体の約2%にすぎないことがわかります。

2%の不正受給者は許されるものではありませんが、かといって、その他の貧困者を助けることは税金の無駄遣いなのでしょうか?

そうとは思いません。

貧困の多くは、不遇や不運、心身の病(やまい)が原因です。

誰も親を選んで生まれてくることはできません。

たまたま生まれた家庭が貧困だったり、両親が離婚していたり、本人の責任とは関係のないことろで人生の明暗が分かれるものです。

しかし、子供は無力です。自分の力だけでは人生を変えることができません。

大人になって不遇をバネに這い上がる人もいますが、不遇に押し流されてしまう人も少なくありません。

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人の命をコスト感覚で考えてはいけない

33歳女性のケース「生活保護でも幸せ」

東洋経済のオンライン版で、ノンフィクションライターの中村敦彦さんが書かれた『「生活保護でも幸せ」を訴える33歳女性の半生』を読んで、改めて、その思いを強くしました。

月8万円の生活保護で生活している女性は次のような33年間の半生でした。

  • 10歳のとき両親が離婚し、母子家庭となる。
  • 両親の離婚後、小児不安神経症になる。
  • 小学校5〜6年は不登校。児童養護施設に入所。
  • 医療系専門学校に進学、学費はすべて奨学金。元金だけで600万円超の借金。
  • 時給1800円でスナックでアルバイトを始め、月約10万円を稼いだ。
  • 金銭感覚が崩れ、アパレルメーカーに勤めると、浪費に拍車がかかる。
  • アパレルをやめたあと飲食店で働くが、長時間労働で重い鬱病。
  • 別の会社に就職するも上司のイジメで鬱病が悪化。
  • 自殺寸前で就労支援センターの相談員に救助されて生活保護の生活。

両親の離婚で小学生で精神的不調を抱え、その後は徐々に自殺願望を強めるような不遇の半生でした。

この女性は特殊なケースでしょうか?

貧困や負け組を救える社会こそ「美しい国日本」

サラリーマンや公務員でも組織に馴染めなかったり、上司のパワハラで早期退職する人が後を絶ちません。

心を患うと働く意欲もわかず、再就職しても再び退職したり、再就職できずに貯蓄を切り崩しながら生活費する人もいます。

生活保護を制度設計している厚生労働省ですら、先日、ギリギリの精神状態で働いている職員がいることをお伝えしました。

ハラスメント上司が出世する理由とは?厚生労働省の若手官僚が異例の訴え【厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言】
厚労省の若手官僚がブラックな職場を暴露する緊急提言 厚労省の若手官僚がブラックな職場環境を公表した 労働や医療、年金、介護まで、幅広い国民生活を担っているのが、厚生労働省という中央官庁です。 その厚労省の若手官僚が、自分たちの職場がいかにブラックな状態なのか、異例の緊急提言を発表しました。 それが、8月26日に発表された「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」で、厚労省の「厚生労働省改革若手チーム」(20〜30代を中心とする38人の職員)が作成しました。 改革若手チームは、全ての人事グループの幹部・若手にヒアリングや対話、2回の大規模な職員アンケートを実施。さらに、若くして退職した元官僚14人にもヒアリングして提言をまとめました。 組織の不都合な事実が判明するかもしれない調査や提言には上層部が制止するものですが、それを容認した上層部も立派です。 提言の内容ですが、冒...

では、生活保護に税金を使うのは無駄遣いだと、コスト感覚で切り捨ててもいいのでしょうか?

どんな国にも組織や競争、人間関係に馴染めず、負け組になる人はいるものです。

そんな人でも最後のセーフティーネットがあれば、10人に1人でも再起できるかもしれません。

国は人間が助け合って生きる基本的な枠組みです。

貧富に関係なく、最低限の医療や年金、生活保護、介護など互助しあえるからこそ、人は自分の国に愛国心を抱くものです。

貧困は「自己責任だ」と単純には言い切れないものです。

生活に困窮し人生に絶望する前に、堂々と生活保護を申請すればいいのです。

みんなで弱者を守る国こそ、美しい国なのです。

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