なぜ定年まで働いても老後破産するのか?リタイア前の貯蓄を困難にしている理由

ニュース
スポンサーリンク

老後の不安に直面する日本人の平均貯蓄額は?

スポンサーリンク

普通のサラリーマンが老後破産する時代

いまや、日本人の多くが老後の恐怖を感じながら生きる時代になりました。

2015年に社会運動家の藤田孝典氏が「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」を発表。2016年にはNHKスペシャル取材班が「シリーズ老人漂流社会」を放送して以来、日本人は多くの高齢者が老後の生活に苦しんでいる現実を突き付けられました。

貯蓄する余裕がないまま定年退職した元サラリーマンや貯蓄が少なく国民年金で生活する元自営業者らが悲惨な老後を迎えていることを実感し、多くの人たちが貯蓄に励み、消費を控えるようになりました。

日本のGDPの6割以上を占める個人消費がなかなか伸びないのは、老後の不安があるからです。

それでも、財務省は今年秋に消費税率を10%に引き上げようと必死で、実現したら、まずまず消費が落ち込むのは間違いありません。

日本人の平均貯蓄が年々減少している

将来不安を払拭するために、日本人は一生懸命、貯蓄に励んでいます。

ところが、最近、平均貯蓄額が減少していることが明らかになりました。

総務省が5月17日に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、2人以上の世帯の平均貯蓄(2018年)は、前年より3.3%(60万円)減少して1752万円に止まりました。

出典:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」

上記のグラフは総務省が発表したものですが、2017年と2018年の2年連続で平均貯蓄額が減少しています。

なぜ、日本人の平均貯蓄額が減少しているのでしょうか?

人生100年時代に老後破産しない方法
リタイア後の残り時間で投資戦略を考える 「人生100年時代」に踊らされてはいけない 本当かどうかは分かりませんが、人生100年時代という言葉が踊り始めました。 政府は「人生100年時代」と称して、長寿時代に備えたライフスタイルや各種制度の整備に着手しています。 ただし、実際の平均寿命(2013年・厚労省調べ)は、男性は80歳、女性は86歳です。 しかも、日常的にお医者さんや介護に依存せず、自立した生活ができる健康寿命(2016年・厚労省調べ)は、男性が72.14歳、女性が74.79歳と、意外に短いのが実態です。 男性は60歳の定年退職後、心身ともに健康に過ごせる期間は12年しか時間がありません。 定年延長して65歳で退職した場合、健康な老後は7年しか時間はなく、投資で失敗した場合には取り返しがつかないのです。 現在の年齢で投資分野を選択する 老後の投資は時間的にリカバリーが難しいため、元本...
スポンサーリンク

約3分の2の世帯が平均貯蓄額にも満たない現実

スポンサーリンク

勤労者世帯の平均貯蓄が減少した

今回調査した世帯のうち、勤労者世帯は54.3%を占めています。

しかし、その勤労者世帯の平均貯蓄額は1320万円で,前年に比べ0.5%(7万円)減少しました。

出典:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」

上記のグラフが、勤労者世帯の平均貯蓄額の推移ですが、ここ数年は一進一退を繰り返していることがわかります。

また、二人以上の世帯全体で、平均貯蓄額(1752万 円)に達しない世帯は約3分の2にあたる67.7%(前年67.0%)を占めました。

7割近い世帯が平均貯蓄を下回っているわけで、貯金を貯めようにも貯められない世帯が非常に増えているものとみられます。

平均貯蓄が増えない3つの理由

総務省の統計によって、勤労者世帯の貯蓄が伸びず、全体でも平均貯蓄が減少している実態が明らかになりました。

その背景ですが、多くのサラリーマンは公的負担が増えたために可処分所得が減少し、貯蓄できなくなっていると思われます。

さらに、最近の晩婚化も影響しています。

最も貯蓄するべき50代に、私立の学校や大学進学など子供の教育費がかさんで、貯蓄する余裕がないうちに定年を迎えてしまうサラリーマンが増えています。

私の周辺でも60代になっても子供の教育費を払い続けている知人が少なくありません。

また、マンションや家を購入する際、最近は80歳前後で完済するような住宅ローンを組む人も増えました。

ですから、定年後も年金をもらいながら住宅ローンを払い続けている人は決して少なくありません。

中流サラリーマンが最も危険かもしれない

最近、よく耳にするのは「年収700万円前後のサラリーマンが最も危険だ」という話です。

年収700万円は決して高給ではありませんが、かといって貧しい生活を強いられるような給料でもありません。

しかし、税金や社会保険を天引きされた手取り収入は500万円台にすぎません。

「自分は低所得ではない」という意識があるため、実質年収500万円台でも長期の住宅ローンを組んだり、子供を小中学生から私立の学校に通わせたり、背伸びした生活になりがちです。

「人生100年時代」と言われますが、多くのサラリーマンは、老後破産や下流老人という言葉が自分には無関係な言葉だと考えています。

最近は年収1000万円台だった元サラリーマンが老後破産するケースも報じられていますが、年収700万円前後のサラリーマンは危険水域なのです。

最近の試算では、老後資金として最低でも3000万円は必要だとも言われています。

しかし、今回の貯蓄をめぐる調査結果は、その3000万円ですら厳しいことを改めて印象付けました。

リタイア後に生き延びれるか、貯蓄や年金を最終チェックしてみた
悠々自適に生きていける資産はあるのか 最後に自分を守ってくれるのは貯蓄 アーリーリタイアにあたって、最も不安なのは、この先、生き延びる経済的な基盤があるのかどうかということです。 私の考える経済的基盤は大別すると、以下の3点です。 貯蓄や株式など有価証券 公的年金 最後に現金化できる自宅 ふだんは、支給された年金と貯蓄の切り崩して暮らします。 ただ、貯蓄は、自宅の補修や電化製品の買い替え、冠婚葬祭、病気など不測の事態に備え、多めに見積る必要があります。 最後に無一文になった時には、最終手段として自宅を売却し、生き延びることも覚悟しなければいけません。 その意味では、貯蓄・有価証券と公的年金、自宅は、生き延びるための3点セットだと考えています。 理想的な貯蓄は1億円だが・・・ アーリーリタイアの必要資金は、死ぬまで必要な費用から逆算する必要があります。 悠々自適に生活するには、毎月40万円、...
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました