2018年は政府が起業や国民に副業を推奨したことから「副業元年」と言われます。
私自身は、それ以前に本業以外にネットで副収入を得ることを経験し、アーリーリタイア後の生活に自信を持つ一因となりました。
しかし、政府が音頭に素直に従って大丈夫なのでしょうか?
きょうは副業時代の可能性と落とし穴について考えたいと思います。
副業は国民全員働け時代の号令か
政府は「副業は第2の人生の準備として有効」
そもそも、なぜ、いま、副業の奨励なのか?
安倍総理が議長を務める「働き方改革実現会議」が昨年、「副業や兼業は、第2の人生の準備として有効である」とお墨付きを与え、弾みがついたためためです。
それまで副業といえば、会社に見つかれば、処罰の対象であり、本業に熱が入っていないとみなされる日陰の存在でした。
しかし、政府が第二の人生の準備として有効と認めたことから、法制上の整備も進んでいます。
もちろん、会社に内緒で副業や兼業することは許されないでしょうが、少なくとも会社の許可さえ取れれば、後ろ指をさされることのない時代が来るのかもしれません。
副業人口はすでに就業人口の1割を突破
しかし、すでに副業というのは、静かに浸透しています。
総務省が今月1日、昨年2017年の副業人口は690万人に上り、初めて就業者の1割を突破したと発表しました。
大企業が集中する東京だけでなく、全国の観光地を中心に副業が増えているということです。
副業割合の多い地域は①東京②沖縄③京都④神奈川⑤奈良の順でした。
背景には少子高齢化に伴う深刻な人手不足があります。人口減少に直面する地方は、企業が人材を囲い込めなくなっています。
とくに、観光地は非正規の従業員が多く、将来のためにダブルワークで収入を増やしたい人たちが少なくないのです。
ですから、政府が旗を振ろうが振るまいが、副業せざるを得ないのが実情です。
働く側から見た副業の重要性
自分の可能性を確かめる好機
政府が音頭を取る副業のススメは、どうも額面通りに受け取れない人も多いと思います。
もしかしたら、将来、年金の支給年齢を遅らせるため、いまから高齢になっても働いて収入を得られる環境づくりを進めようとしているのでは?
とか・・・・
地方に若者がいなくなる前に、地方ではダブルワークが普通という文化を作っておきたいのでは?
といった憶測が働きます。
ただ、政府の思惑はともかく、私は副業を経験してみて、プラスになったことはあっても、マイナスになったことはありません。
「人生、何事も無駄なし」だと実感しています。
私自身、インターネットは苦手な分野でしたが、10数年前にサイトを構築する経験をして以来、ネットリテラシーを高めることができました。
跋扈する怪しげな業者!副業の落とし穴
しかし、インターネットによる副業には注意すべきこともあります。
「簡単に稼げる副業」と称して、お金を巻き上げる悪質な業者の存在です。
まず第一に心がけるべきことは、簡単に稼げる副業は存在しないということです。
特に自宅でネットを使ってやれる副業の誘いは要注意です。
騙しの手口に引っかからないように、消費者庁や国民生活センターはサイトに様々な事例や注意喚起を掲載しています。
ちょっと変だなと思ったら、すぐに、そうしたサイトを見て相談してみてください。
楽に稼げる副業はないと心得よ
例えば、国民生活センターは「インターネットを利用した“手軽な副業”に要注意」と呼びかけています。
そのうえで「苦情相談からみた問題点」も上げています。目を引いたのは以下の2つです。
- 「必ず利益になる」「月収○万円は確実」など利益を保証するかのような勧誘を行う
- ウェブサイトの作成などに高額な費用がかかる
結局、悪質な業者は、副業で収入を得たい人たちの心理を読んで、将来稼ぐための一時的な出費と思わせ、お金を引き出そうとします。
副業を選択する際に留意すべきことは2つあります。
ひとつは、仕事内容が将来のスキルアップや技術習得につながるのかどうか吟味することです。単純作業で低賃金に甘んじていては、残された時間の無駄遣いになってしまいます。
もう一つは、うますぎる話には絶対に乗らないということです。