資産投資の効用と年齢の問題
早期退職で資産投資を考えるべきなのか
早期退職を間近に控えて、心にひっかかっていることがあります。
それは資産投資をどれだけやるべきかというテーマです。
いろいろなファイナンシャルプランナーらが、老後に資産の目減りを軽減するためには資産運用が必要だと口を揃えています。
しかも、毎年○%で運用すれば、手持ち資産で○歳まで貯蓄が残るといったシュミレーションを示しているサイトも少なくありません。
確かに、その通りの運用が今後20年〜30年と可能ならば、資産目減りシュミレーション通りの結果になるでしょう。
しかし、私も長年、相場を見てきて、相場ほど当てにならない世界も少ないと感じています。
例えば、株式相場ですが、投資銀行は潤沢にと機関投資家らに資金を供給し続けたら、株式市場の時価総額が増え続け、株価も上昇し続けるでしょう。
不動産投資もまた然りです。
そうはならないのが相場の難しさです。
投資銀行以外にも、相場は参加者の思惑や各国政府の政策変更で、想定外の動きをするものです。
そうした不確実で予想不能な世界に、自分の資金をどれだけ長期的に投じるのか?
このテーマは、手持ちの資金が限られているリタイア組には極めて難解で重要な問題です。
若かったらリスクはどんどん取るのだが・・・・
働けば、どんどん収入が増えて貯蓄も期待できるころなら、どんどんリスクを取って資産運用すると思います。
しかし、私は残りの人生があと40年なのか、それとも10年なのか、分かりません。
しかも、定収入のないアーリーリタイアを選択した身です。
投資分野を厳選することが重要だと考えています。
まず、現金化が容易な株式投資ですが、これは資金1000万円以内にしようと考えています。
少し少ないのかもしれませんが、毎年配当収入を30万円前後貰えれば、10年で税金を惹かれて240万円ほどになります。
このくらい貯まったら、ちょっとした大きな買い物や旅行、孫の教育費の補助に使えそうです。
次に、一時期、非常にブームになった外国為替証拠金取引(FX)ですが、これは投資というよりも投機的なゼロサムの世界です。
しかし、楽しそうなので機会があれば、ゲーム感覚で100〜200万円程度の資金で試してみようという気持ちがあります。
投資の王様・不動産投資との向き合い方
リタイア生活には不動産投資が王道
私は以前、不動産投資をやっていました。
都心近くの駅近マンションですが、空き室に困ることもなく、実に安定した投資収入でした。
ただ、だいぶ物件価格が高くなったので売却し、手仕舞いしました。
個人投資家が株式投資などで大金を手にすると、最後は一棟売りマンションを購入し、家賃収入で悠々自適な生活を目指したがるのもわからないではありません。
不動産投資と悠々自適な豊かな生活というのは連想されがちな関係なのです。
ただ、これから投資するには、都内の不動産は上がりすぎました。
では、東京近郊や地方物件はどうかとなると、そういう物件は空室リスクに怯える生活が待っていますから、手を出す気になりません。
そんなことを考えていると、人生の残り年齢を考えるようになったいま、不動産投資はいまは視野に入ってこないのです。
ただ、最近、社会問題化したスルガ銀行の不正融資問題で、投資不動産に対する銀行の姿勢がどう変化するのかという点は注目しています。
銀行が融資の蛇口を絞れば、物件価格が急落するかもしれないからです。
このへんは株式投資と同じで、不動産も暴落した時に買っておいて相場が回復&急騰したときに売るというのが基本です。
リタイア生活における投資に対する基本的な考え方
私は多くのフィナンシャルプランナーが言っているような老後資産の目減りを軽減するための投資はやらないつもりです。
生活と直結させた投資は、日々の相場が気になってしまい、生活の質を低下させる恐れがあるからです。
投資に使うお金は生活費とは別予算を立てているので、自分が楽しめそうな分野を選んで趣味としての投資を考えたいと思います。
最後に、高齢になってからの投資は失敗したら、残された時間を考慮すると、リカバリーは難しいと考えるべきです。
ですから、信頼できる人に勧められたとしても、最後は自己責任ですから、知らない分野の投資には安易に手を出さないのが賢明です。
資金を投じるのも投資なら、やらないのも投資だというくらいの気持ちが大切です。
相場の言葉に「休むも相場」という言葉があります。
まさに「やらぬも相場」なのです。