ツイッターなどSNSが詐欺師の道具と化している
消費者庁がSNSを利用した悪質な業者とそのやりとりを公表
「たったの1週間で 22 万円」。TwitterなどSNSでよく目にする儲け話。
そんな簡単に稼げたら誰も苦労はしません。しかし、簡単に稼ぎたいという人を狙って、悪質な業者が跋扈しているため、消費者庁が動きました。
消費者庁は、「株式会社トップ」(東京都渋谷区)が「在宅スマホ副業で7日で20万円稼げる人続出中!」などとうたって、自動集客システムの使用料として多額の費用を支払わせていたとして、消費者安全法に基づいて注意を呼びかけました。
この株式会社トップは、住所が東京都渋谷区初台一丁目 45 番2号プライムメゾン初台 14F 。代表者は船木 宏一です。
消費者庁は「スマートフォンを用いた在宅での副業で短期に高額の収入が得られるとうたう事業者に関する相談が各地の消費生活センター等に数多く寄せられています」と強調。被害が拡大しないように業者と被害者のやりとりも詳しく公表しました。(消費者庁の発表資料)
最初は無料!稼げると思わせ、高額なシステム使用料を要求
今回の手口は、消費者庁の説明を読むと、そこらじゅうに蔓延する騙しのスキームです。それだけに、消費者庁は危機感を抱いたのかもしれません。
SNSを使って無料体験に誘い込み、稼げると思い込ませ、情報商材の広告をインスタグラムに自動投稿するシステムの使用料20万円を支払わせていたというものです。
誘い込む順序は、最初SNS、次にLINE、そして電話勧誘と、騙しの方程式通りの手法です。
私のツイッターにも儲け話や副業のアドバイスなどを無料提供するというダイレクトメッセージがたびたび届きます。
文面を見ただけで詐欺的商法だと分かるので無視していますが、意外に騙される人は多いようです。
私が詐欺的商法と感じるポイントは次の通りです。
- 「私は簡単に稼げた」という趣旨の文言
- 「無料モニター」や「無料体験」「無料セミナー」など「無料」の文言
- 「LINE登録」
こうした言葉が入っていたら、まずは詐欺だと思うことにしています。
ツイッターのダイレクトメッセージは要注意!
最近、最も注意が必要なのはツイッターです。
ツイッターのフォロー返しをしてあげると、突然、ダイレクトメッセージ(DM)がお送られてくることがありませんか?
人の好意を逆手に取った罠なので、とても腹が立ちます。まず、まともなDMを見たことがありません。
たとえば、最近、送られてきたDMは、こんな感じです。
このメッセージには、先ほどの「詐欺的商法と感じるポイント」が揃っています。この短い文章の中に「無料」が5回も登場します。LINEもあります。
そもそも見ず知らずの人に「無料」で稼ぐ方法を教えること自体が怪しいと誰でも気づくはずです。
「タダほど高いものはない」この言葉が騙されないエッセンス
深みにハマる第一歩は「無料」という親切
詐欺的商法には共通項があります。
それは最初は「無料」をエサに誘い出すということです。
「無料セミナー」「無料メルマガ」「無料体験」「無料相談」・・・
無料で済むはずがありません。
詐欺師の餌食になるのは、お金を欲しがっている人たちです。
お金が欲しい人たちは、お金を投資したくはありません。できれば、「タダで稼ぎたい」と考えています。ですから「無料」は魅力的な言葉に響きます。
まず、「お金を支払いたくない」という心理を逆手に取って、懐に入り込んできます。
無料で誘ったあと、次のフェーズは「これは稼げるかもしれない」と信じ込ませることです。
もともと、お金を稼ぎたいと思っている人たちなので、一度信じると、今度は疑うことよりも、稼げる期待感が上回ります。
期待を持ってしまうと、次は有料だと言われても、すぐにお金は回収できると思い込み、悪質な業者の筋書き通りに罠にはまってしまうのです。
「無料」をエサにLINE登録、そして電話勧誘
今回、消費者庁が注意喚起した「株式会社トップ」(東京都渋谷区・船木宏一代表)の手口は、まさに、その方程式通りでした。
消費者庁の発表を要約すると、以下のようなやりとりです。
説明通りの成功例は確認できず
今回の調査で、消費者庁は株式会社トップの宣伝通りに収益を上げた消費者を確認できなかったということです。
消費者庁は「トップ以外にも、誰でも簡単に稼げるかのような表現を用いて勧誘する事業者に関する相談は数多く寄せられているため、今後、別の事業者が今回の事案と同様の手口で消費者被害を引き起こす蓋然性は高いと考えられます」とコメントしています。
つまり、簡単に儲かる副業をうたう業者が他にもたくさん存在するため、同じような被害が発生する可能性が高いと見ているわけです。
最後に、私が詐欺的商法だと感じるポイントをもう一度説明しておきます。
- 「私は簡単に稼げた」という趣旨の文言
- 「無料モニター」や「無料体験」「無料セミナー」など「無料」の文言
- 「LINE登録」
くれぐれも騙されないようにして欲しいと思います。