鬱病になる前に会社内でやれることがある
うつ状態に陥った私の体験談
頑張って仕事をしてきたサラリーマンなら、一度や2度は、だれでも、どうしてもやる気がでないうつ状態に陥ったことがると思います。
うつ病というのは、一般的に、脳のエネルギーが欠乏し、食欲や睡眠欲などさまざまな意欲が低下した心理的症状が続く状態をいいます。
生真面目で仕事を一生懸命頑張ってきた人ほどうつ病になりやすいと言われますが、おそらく、うつ病になる前の段階で、相当、自分の心身に負荷をかけた反動だろうと思います。
うつ病(うつびょう、鬱病、欝病、英語: Clinical Depression)は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害である。(出典:Wikipedia)
私も40代のときに、仕事のやる気が出ない、睡眠が取れない、会社に行くのが億劫といった症状になったことがあります。
一度、そんなうつ状態に陥ると、なかなか脱出するのは難しく、自分でも「この状態では定年まで働くのは無理だ」と判断して、早期退職に向けた準備を早めた記憶があります。
今回は、私のうつ状態に陥った経験も交えて、うつ病で人生を棒に振る前に、どんな対策を講じるべきなのか、私の見解を述べていきたいと思います。
「出世よりも社会に役立つ仕事をしたい」
うつ状態に陥ると、仕事の全てが億劫になります。
私がうつ状態に陥ったのは、自分の希望してもいない部署にポストが上がる形で異動してからでした。
会社は、ポストを上げながら、いろいろな部署を経験させ、役員候補として育てるつもりだったようですが、私自身は出世したいという気持ちはありませんでした。
むしろ、社会に役立てる仕事さえできれば、それで十分という人生観を持っていました。
異動後半年で、心身の変調を覚え始めました。
食欲や睡眠欲が低下し、仕事への意欲もなくなりました。上司の顔も見たくなくなり、その発言にも関心を失い、気に触ることも増えてきます。仕事にやる気が出ないので、新たな提案をする気持ちにもなりません。
もちろん、出勤も億劫になります。その反面、金曜日の夕方はウキウキします。しかし、日曜日になると、翌日からの仕事のことが頭にちらつき、週末を楽しむ気にもなりません。
おそらく、私の性格に合わない仕事だったので、それまで頑張ってきた緊張の糸が切れ、脳のエネルギーも枯渇したのだと思います。
転職する前に部署異動を希望することが大切
新たな職場に異動後、わずか1年で、私は別の部署への異動を希望しました。
希望が受け入れられました。
異動先は勤務時間が定時で終わり、仕事内容も自分の経験が十分役立つ部署でした。上司も若い頃から旧知の人だったので、その部署でゆっくり時間をかけ、心の中に前向きな姿勢が戻ってくるのを待ちました。
今にしてみれば、それが正解だったと思います。
徐々に、早く自分がかつて活躍した第一線に戻って仕事をしたいと考えるようになっていました。うつ状態に陥ってから、約4年で、私は希望する部署で仕事を再開できるまでに回復していました。
うつ状態になって、会社を辞めて転職する人がいますが、その前に、いまの会社で異動するなりして回復できるか試してみることが大切だと考えています。
なぜなら、いま、勤めている会社であれば、勝手が分かっているので、それなりに働く場としては楽な点があります。しかし、転職となると、新たな会社の事情や仕事やルールを改めて学ぶ必要があるわけで、うつ状態の人には大変です。
ただし、うつ状態に陥った原因が、その会社の社長や上司のパワハラなど会社全体の体質なら、異動しても同じ状態であることが予見されます。
であるならば、思い切って転職する方が心身の回復にはプラスです。
ただ、社会通念上許されないと思うようなパワハラがあった場合、泣き寝入りせず、労基署や人事部に相談することも忘れないでください。
うつ病対策に副業で自信を養うことが重要だ
副業に取り組んでいたらうつ状態も緩和していた
私はうつ病になる前に副業に取り組んでいました。
具体的にはブログとサイトと投資です。
おかしなもので会社の仕事にはやる気が起こらなかったのですが、帰宅後の副業は意欲的に取り組むことができました。
それはなぜか?
会社を辞めても一人で生きていける何かが欲しかったからです。
まさに、心の中は絶壁を背負った状態だったのです。
2年目に300万円ほど副収入を得ると、これが自信になりました。3年目は800万円、4年目で1800万円の副収入になると、会社を辞めても生きていけるかもしれないという自信が湧いてきました。
面白いもので、副業で年間1800万円稼ぐと、今度は「やっぱり会社を辞めないで、このままの生活を続けよう」と考えるようになったのです。
理由は3つありました。
- 副業で本業と同水準の年収を得て自信がつき、うつ状態も回復してきた
- 自信がついたせいで、いつでも早期退職できるという達観も生まれた
- そもそも副業で残り15年間も安定収入を続ける保証はないと考えた
このとき、年収1800万円という副業収入に有頂天にならず、会社員を続けながら副業に励んだことで、経済的に不安のない早期退職を実現できたと思っています。
サラリーマンのうつ状態は真剣に副業に取り組む好機
私の経験をもとに、うつ状態から脱出した経緯や副業に真剣に取り組めた理由を述べてきました。
うつ状態に陥ると、自信を失い、気分が落ち込み、辛いものです。
しかし、私はブログなど副業に取り組んでいる間は夢中で楽しく、仕事のことは忘れることができました。
しかも、仮に会社を辞めても生きていけるようになりたいと熱望するようになっていましたから、副業にも人一倍真剣に取り組むことができました。
人間、絶壁を背にすると、思いがけない力を発揮するものです。
そんなことを考えると、うつ状態になったのも、まんざら悪いことではなかったかなと、前向きに考えるようにしています。
「人間万事塞翁が馬」です。
長い人生、何が福となり、何が禍(わざわい)となるかは分からないものです。
少なくとも、私はうつ状態になることがなければ、副業に真剣に取り組むことはなかったし、いまの自由なリタイア生活を実現できなかったと思います。