安心・安全なはずのサラリーマンの足元が崩れ始めた
会社依存の人生は極めて危険な時代
65歳や70歳まで長く働く時代になるほど、会社依存のサラリーマンはビクビクしながら生活する人生を歩まなければいけません。
しかも、年上の上司ではなく、年下の上司の顔色を伺いながら、寿命を迎える直前までストレスを抱えるサラリーマンとして働く人生を強いられるのです。
それでも、まだ高齢になっても雇用延長してもらえたら、幸運なのかもしれません。
なぜなら、45歳以上の社員は不要という風潮が強まっているからです。
経団連の中西会長は「正直言って、経済界は終身雇用なんて、もう守れないと思っているんです」と本音を漏らし、今月13日にはトヨタの豊田章夫社長が「終身雇用を守るのは厳しい」と発言しました。
富士通など大手企業で始まっている45歳以上のリストラ政策は今後、さらに他の企業にも拡大する可能性があるということです。
終身雇用の次は退職金の廃止がテーマになると考える理由
私は日本の企業が終身雇用の廃止だけで止まるならば、まだマシな方だと考えています。
なぜなら、日本企業は、高齢者の人件費を捻出するために退職金の廃止を検討するのではないかと思うからです。
退職金制度は、古来、丁稚奉公明けの職人に対するのれん分けが端緒ともいわれています。
現在の退職金制度は、社員が退職後、生活に困らないように支給されている面があります。これは、企業が終身雇用制度が前提のためです。一種の擬似的「家族制度」ともいえます。
しかし、終身雇用が終焉すれば、日本独特の企業による家族制度も崩壊します。そのとき、退職金制度の意義が経営側から問い直される可能性があります。
ですから、サラリーマンは先回りの精神が大切なのです。
サラリーマンが悲惨な末路を回避する方法
会社依存のサラリーマンがたどる末路とは?
自分の身を守るためには、給料以外に複数の収入源を確保することが必要不可欠な時代が始まります。
政府も2018年を「副業元年」と位置付け、サラリーマンに稼ぐ力を身に着けるような制度の整備に着手しました。
しかし、副業を他人事と考え、会社に全面依存した生活を続けたサラリーマンを待ち受けているのは「こんなはずではなかった」という人生です。
近い将来、終身雇用がなくなったとき、会社依存のサラリーマンを待ち受けているのは、どんな人生でしょうか?
企業はまず45歳前後でリストラします。会社依存のサラリーマンには何のスキルもありませんから、雇ってくれる会社を探します。中年の転職組が急増するため、雇用条件は大幅に低下しますが、生きるために我慢して別の会社に転職します。
しかし、入社した会社は企業文化が異なるため、肌が合わなず、ストレスが募ります。その結果、50代でまた別の会社を探します。
自分で稼ぐスキルがあれば、この時点でフリーランスで自由に生きる人生を選択します。
しかし、会社依存で生きてきたサラリーマンは、会社から与えられた仕事をこなすだけで給料をもらうという生活が染み付いています。自分の力で稼ぐスキルを身につけていないし、身につけようとも考えていません。
ですから、さらに雇用条件が悪化しても、サラリーマンの道を選びます。
さすがに、この頃になると、もう年ですから自己主張はしなくなります。
しかし、会社員ですからストレスを溜めながら、高齢になるまで働き、年金生活を迎えるころに人生の終焉を迎えることになります。
コツコツ継続こそが収入源の複数化につながる
私は、40代から副業を始め、50代で早期退職のタイミングを考えました。
あのとき、副業に取り組んでいなかったら、今頃、どんな気分で生きていたのかと考えると、ゾッとします。
しかし、会社依存で生きてしまっていたら、最後の最後まで会社主導の人生になっていたと思います。
30〜40代から副業に取り組み、給料以外に複数の収入源を確保できれば、人生の選択肢が大幅に広がります。
「副業で稼ぐと言っても、簡単に稼ぐのは無理」
こんな声が聞こえてきそうです。確かに、その通りです。
しかし、会社依存体質のサラリーマンは、簡単に稼げないことを副業をやらない理由にあげるものです。
大リーガーのイチローが野球を始めたのは小学3年生の時です。お金を手にできたのは、高校を卒業してから約10年を要しています。
サラリーマンは入社した月から給料が振り込まれる人生を送ってきましたから、すぐに、お金が手に入るのが普通だと思いがちです。
しかし、副業で稼ぐことは、まさに職人的な稼ぎ方を覚える、つまり、スキルを身につけ、そのスキルでお金を稼ぐということです。
そういう人は、どうやってスキルを身につけるのか?
答えは一つです。
小さな事でも、毎日、コツコツ継続するということです。
継続さえできれば、気づいたときには、想像もしなかった高嶺に登っているものです。