50代以降はお金以上に時間が大切だと感じる理由
高齢になるにつれて時間は貴重になる
50代で早期退職して強く感じることがあります。
それは毎日の時間の経過が驚くほど早くなったということです。
早期退職して以降、寒い早朝の出勤や猛暑の勤務もなく自由な生活となります。
しかも、サラリーマン時代から切望していた事や趣味も自由に実現でき、気が向かない時や疲れた時はサボる自由もあります。
何よりも、無理に他人に生活を合わせたり、行きたくもない飲み会に出席する必要もありません。
その意味では、人生の時間を実に有意義に消化していると感じます。
誰でも楽しい時間や好きなことに没頭している時間は早く感じるものです。
ですから、早期退職して以降、時間は倍速で過ぎ去っていきます。
しかし、日本社会は逆に60歳定年から65歳、そして最近では70歳まで働けという行政の意思が強まっています。
なぜなら、年金財政が危機的状況で、年金を受け取る側の人たちにも働いてもらって保険料を治める側に回って欲しいからです。
端的に言うと、国が年金制度の運営失敗を民間や個人に付け回しているともいえます。
人生逆算で計画することが重要だ
日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性は87歳です。
「人生100年時代」という掛け声に踊らされると、死ぬ間際に「えっ、もう自分の人生は終わるの?」と騙されたような気分になると思います。
2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳で、ともに過去最高を更新した。厚生労働省が30日発表したまとめで分かった。17年に比べて女性は0.05歳、男性は0.16歳延びた。過去最高の更新は女性が6年連続、男性は7年連続。長寿社会の深まりにより、社会保障など幅広い分野の改革が求められている。(出典:日本経済新聞)
私の母は65歳で人生を終えましたが、死ぬ間際に、まさにそんな表情でした。私が早期退職を考え始めたのは、そんな母の表情が忘れられないからです。
「会社に滅私奉公して、数年で人生はお終い」
そんな人生設計は避けたいと、40代から早期退職目指して副業と資産形成に取り掛かりました。
幸いにも50代半ばで早期退職を実現でき、しかも、その後の生活は思い描いていた以上に有意義で気楽です。
「自分は何歳まで生きるのか?」
自分の寿命はだれにも分かりません。ただ、平均寿命から逆算して人生を組み立てていけば、おのずと65歳や70歳まで働く人生にはなり得ないはずです。
お金に縛られない人生は50代までに確定する
40代までお金にこだわればお金に縛られない人生が実現する
逆説的に感じるかもしれませんが、私は40代までお金に拘(こだわ)りました。
なぜなら、シニアになってお金に縛られる人生を送りたくなかったからです。
せっかく定年退職したのに年金や貯蓄ではその先不安だと、アルバイトしながらお金を稼ぐのはまさにお金に縛られる人生です。
残り少ない人生を他人に雇われ、小銭稼ぎに費やすほど、時間の無駄遣いはないと考えました。
そんなシニア時代を避けるためには、お金が必要です。
ですから、40代までは副業や株式投資に励んで、給料以外に総額7000万円ほどの収入を増やしました。
それが早期退職後に自由な生活を担保してくれているのは間違いありません。
40代までお金にこだわった結果、中高年になってからはお金から解放されたというわけです。
「お金がなくても人生は楽しく生きられる」
こういう人もいるでしょう。しかし、歳をとってから、自分の身の回りのことをすべてボランティアに頼るわけにも行きません。
他人は対価がなければ動いてくれないものです。
さらには、家庭内不和や刑法犯は貧困やお金がらみが多いのも事実です。
人生の長丁場を自由で幸福に走りきれるかどうかは、いかに40代までの若い頃に金融資産を形成できるかどうかが勝負だと思っています。
稼げる副業は会社に隠れてやるものではないのか?
私が副業を始めた40代のころ、日本企業はどこも副業を禁止していました。
本業に対する熱意の喪失や愛社精神の喪失を危惧したからです。
しかし、最近、2019年は「副業元年」と言われ、副業を政府が推奨し、解禁する企業も増えてきました。
しかも、政府内では副業にも労災を適用する政策まで検討されているという報道も目にして、正直言って驚いています。
なぜなら、会社が笑顔で許可するような副業が将来の人生を保障するほど稼げるわけがありません。
労災適用が必要な副業はおそらく「労働」的な仕事を想定しているのでしょう。
ブログを書く作業に労災を適用したり、株式のトレードに労災を適用してくれるでしょうか?
あるいは不動産投資に労災を適用してくれるとも思えません。
しかし、そうした副業こそが人生の後半を保障してくれるほど稼げるものです。
おそらく労災が適用されるようなセミナー講師やアルバイト的作業は給料の補填程度の稼ぎにしかなりません。
ブログ収入や株式や不動産投資で、会社役員に匹敵する副収入を稼いでいれば、さずがに会社も心穏やかではないはずです。
むしろ、「あいつは会社の仕事よりも副業ばかりに熱心だ」といった変な烙印を押されかねません。
ですから、副業でしっかり稼ぎたい人は副業許可の有無に関係なく、こっそり、着実に副業に取り組んでいるはずです。
そして、副業が会社の給料を超えた時には、会社を辞める準備に入っています。
最近の副業ブームは、政府の推奨と会社の解禁が発端となっていますが、なにか軽い感じがしてしまいます。
最近の働き方改革といい、副業ブームといい、本当に個人が幸せになる方向に進む政策なのか、もう少し時間の経過と検証が必要な気がしています。