大晦日の紅白歌合戦は欅坂46「不協和音」が圧倒した理由
おじさんでも目を止めてしまった欅坂46「不協和音」
若い頃の特権は、権威や権力に対する反抗や抵抗を表現できてしまうことではないかと思うときがあります。
しかし、誰もが年を重ねて給料をもらわないと生活できないことを体得したり、家族や財産など守るものができてくると、社会や組織と折り合いを付けながら生きるようになります。
それが大人になることだと自分を納得させ、官僚に至っては権力者の考えていることを先回りして公文書を処分するなど忖度したり、会社組織においては理不尽な指示でも自分の心を殺して従うことを甘んじるようになります。
アイドルグループ「欅坂46」の楽曲は、そんな大人に対する抵抗や拒絶、大人社会の理不尽や歪みを受け入れたくない感情を素直に表現しているものが多く、その笑顔のないパフォーマンスが以前から気になっていました。
この年末年始は、大晦日に紅白歌合戦の一部を視聴し、元日からは家族全員でマカオで過ごしました。
紅白歌合戦は冗漫で退屈な進行でしたが、唯一、迫力を感じ見入ったのが欅坂46の「不協和音」でした。
「僕は嫌だ」と言える大人になりたい!
欅坂46の「不協和音」は2017年の紅白歌合戦でも歌唱されましたが、あまりにも激しいパフォーマンスゆえに歌唱後にメンバー3人が過呼吸で倒れたことが大きなニュースにもなりました。
2019年大晦日の紅白歌合戦は、そのリベンジにも感じられ、実際に欅坂46が歌った歌詞は2番からでした。
つまり、3人が倒れた2017年の続きという意味合いも込められた演出とも見ることができます。
紅白歌合戦の歌唱はYouTubeの公式ページでは著作権の関係でアップされていませんが、「不協和音」は以下のような楽曲です。
この「不協和音」はとても含蓄に富んだ歌詞で、まずは、次にような一節が心を捉えます。
僕は嫌だ
不協和音を
僕は恐れたりしない
嫌われたって
僕には僕の正義があるんだ
殴ればいいさ
一度妥協したら死んだも同然
支配したいなら
僕を倒してから行けよ!僕は嫌だ
また、後半に進むと、「みんな揃って同じ意見だけではおかしいだろう」「意思を貫け」と主張します。
しかも、「主張を曲げたら生きてる価値がない」と強調し、最後には「欺(あざむ)きたいなら僕を抹殺してから行け!」と同調圧力に屈することに激しく抵抗します。
不協和音で
既成概念を壊せ
みんな揃って
同じ意見だけではおかしいだろう
意思を貫け!
ここで主張を曲げたら生きてる価値ない
欺(あざむ)きたいなら
僕を抹殺してから行け!
まさに、サラリーマンが会社組織で直面する理不尽や、霞ヶ関で繰り広げられている権力や長いものに巻かれる空気に対するアンチテーゼさながらの楽曲です。
早期リタイアは自分に正直に生きる入り口なのだ
2020年は自分の人生を再点検してみよう
多くの人たちが綺麗事ばかりでは生きていけないと諦めています。
サラリーマンは経営者や上司が決めたことが国民や消費者の為にならないことであっても、その決定や指示に従うことが自分の生活のためだと言い聞かせながら生きています。
しかし、その生き方は最終的には自分のためにならないことが多いのも事実です。
なぜなら、誤った決定や指示は、いずれバレて最終的には消費者に見放されて経営危機に陥るからです。
たとえ、その欺きによって会社の経営が一息つけるとしても、人間は自分の心に嘘はつけません。
心の呵責がストレスとなって人相の悪化や癌など病気の遠因になる危険性があります。
2020年は東京五輪が開催される年でもありますが、東京五輪が終わると、次の目標が見えず混沌として、日本経済が衰退に向かう年になると考えています。
「僕は嫌だ」
そう叫べる自分をどう作り上げるのか?
この1年はそのことを真剣に考えることがその後の人生を豊かで明るいものに改革できるはずです。
50代になって上司の評価を気にする会社員になってはいけない
「僕は嫌だ」
そう言える社会人になるためには、まずは50代で上司の評価を気にするような会社員にならない人生を考えることが重要です。
私がサラリーマン時代、部下の評価は気の重い仕事でした。
なぜなら、勤務評価は①絶対評価ではなく相対評価であること②中高年よりも若手に甘い評価をせざるを得なかったからです。
だれかをA評価とすると、誰かをC評価にしなければいけません。
しかし、誰もが自分は一生懸命働いていると思っています。
とくに中高年の社員は若手よりは経験も知識も人脈も豊富です。
ですから、若い社員より高評価なのは当たり前だと思い込んでいるので、低評価をつけられると評価者に反論し恨みを持つものです。
「あなたもいい年なのだから自分の評価を気にせず、若い人のモチベーションを考える心の余裕を持って欲しい」と言いたいところですが、そう言うわけにも行きません。
会社一筋の会社員がたどる人生とは?
50代になっても自分の評価を気にする人の共通点は、副収入も身につけず、会社一筋で生きてきた人が多いということでした。
なぜ、30〜40代のときに自力で生きるスキルや資産形成にも励まなかったのかと言いたくもなりますが、現在の結果は過去の自分の結果なのですから、どうしようもありません。
そうなると、会社に理不尽な指示をされても受け入れるしかありません。
「僕は嫌だ」と退職願を叩きつけて、自由に生きるという選択肢がないからです。
現在30〜40代の世代は、社会人のイロハを身につけたあとは、いざとなったら会社に「嫌だ」と言えるだけの経済状況の構築が必要不可欠です。
決して50代になって勤務評価が悪いからとって文句を言うようなシニアになってはいけません。
同時に、状況次第では、自分が会社に三行半を突きつけるだけの環境づくりは忘れてはいけません。
私は40代になってから副業や資産づくりに着手しましたが、それでも50代になったころには会社に強く引き止められても「僕は嫌だ」と言って早期退職できたのです。