2020年は早期退職を自発的に目指す時代になる
2019年は企業側が早期退職を迫った1年だった
2019年はあと10日足らずで幕を閉じようとしています。
2020年は東京五輪開催の年。
やり手姉さんが「おもてなし」とPRして日本中が開催地獲得の歓喜に沸いたあと、開催までスッタモンダもありましたが、来年夏は東京を中心にワクワクする光景が連日、目に飛び込んできているはずです。
残り少なくなった2019年ですが、今年は次の時代に向けた腰だめの年だったような気がします。
ITを中心とした米中の技術革新にすっかり遅れをとった日本企業は、不要な中高年を切って次のステップに向けた準備を本格化させています。
金融機関は従来のビジネスモデルでは稼げないと見切りをつけて、預金に手数料を検討したり、1万人規模のリストラを進行させたり、年齢に関係なく報酬を決める方式を導入するなど、もがき続けています。
実態、上場企業の早期・希望退職者(2019年1月〜11月)は、2018年と比較すると、社数、人数とも約3倍増となりました。(参考:東京商工リサーチ)
まさに、会社依存の抜けない社員に対し、企業側が「もはや会社にしがみつく時代ではなくなった」と意識改革を迫った1年ともいえます。
2020年は自発的に早期退職を目指すサラリーマンが増える理由
2019年が企業側がサラリーマンに早期退職を促した年でした。
しかし、2020年は逆に自発的に早期退職を目指すサラリーマンが増えると考えています。
- 多くの人が死ぬまで会社が面倒を見る終身雇用の幻想性を実感する
- 働き方改革による余暇の増加で人生を見つめ直す会社員が増える
- 人生を会社に消費する生き方から自分のために生きる人生観への変革
- 中高年で会社に捨てられる前に自分で早期退職を目指す新たなプライドの高まり
上記のような意識の変化とともに、早期退職の願望を刺激するのが東京五輪ではないかと思います。
世の中が明るいお祭り気分の中で、サラリーマンが嫌な上司に怒られながら営業や無味乾燥なプレゼンに走り回る人生に疑問や嫌気を抱くのも不思議ではありません。
実際、私も地元開催のオリンピックぐらいは会社の仕事を考えすに楽しみたいと考え、東京五輪前に早期退職しました。
企業は「社員は家族の一員」といって採用しても、業績悪化や若手採用を増やすときには給料が高止まりしている中高年が犠牲になります。
会社という船を沈没させないためには当然の手段なのかもしれません。
サラリーマンは企業の習性や論理を自覚する必要がありますし、自発的に泥舟から飛び降りる覚悟も必要です。
ただ、いまの日本は早期退職しても餓死するような国ではありません。
65歳になれば厚生年金も支給されますし、いざとなれば、バイトしても生きていけます。それでもだめだったら生活保護も完備しています。
早期退職は何も怖くはありません。
むしろ、早期退職したあと、「こんな幸せな生活だったら、なぜもっと早く会社を辞めなかったんだろう」と実感している人も少なくないはずです。
2020年は早期退職を恐れる年ではなく、むしろ自分から追い求める目標とする節目の年になると考えています。
早期退職後に悠々自適な生活を実現する方法
自分から早期退職を目指す意義とは?
終身雇用が信じられてきた日本では、「早期退職=人生の危機」というイメージがありました。
しかし、米国では、高学歴のエリートサラリーマンを中心に、早期退職して自分のための人生を目指す「FIREムーブメント」が巻き起こっています。
このFIREムーブメントの関する記事は、当ブログの中でもよく読まれているコンテンツですが、それでも日本のサラリーマンは会社依存の域を脱し切れていません。
日米の違いは何を意味するのでしょうか?
おそらく、日本人は「終身雇用の時代は終わった」と口では言っても、「それでも自分の会社は一生面倒を見てくれるはずだ」と心の底で期待しているのだと思います。
そうした期待ができるのは新卒採用で苦戦し、中高年でも貴重な戦力と考える中小・零細企業であり、大企業は人事思想が大きく変わろうとしています。
2019年に大規模リストラを実施した上場企業は、安定が売り物だった金融系や将来性のあるIT関連企業にまで広範囲に広がっています。
早期退職を拒否したとしても、不要とされた中高年は関心もスキルもない部門や関連会社に出向や転籍が待ち受けています。
その場合、早期退職よりも人生の消耗は激しいものになります。
なぜなら、仕事に不満や不安を抱えながら働く生活は人生の浪費感が強いからです。
早期退職は恐怖ではなく理想的な人生の段取りだ
先ほども申し上げましたが、早期退職は決して恐怖ではありません。
むしろ、やり方次第では誰にも気兼ねせず、自由に生きる出発点になるものです。
名刺のない生活では格好がつかないと考えたり、プライドが許さないというサラリーマンもいるでしょう。
でも、いまは少額で株式会社を設立し、「代表取締役社長」の名刺を作ることはいとも簡単です。
「ペーパーカンパニーのような会社は嫌だ。従業員もいて稼働している会社のトップになりたい」と言うのなら、100万から数百万もあれば、会社を買収することもネット上で実現してしまいます。
いまは早期退職したあと自由に生きる方法は多様になりました。
金融資産の少ないからといって、お金のかからないテレビを見て1日を過ごすという生活ばかりでもありません。
早期退職後の人生戦略を計画し準備するのは夢や希望も膨らみ、会社員の仕事以上に楽しいものです。
早期リタイアには生活や心の軸となる存在が重要だ
私自身、早期退職して1年になろうとしています。
会社員時代、退職金を含めて金融資産が1億円を突破したら会社を好き退職するという10カ年計画を立てて実行しました。
その甲斐あって、現在は全く生活には不自由しない自由な人生を送れているわけですが、おそらく会社から促されて早期退職した人と、自分から早期退職を申し出て慰留されながらも辞めた人では、早期リタイアの気分が全く異なると思います。
前者は会社に捨てられた人であり、後者は会社を捨てた人になるからです。
何十年も尽くした会社に捨てられたサラリーマンにとって心の傷は深いはずです。会社愛が強かった人ほど、心の傷は死ぬまで拭えないかもしれません。
ですから、自発的に行動することは人生において重要なことだと思います。
早期退職を目指す際に、もうひとつ留意すべきことがあります。
それは生活や心の軸をつくるということです。
生活や心の軸がなければ、生きる張り合いや生活のリズムが乱れるものです。
私は、ブログが生活の軸になってくれています。毎日1記事を仕上げると達成感もあり、充実感を味わえるものです。
しかも、ブログを始めて1年目から毎月数万円の広告収入も振り込まれていますから、趣味と実益を兼ねたブログは早期退職との親和性がとても良いものだと実感しています。