なぜ若い人たちが出世を嫌がるのか?
企業で出世する人の特徴とは?
かつては新卒入社以降、自分の会社で出世して、少しでも給料を増やし、高齢になったら役員報酬と高額な企業年金をもらうのが、サラリーマンの成功モデルでした。
最近は出世せずに気楽な平社員の方が幸せだというサラリーマンや公務員が増えましたが、出世=サラリーマンの成功というモデルは現在でも色濃く残っているのは事実です。
サラリーマンが出世すると、給料アップだけでなく、名刺にも「●●部長」「●●取締役」といった肩書きもでき、ある意味、名誉欲も満たされるかもしれません。
しかも、忠実な部下ができれば、ある意味、小さな世界の一国一城の主人になった気分にもなれます。
その意味では、雇用されて生活する人が圧倒的に多い日本社会においては、出世がサラリーマンの目標になるのは当然なのかもしれません。
しかし、出世するまでには、尊敬できない上司に文句を言わずに忠実に仕事しなければいけません。
最近は自分の考え方やビジネスプランを積極的に提案する社員が望まれるということを言う人もいます。
ただ、現実には、自己主張の強い社員は上司や周囲に内心では「生意気な奴だ」と思われているものです。
若い頃は大目に見えもらえますが、中年期以降、処遇面で伸び悩む人も少なくありません。
役員に生き残るのは、やはり、忠犬ハチ公のような社員たちなのです。
ですから、日本は大手企業になるほど役員らは気の利く人が多いものですが、一方で能力の低い人も珍しくありません。
ですから、企業で出世を考えるのなら、自分を殺せる人になる必要があります。
本当に出世が幸せなのか?
「和をもって貴しとなす」
農耕民族の日本社会は古くから突出する能力よりも和を大切にしてきました。その伝統は業績の安定している大企業には凝縮された形で脈々と残っているものです。
しかし、中小零細企業だと、様子がだいぶ違ってきます。
人材難に直面している零細企業だと、積極的で自己主張のある社員が意外に評価されがちです。その人に取って代わる人材がいないからです。
あっという間に部長や役員に出世するケースもあります。ただ、給料は大企業のようにはいきません。年収1500万円ほどで御の字と思う必要があります。
しかし、1500万円程度であれば、大企業では出世しなくても可能な年収です。
こうして考えると、サラリーマンの出世というのは、なかなか味わい深いものです。
では、ここからが本題です。
サラリーマンにとって出世することは本当に幸せな人生なのでしょうか?
様々なストレスや責務に耐え、出世したのかどうか判明するのが60歳前後。もしも、出世街道から外れたり、左遷された場合は「会社一筋」の人生から転身をはかるのは厳しいものです。
何よりも、「会社のために尽くした20〜30年間は一体何だったのか?」と、人生を会社に消費した日々を悔いるかもしれません。
最近、サラリーマンや公務員が管理職になりたがらないという話を聞くようになりました。
人生の幸福を出世とは異なる世界に求める人たちが増えているためです。
気楽な平社員を希望し、自分の時間は趣味や副業にあてる。
こうした平穏な人生に魅力を感じるのも理解できなくはありません。
社長より生涯収入が多いサラリーマンが続々誕生する時代
サラリーマン社長の限界と副業の青天井
「うちの社長の役員報酬は年間5000万円を超える。平社員で居続けるより社長の方が生涯の収入は多いはずだ」
社長になるのが経済的に有利だと考える人が多いと思いますが、本当にそうでしょうか?
年収5000万円と言っても、税金や社会保険料を天引きされると、手取りは3000万円ほどです。
しかも、オーナー社長と違ってサラリーマン社長はいずれ退任しなければいけません。高給な期間は限られています。
一方、副業で成功したサラリーマンはどうでしょうか?
平社員でも好きな事を副業にしながら、30代から数千万円稼ぎ続ける人は少なくありません。
以前、ご紹介した32歳のmotoさんは会社員と副業で年収5000万円を稼ぐサラリーマンです。
サラリーマンの給料が1000万円。転職経験をブログで書いて副業が4000万円。合計5000万円を30代前半から稼いでいるのです。
役員報酬は上限が限られてきますが、サラリーマンの副業は収入が青天井。年収数億円も可能なのです。
サラリーマンが富への道を出世以外に複数選べる時代
「副業でそんなに稼ぐサラリーマンは一握り」
こう考える人もいるでしょう。
しかし、数百人、数千人の社員のなかで、社長になれるのは4年か6年で1人。つまり一握りなのです。
稼ぐサラリーマンを見て「それは一握り」と思うのは敗北主義。「よし自分も頑張ってみよう」と思う人と、「自分は無理」と思う人では、その後の人生に格差となって現れるものです。
「自分は決して評論家にならず、プレイヤーになるんだ」という気持ちがあれば、道は切り開けるものです。
昭和から平成の初期まで、サラリーマンにとって出世こそ幸福への道だと信じるしかなかった時代がありました。
インターネットもなく、副業するにも極めて選択肢が限られていたからです。
しかし、いまやネット環境さえあれば、誰でも自分メディアをもって役立つコンテンツを発信し、富を手にできる時代なのです。
人間関係に我慢を重ねながら社長を目指すのか?
それとも、好きなことを副業にして富を目指すのか?
人生観によって選択は異なりますが、少なくとも、いまは選択肢に恵まれた時代に生きていることは間違いありません。
その恵まれた時代を生かすも殺すも自分次第なのです。