70歳まで働けば年金が月10万円増えることは幸せなのか?
厚労省が70歳まで働いた人のモデル試算を初めて公表
ようやく近い将来の公的年金制度の具体的な姿が見えてきました。
厚生労働省が11月の社会保障審議会の年金部会で、70歳まで働き続けて、そこから年金をもらい始めた場合、約1.5倍になるという試算を始めて公表しました。
60歳以降も働いた場合の厚生年金額の試算は次のようになります。
20歳から60歳まで平均標準報酬(月42.8万円)で働いた男性の場合 | |
60歳で退職し65歳から受給 | 年金21.8万円 |
65歳まで働き続け65歳から受給 | 年金22.8万円 |
70歳まで働き続け70歳から受給 | 年金33.1万円 |
※年金額は夫婦世帯の月額 |
厚労省の試算は、60歳で定年退職し、65歳から年金を受給した場合、夫婦世帯で月額21.8万円ですが、70歳まで働き続けて年金を受給した場合には約1.5倍の33.1万円まで増額するというものです。
政府は高齢者も70歳まで働いてもらい、年金制度の支える側になってもらいたいと考えています。このため、年金の受給開始年齢も、現在の60〜70歳ではなく、70歳を超えても選択できるように検討を進めています。
自分が何歳まで生きられるのか、自分で自分の寿命を予測して、年金の受給年齢を決める博打のような制度が検討されているわけです。
ツッコミどころ満載の初試算
では、今回、厚労省が提示したモデルケースの試算は、額面通りに受け取っていいのでしょうか?
賢い人なら、すぐに気づくことがあります。
それは前提条件が「20歳から60歳まで平均標準報酬(月42.8万円)で働いた男性」となっている点です。
月額42.8万円の給料ということは、年収513.6万円です。20歳から、そんな高給取りを私は見たことがありません。
普通は大学卒業して23歳から、高卒だと18歳からですが、高卒で年収500万円以上払っている企業が一般的でしょうか?
しかも、70歳まで働き続けた場合、70歳から約1.5倍の33万円がもらえる試算になっていますが、70歳までずっと年収513万円稼ぐことがその前提条件です。
平均年収300万円台の昨今、そんな高給取りはどれだけいますか?
もっとツッコミどころはありますが、このくらいにしておきます。
それにしても、国民の生活を大きく左右する政策を提示するのですから、厚労省はもっと現実的で誠実なモデルケースを示すべきなのではないでしょうか?
公僕にもかかわらず、世の中の役に立とうという精神を感じません。
将来の生活防衛は国に全面依存せず自衛策が重要
公的年金だけで生活するのは無理ゲー
将来、公的年金は、支給開始年齢に近づいても支給が遠ざかる陽炎のような制度になるかもしれません。
相当な知恵者が政を納めない限り、年金制度を嘆いていても始まりません。自己防衛を考える必要があります。
そもそも年金は、ほとんどの人が老後の生活をすべてカバーするほどもらえるものではありません。つまり、「攻略が極端に難しいゲーム」、無理ゲーなのです。
毎月安定した報酬のある会社や事業のオーナーは、高齢になって政府の制度を活用しても支障がないと思います。
しかし、普通のサラリーマンは年金額が夫婦合わせて月額20数万円程度です。これだけでは足りませんから、給料のあるうちに複数の収入源を確保することが最低限必要です。
高齢になってからは多くの収入は必要ありません。年金+αの収入で生きていけるからです。
しかし、副収入源を準備していなければ、結局は誰かに雇用されて生きていくしか選択肢はなくなります。
たった一度の人生なのに、会社を退職したあとも、また見知らぬ会社の奴隷になって、ストレスまみれの生活を選ぶのか?
それとも、自分の好きな時間や場所で自由に稼いで暮らすのか?
その分かれ道は、30代40代の現役時代に副収入を試行錯誤したかどうかで決まると言っても過言ではありません。
10年あれば相当な副収入源を確保できる
ただ、幸いにも30代40代なら、まだまだ準備期間があります。
考えられる方法はいくつもあります。
- 自分の会社や事業を持つ
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難易度やリスクが高い順に並べましたが、現役時代に投資やブログ、クラウドソーシングは経験しておくことが重要です。
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