多くのサラリーマンがつまらない仕事から解放されて自由なアーリーリタイアを夢見ています。
しかし、どのくらいお金があれば、早期退職できるのか?
必要資金の目標が見えず、リタイアしようにも陽炎に向かって走るような感覚だと思います。
ファイナンシャルプランナー(FP)たちがリタイアの必要資金を計算し様々な提案をしています。
「なるほど」と思う提案もあれば、「中高年にそんなリスクを負わせるのはどうなの?」と疑問に感じる提案も少なくありません。
今回は、私がリタイア生活に実感した必要資金を公開したいと思います。
アーリーリタイアに緻密な資金計算はナンセンス
早期退職して分かるリタイア支出の概算
私がリタイア生活に入って最初に感じたのは、さほどお金は使わないということです。
もうひとつは、固定支出を削減するのは簡単だということです。今後、順次、ブログに書いていきたいと思いますが、現在も固定経費のリストラや断捨離に励んでいる最中です。
私のように現役時代から無駄な支出が多い人間ほどやりがいがあります(笑)
固定費をカットしつつ、次に重要なのは期間別に自分の支出状態を把握することです。
- 月間ベースの生活費はどのくらいかかっているのか
- 年間ベースの生活費が必要なのか
- この世を去るまでの生活費の積算
この3段階で把握していけば、残る人生のコストがわかります。
ただ、あまり細かいことにこだわっても、人生、この先、何が起こるのか、誰も予測することはできません。概算で十分です。
大切なことは、どのくらい資金を準備すれば、お金よりも価値ある自由を手にできるのかということです。
リタイア生活はお金を使わない!月々の生活費を35万円に減額
では、テストケースとして、私がリタイアに必要だと感じた支出を計算します。
リタイア後に通信費など固定経費を削減したので、現在の生活費は次の通りです。
- 1ヶ月の生活費 35万円
- 1年間の必要経費 35万円×12ヶ月+60万円(旅行代など)=480万円
- 残り28年間生きたと仮定した経費 480万円×28年=1億3440万円
当初、私は年間の生活費を500万円(月40万円)と想定していました。
しかし、固定費の削減に加えて、外出して散財することも少なくなったので、小遣いはサラリーマン時代の5分の1(2万円)で十分になりました。
意外にお金を使う機会は少ないものです
このため、月々の生活費を40万円から35万円に下方修正し、年間では支出が60万円ほど減りそうな勢いです。ただ、現役時代以上に旅行は楽しみたいので、旅行費として年間60万円を計上しました。
その結果、現在の生活が続いたとして、最低限必要なリタイア資金は1億3440万円という概算になりました。
リタイアに必要な自己資金を再計算した結果
リタイア生活の支出は560万円減少した!
リタイア前後で、私は一度、必要資金の計算をやり直しています。そのくらい確定するのは難しいので、資金計算を試行錯誤するのも楽しい作業です。
当初のリタイア必要資金は次のような計算でした。
- 【リタイア必要資金】年間生活費500万円✕28年=1億4000万円
前回よりも560万円減少しています。これは固定経費や小遣いの下方修正に伴う減少分です。(家の建て替えなど保険的な必要資金は除いています)
自分があと何年生きるのか、年間いくらお金を使うのか、この2点が分かれば、リタイアのための目標金額が確定します。
私の場合は1億3440万円でした。
年金収入を差し引いた分がリタイアに必要な自己資金
次は、私がこのお金を負担できるかどうかの計算です。
まずは年金収入です。
- 【年金収入・夫婦分】年間320万円✕20年=6400万円
夫婦で年金収入は6400万円を見込んでいます。残りの人生で必要な資金1億3440万円から、年金収入を差し引いた金額が、リタイアする前に準備しなければいけない金額です。
では、計算してみましょう。
- 【自分の負担分】1億3440万円−6400万円=7070万円
自己責任で準備すべき最低限の資金は7070万円という結果になりました。
私の場合は、これとは別に、贅沢費&想定外出費として1000万円、震災で自宅が倒壊した場合の自己資金2000万円も別会計で計上しています。
それを加えると、自己責任で準備すべき資金は総額1億0070万円ということになります。
まとめ
私の場合は、サラリーマン時代から20年ほどアーリーリタイアの準備をしてきました。
その結果、金融資産に加えて、妻は会社を経営し、安定収入もあります。
ですから、普通のサラリーマンとは異なる点も多々あるとは思いますが、最後に、リタイアの必要資金について基本的な考え方をまとめたいと思います。
- 月間・年間の支出を計算し、そこから残り人生の必要支出を計算し把握する
- 概算で年金収入の総額を計算する(できるだけ少なめに見積もる)
- 必要支出から年金収入の総額を差し引き、自分が用意すべき資金額を割り出す
- 現在、いくら不足しているのか認識し、貯蓄や投資、副業をひたすら頑張る
私は、こんな考え方で目標を掲げ、30代で準備に入り、50代で早期退職を実現しました。
最も大切なことは、資金計算以上に、早くから資金を増やすために、失敗覚悟であらゆる試行錯誤を繰り返すことだと思います。
その意味では、私にとってアーリーリタイアは20年かがりのプロジェクトでした。