数学の成績が最低だった男がなぜ世界のIT長者になれたのか?
米国GAFAに対抗する中国アリババの創業者ジャック・マーという男
いま、世界は国家以上に巨大な企業群が登場し、競い合っています。
それが米国のGoogle、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取ってGAFA。
この4つの企業を中心に、世界の経済や人々の暮らしが何らかの影響を受ける時代になりました。
そのGAFAに対抗するのが、中国のIT企業アリババ(阿里巴巴集団)です。
その創業者・馬雲(ジャック・マー)は1999年にECサイトを運営するアリババを創設し、その後、ニューヨーク株式市場に上場を果たして、いまや「中国版Amazon」と称されるほどの大企業に急成長しました。
創業者ジャック・マーは2014年にアジア1の大富豪となり、金融経済雑誌「フォーブス」では4年連続、世界No.1のIT長者とされました。
馬 雲(ば うん、英語: Jack Ma、ジャック・マー、1964年9月10日 – )は、中国の起業家。アリババ社(阿里巴巴集団)の創業者、現董事長主席(会長)、元CEO、ソフトバンクグループ取締役。浙江省杭州市出身。中国本土の起業家で初めて『フォーブス』に名前が掲載された。(出典:Wikipedia)
そのジャック・マーはアリババ創業間もない、しかも売り上げもゼロに等しかった2000年、ソフトバンクの孫正義氏に投資を陳情するため、面談しました。
そのとき、孫正義氏はジャック・マーからビジネスモデルや売り上げも聞かずに面談5分で20億円を出資しています。
アリババに投資した20億円が4000倍の8兆円に大化けしたのは、あまりに有名な話でもあります。
ジャック・マーも凄いですが、売り上げやビジネスモデルも聞かずに、面談5分で20億円投資した孫正義氏もまた凄い人物です。
しかも、ジャック・マーが欲しかったのは1億か2億円ほどのお金でした。
しかし、孫正義氏は「いいから受け取ってくれ」と20億円を無理やり渡したといいます。
それはなぜか?
ジャック・マーには情熱があった。彼の目が物語っていたと、後年、孫正義氏は語っています。
ジャック・マーは数学が最低の劣等生だった!
では、「中国版Amazon」と称されるほど成功したジャック・マーは、理数系の天才だったのか?
ジャック・マーは孫正義氏に、こう話したといいます。
孫:彼は自分で言ったんですよ(笑)。彼は誇りを持って「(賢くないことは)恥ずかしくない」と。彼は高校の数学の1から5の成績の中で1だったと。1というのは「一番高い」じゃない、最低だと。
ニケシュ:後ろから(スタート)できたということですね。
孫:ですから、彼はその過去を恥じていないと。数学が一番得意だったわけではないことを恥じていない。今現在でも彼はそれを認めてます。実際にジャックに「この数字は何?」と聞くと「数字はわかんないよ」と(笑)。「ウチの人間に聞いてくれ」とよく言われます。
彼の力というのは、数学の分野ではない。それは自分でも認めてます。実は彼の力というのは……もし彼が「この水の中に飛び込め!」と言ったら、100人の人が飛び込みますね。考えもせずに飛び込むと思います。
ジャックが「火の中に飛び込め!」と言ったら、おそらく誰かが火の中に飛び込むと思います。彼には、そういった形のカリスマがある。
(出典:logmi.biz『孫正義氏が語るジャック・マーの凄さ「20万人の学生がついていった生まれながらのリーダー」』)
ジャック・マーは、大学入試に3回、就職活動も30回失敗しています。
就職活動では、警察とケンタッキーフライドチキン(KFC)も落とされました。
このとき警察は5人受けて4人が合格、KFCは24人が受けて23人が合格。不合格の一人はいずれもジャック・マーでした。
父は人工知能などを教える大学教授、母はプログラミングの教師、そして自分は6歳からコンピューターを触り始め、名門スタンフォード大学の博士課程まで進んだGoogle創始者ラリー・ペイジとは、全く対照的な青年期でした。
そんな負け組に等しいジャック・マーがなぜIT長者に上り詰めたのか?
そして、彼が成功後に語った金言を紹介したいと思います。
ジャック・マーが成功した理由は何か?
「何でも鵜呑みにせず、必ず自分の頭で考える」
アリババ創設者ジャック・マーの人生を紐解くとき、忘れてはならない事実があります。
彼は12〜3歳のころ、英語に興味を持ちましたが、当時の中国には英語を学べる場所も教材もありませんでした。
そこで、9年間、中国・杭州のシャングリラホテルに毎日通います。
外国人観光客を相手にフリーのガイドツアーをするためです。そこで外国人観光客の話す会話を聞き、英語を学んだのです。
後年、ジャック・マーは「どうして、あなたはネイティブのような英語が話せるのですか?」と聞かれたそうです。
留学経験もないジャック・マーが現在、ネイティブな英語を話せるのは、9年間、地道にホテルに通い続けて観光ガイドで身につけたからです。
英語の習得と同時に、彼はあることに気づきます。
それは、教科書で学ぶ英語や親から教わる英語と、実際の外国人観光客の英語は全く違うということです。
その経験から、なんでも鵜呑みにせず、必ず自分の頭で考えることを習慣づけるようになったといいます。
ジャック・マーは、1995年に初めて渡米し、シアトルでインターネットに出会います。当時、コンピューターは中国では高価すぎて国民には容易に買えないもので、ジャック・マーも未知との遭遇でした。
普通の人なら「へえー、やっぱりアメリカは進んでるなあ」と感心して終わりですが、そのとき、彼は「中国」という文字をインターネットで検索しました。
すると、検索結果は、1件もヒットしなかったといいます。
帰国後、ジャック・マーはさっそく、中国初のビジネス情報発信サイトを開設。4年後には、彼の人生を変えたアリババを創設しました。
ジャック・マーが語った成功するために必要なこととは?
将棋や囲碁でも勝つためには定石があるように、人生も成功するには定石があるものです。
その人生の定石を探すには、実際に成功した言葉に、そのヒントを探すのが最も効率的で確実なものです。
今回、取り上げたジャック・マーはいろいろな場所で発言していますが、彼がなぜ成功したのか、そのエッセンスが最も込められた発言を紹介したいと思います。
それは、次の「貧乏マインドの人に尽くすほど最悪なことはない」という言葉から始まる発言です。
貧乏マインドの人に尽くすほど最悪なことはない。
何かを無料でプレゼントしたら「これは罠だ」と非難する。
「少額投資で大丈夫」と言うと、「じゃあ、儲からないじゃん」と文句を言う。
「多額の投資が必要」と言うと、「そんな金はない」と文句タラタラ。
「新しいことに挑戦しよう」と言うと、「経験ないから無理」と諦める。
「伝統的ビジネスだよ」と言うと、「じゃあ、成功しないね」と却下される。
「新しいビジネスモデル」と言うと、「MLM(マルチ)か」と決めつける。
「店を経営してみたら」と言うと、「自由がなくなる」と主張する。
「起業してみたら?」と言うと、「プロじゃないから無理」と受け入れない。
貧乏マインドの人たちの共通点とはGoogle検索が大好きで、似たような貧乏マインドの友人の話ばかり聞いて慰めあっている。
口先だけは大学教授並み。でも、行動は盲人以下。
彼らに、こう聞いてみて?
「じゃあ、あなたは何ができるの?」
何も答えがないから。
私の結論は、言い訳を熱弁している暇があったら、もっと素早く行動に移せば良い。
やはり、成功した人は「素早い行動」に価値を置くものです。
成功するための定石とは?
それは「行動」「継続」「貢献」。
私は、この3つが基本的な定石だと確信しています。