早期退職する前に絶対にやっておくべきことがある!
どんな形の早期退職にも共通する準備がある
早期退職には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは、上司や同僚と折り合いが悪く人間関係などに悩んで早期退職するパターン。このケースを私は「追い込まれ型」あるいは「逃避型」の早期退職と考えています。
もうひとつは、早期リタイアを目標に会社員時代に長期的に準備を進めて早期退職するパターン。これは「目標設定型」の早期退職といっていいでしょう。
ただ、どちらのタイプの早期退職だったとしても、共通して退職前にやっておかないと後悔することがあります。
退職前に必ずやっておくべきことは何なのか、これから説明したいと思います。
早期退職とは社会的身分を捨てる事!
退職後の就職先が決まっていない場合、あるいは働こうと考えていない場合は退職の翌日から「無職」になります。
社会の仕組みというのは、基本的に働いて定期収入を得ていることを前提に、制度やサービスが整備されています。ですから、無職になると、自分が制度の枠外にいて、社会の最底辺の身分になってしまったような扱いを受けることになります。
これは無職だけでなく、フリーランス(個人事業主)も同じようなものです。
まずは、無職だと住宅ローンが組めません。いくら貯蓄があると言ってもダメです。
銀行は安定収入のサラリーマンという身分や所属企業を信用してお金を融資しているからです。
住宅を確保したい人は、サラリーマンの身分があるうちに住宅ローンで家やマンションを購入しないと後悔することになります。
賃貸のアパートやマンションなら大丈夫なのか
賃貸アパートでも無職やフリーランスには貸してくれない
「私は住宅ローンを組んで家を所有する気はない。一生、賃貸でいいと思っている」
こんな風に考える人は少なくないと思います。しかし、これも大きな落とし穴があります。
賃貸のアパートやマンションのオーナーは、無職やフリーランスの人に物件を貸したがらないということです。
大家さんは家賃の滞納を最も恐れます。現行法では家賃が滞納になったとしても簡単に賃貸契約を解除して追い出せないからです。
大家さんや不動産業者は銀行以上に入居者の属性を気にするものです。
たとえフリーランスの人が「自分には一年分の預金がある」と胸を張っても、数万円のアパートですら貸してもらえないケースは珍しくはありません。
私も大家業をやっていましたが、やはり、どこに勤めている人なのか、管理を任せていた不動産業者はまず、その点を最重点にチェックしていました。
賃貸住宅は借り手側の論理だけでなく、大家さん側の立場でも考える必要があります。
多少の貯蓄がある人であっても、確実に家賃を振り込める人なのかどうかは分かりません。
ですから、どうしても形式的な属性が重視されてしまうのです。
早期退職する前に家やマンションを買うのが理想的
無職やフリーランス(個人事業主)になって、住宅の購入や賃貸マンションを探した時に、自分の社会的信用性が最底辺に転落したことを実感します。
ですから、早期退職する前、つまり会社員時代に、家やマンションは購入しておくと、一生、住宅のことでビクビクしたり、嫌な思いをしなくて済みます。
理想的なのは安い物件をキャッシュで買ってしまうことです。それが無理なら会社員のメリットを活用して住宅ローンを組んで家を確保することが大切です。
リタイア後にある程度収入が得られるようになってから買おうと思っても住宅ローンが通らず、「なんで会社員時代に買っておかなかったのだろう」と後悔したくないものです。
ただ、「自分は賃貸住宅で暮らす」という人は、それはそれで、ひとつの選択だと思います。
しかし、その選択をした場合は、無職やフリーランスにも貸してくれるような物件に限られ、住める地域も限定される可能性があることをあらかじめ覚悟する必要があります。
リタイア後の社会的信用の低下を前提に準備することが重要
サラリーマン時代に必ずやっておくべきこと
最後にまとめたいと思います。
早期退職を計画しているサラリーマンが退職前に留意すべきことは次の3点と考えています。
- 無職になったら社会的信用はゼロになること
- 社会的信用ゼロになることを前提に住宅を取得すること
- 賃貸住宅でも無職やフリーランスは断られるケースが少なくないこと
上記の3点を踏まえると、早期退職前に絶対にやっておくべきことは住宅ローンを組んでも住宅を購入することだと考えています。
早期リタイアは、会社員時代のメリットを最大限に活用しながら、最終的に自由な人生を手に入れる行動です。
ですから、会社員時代のメリットを十二分に活用したかどうかがリタイア生活の成功のカギを握っていると実感しています。
無職になると厳しいのは賃貸住宅だけではない
次回は「早期退職前に絶対にやっておくべきこと」第2弾をお届けします。
無職になって取得が難しくなるのは住宅だけではありません。
自分で選択した社会の最底辺とも言える無職という立場です。「あれ、これもダメなんだ」ということが少なくありません。
しかし、会社を辞めてから、「これもダメなんだ」と気づいても、もう手遅れです。
早期退職した私が実感する「会社員の身分があるうちに解決しておくべきこと」についてエントリーしたいと思います。