夢物語に踊らされるな!好きな事で生きるのは幻想だ
好きな事で生きることは極めて稀だと思う事が重要
ヒカキンなど年間数億円を稼ぐYouTuberが出現して以来、「好きな事で生きる」ことを目指す若者が急増しました。
大物ブロガーも自身のノウハウを書き込んだ情報商材を販売するため、好きな事で生きるライフスタイルを提唱し、就職した会社を数年で退職する若者も少なくありません。
窮屈な会社員生活よりも、ユーチューブやブログで生計を立てて自由に生きている姿は魅力的です。
しかし、自分一人だけの生活費ならユーチューブやブログで稼げるかもしれませんが、家庭を持ち、子供を育てるうちに、そんな収入だけでは生活はできません。
好きな事で生きる。
とても魅力的な言葉ですが、夢を見て窮地に陥った人たちを情報商材やサロンに引き込むためのセールストークとして使われている点を注意しなければいけません。
ノウハウの高額販売で買った人ではなく売った人が自由な人生を手にする「情弱ビジネス」。
ツイッターなどには、その勧誘ツイートがあふれています。
高級なバックや時計、食事、海外のリゾート地をツイートして、簡単に稼げる方法を無料提供するというお誘いです。
「好きな事で自由に生きる」といった言葉の罠(わな)には注意が必要です。
では、好きな事で生きるのは全くの夢物語なのでしょうか?
好きな事で生きるためには順序がある
自分の好きな事がブレイクして、人生が変わった人がいるのも事実です。
ユーチューバーのヒカキンさんはスーパーで働きながら動画を配信し続け、好きな事をしながら年間数億円と言われる富を手にしました。
しかし、普通の人は才能と運と努力の三拍子が揃っていたとしても、再現確率は極めて低いものです。
ただ、20〜30代から好きな事で生きることは困難でも、50代から好きな事で生きるとなれば、現実味を帯びてきます。。
20代から50代まで約30年間、経済的な基盤を強化する準備期間があるからです。
好きな事で生きるために会社を退職するのではなく、発想を180度転換して好きな事で生きるためにサラリーマンを続けると考えるわけです。
人生は長い長いマラソンです。
あわてて好きな事で生きる人生を選択する必要はありません。
むしろ、私は「サラリーマン生活は自由な人生の準備期間」と割り切ることで、好きな事で生きる人生を手にすることができました。
50代から好きな事で生きる人生を目指すことが賢明な理由
50代リタイアが好きなことで生きる近道となる理由
なぜ、50代までサラリーマンを続けた方が好きな事で生きる自由な人生を実現できるのか?
好きな事で生きるためには、何よりも経済的基盤が必要です。
その意味では50代までサラリーマンを続けた人は次の点で圧倒的に有利になります。
- 若年退職よりも退職金や年金が見込める
- 好きな事を副業にしてスキルを高める準備期間がある
- 子供も成長し家族を扶養する経費が減少し始める
- すでに自己所有の自宅がある
- ビジネスマンとしての人生経験やスキルも身につけている
50代まで会社員経験があれば、20〜30代の頃には見えなかったことも見えてきます。
20〜30代はまだまだ経験の浅さから狭い視野で物事を考えがちです。
「すでに自分は相当な経験や知識、スキルを身につけた」と思っていても、どんな物事も知れば知るほど奥深いものです。
私自身の人生を振り返っても、50代と30代では大相撲の幕内と序二段ほどの差がありました。
サラリーマンを20〜30年続けた方が好きな事で生きていける理由
好きな事で生きると言っても生活が維持できなければ、自由な人生どころではなくなります。
好きな事が生活そのものとなって、むしろ嫌いになるかもしれません。
ですから、重要なのは経済的な充実度です。
サラリーマンが50代まで働けば、退職金や公的年金の支給額も若い頃に比べたら格段に多いはずです。
しかも、その間に好きな事を副業に選んでコツコツ取り組んでいれば、給料+副収入で金融資産もある程度積み上げる事が可能です。
何よりも、サラリーマンの強みは、毎月の生活費の心配なしに好きな事や副業に取り組めるということです。
本当に好きな事で生きるつもりが、毎日、生活費を稼ぐために自転車操業の日々になるようでは本末転倒です。
ですから、サラリーマン時代に副業で収入を増やし経済的な余裕を持って、好きな事で生きる人生に転じる方が遠回りなようで近道だと実感しています。