1作目ほどワクワク感がなかった「下町ロケット」
下町ロケット・2作目で感じた既視感の正体
我が家は企業ドラマを欠かさず視聴するようにしています。
とくにTBSの日曜劇場は、高視聴率を記録した「半沢直樹」や「下町ロケット(2015年版)」「陸王」といった話題作が多く、毎週日曜夜は夫婦ともに楽しみにしている放送枠です。
この10月から「下町ロケット」2作目がスタートしました。
先日第2話が放送されましたが、1〜2話のあらすじは次の通りです。
企業ドラマの魅力とは?
正直言って、こんなに多額の特許権侵害を相次いで訴える乱訴はそれほど多くはないし、正直、企業が技術を競い合うワクワク感を期待していただけに、少しがっかりしました。
米国なら乱訴も有りうる話なのかもしれませんが、舞台は日本です。
唯一救いは、イモト扮する島津裕の言動に技術者の良心と夢が込められ、ホッとさせられる点です。
しかも、彼女の演技は私には好印象でした。
企業ドラマ制作者はもっと企業研究をしてほしい
ドラマはドキュメンタリー以上に社会を変える力がある
ドラマの可能性は何でしょうか?
2017年にノーバル文学賞を受賞した日系英国人のカズオ・イシグロさんは、受賞後の会見で、次のように語っています。
「私たちは今、なかなか前進できずに苦しんでいます。特に政治面が厳しい。そうした中で、文学が何らかの形で一助になればと願っています。」
イシグロさんは文学を通じてジャーナリスティックなもの以上の可能性を探っていると感じました。
ルポルタージュやニュースは、その事実の正確さが求められます。
しかし、文学はその制約からは放たれ、むしろ世界で起きたことや、個人間で起きていることの中から忘れてはいけないこと、怒っていいこと、悲しむべきことを、自由に、そして柔らかく伝えることができるのです。
ドラマも同じです。
ニュース特集やドキュメンタリーは事実関係の正しさを常に問われます。制作者もその正確性に常に神経を奪われているはずです。
都合の悪いことを報じられた人たちは事実関係から攻めようとするからです。
しかし、ドラマは事実関係からは比較的自由な立ち位置で、人々に伝えたいストーリーを構築できるはずです。
ですから、世の中を変える力があるのは、むしろ、自由なストーリーを描けるドラマではないかと思うのです。
自由であるがゆえにリアリティーが重要
一方で、ドラマは自由なストーリーが描けるだけに、そのストーリーや設定にリアリティーがなければ、視聴者は興ざめします。
とくに、これから、様々な業種で専門的な職種を経験してきた高齢者がテレビドラマを楽しみに視聴する時代が本格化します。
ドラマ制作者はリアリティーを大切にして、様々な職業や企業のプロたちを唸らせ感動させてほしいし、そうしたドラマが多くの人たちに支持されるのだと思います。
そして、何よりもトラマの良し悪しを決定づけるのは脚本です。脚本家は、より企業研究に励んでほしいと思います。
ちなみに、私の妻が視聴しているテレビ朝日の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」はリアリティーがあって面白かったと話していました。
TBSの日曜劇場で社会的なブームにもなった「半沢直樹」は、セリフなどは誇張しながらも、満遍なく銀行のあるあるが楽しめるドラマでした。
そんなドラマを期待し、応援歌としたいと思います。