早期退職のための資産形成には落とし穴がある
資産形成の絶対的な方程式とは?
大手企業を中心に中高年のリストラが相次ぎ、サラリーマンにとっては精神的な不安が高まっています。
精神的不安と会社に縛られる不自由な人生。「若くして副業に成功して独立したい」と考えるサラリーマンが増えるのは無理もありません。
しかし、どんな副業であっても、長年にわたって生活を支える安定収入になるかといえば、「ノー」と言わざるを得ません。
早期退職した後、経済的な不安を感じることなく自由に生きるためには、いつでもキャッシュ化できる金融資産と、貯蓄の目減りを軽減する副収入(副業)のバランスが大切になってきます。
ですから、今回は、退職後に無収入になっても20年前後は生きていけるだけの金融資産をどうすれば貯めることができるのか、私の経験を交えながら考えたいと思います。
まずは、金融資産を増やすために必ず抑えておきたいのは、お金を貯めるための絶対的な方程式です。
- 収入ー支出=余剰分が金融資産
収入から支出を差し引いた残り分が金融資産として貯まってゆくという当たり前の方程式ですが、金融資産を倍速で増やす際に意識せずに生活している人が大半のように思えます。
それは、どういうことか?
収入を増やして支出を減らすには大原則がある
毎月の支出を減らせば、余剰金が増えるのは当然です。
しかし、安売りの食材を探したとしても、食費の節約金額は微々たるものです。
「チリも積もれば山となる」とはいっても、節約によって、数十年間無収入でも生きていけるほど金融資産が貯まるわけではありません。
むしろ、節約ストレスから消費のリバウンドを招く恐れがあります。
ですから、苦痛を感じず、時間も浪費しない節約を心がけることが重要です。
私が重視してきたのは、次の3点です。(カッコ内は節約金額)
- 金利の高い住宅ローンの借り換え(月間約8万円)
- 格安SIMを利用するなど通信料金の見直し(月間約5000円)
- 各種保険料の解約や見直し(月間約3万円)
上記の3点が、私が取り組んだなかで、最も効果的で生活に苦痛を感じない節約項目でした。
にもかかわらず、月間11万5000円の節約でした。
上記の3点には共通項があります。
それは、いずれも毎月の固定経費であるということです。
まずは固定経費を見直せば、知らないうちに支出が減っているので、本当に苦痛やストレスを感じることはありません。
このほか、マイカーも駐車場代や車検費用、自動車保険、ガソリン代など車両保有に伴う経費はバカになりませんから、マイカーを手放すことをすすめる人がいるかもしれません。
ただ、マイカーを手放すことによって、家族の思い出作りや日常生活が不自由になるのであれば、私は無理をする必要はないと考えています。
ちなみに、我が家はマイカー2台を保有していましたが、それは「いまの人生を大切にすることも重要だ」と考えていたからです。
節約は、ほどほどでいいのです。
収入増対策は節約以上に重要な資産形成術
金融資産を減らさないための大原則
節約して大金持ちになった人は聞いたことがありませんが、収入を増やして大金持ちになった人は世の中に数えきれないほど存在します。
つまり、金融資産を増やすには節約よりも収入の増加に全力を傾けることが重要だということを意味しています。
ただ、収入を増やすつもりで副業や投資に手を出したものの、逆に資産を減らす結果になった人が少なくないのも事実です。
では、どうしたらいいのでしょうか?
私自身が自分に課した株式投資の大原則があります。
- ネット証券のみで運用する
- 余裕資金で投資する
- 金融資産の10%以上は投資に注ぎ込まない
- 最初は少額資金で各種投資を勉強する
- 株価が2倍になったら半分売却して原資を回収する
- 残った株式は長期保有し配当収入を受け取り続ける
退職金を受け取ったサラリーマンが銀行や証券会社に運用の相談に行って退職金の多くを失ってしまったという話はよく聞きます。
それは当然です。
銀行員も証券マンもFP(フィナンシャルプランナー)も決して運用のプロではありません。彼らは営業のプロなのです。
ですから、お客さんに買わせるセールストークに長けた人たちに相談すること自体が間違っているのです。
むしろ、自分でネット証券に口座をつくって手数料の安い金融商品を自由に選ぶことを心がけることが大切です。
それ以上に重要なことがあります。
資産運用の前に必ず心がけるべきこと
私は40代前半に株式投資など本格的に資産運用を勉強しました。
最初は100万円程度の少額資金です。しかし、それは儲けることよりも勉強するための研究費のような感覚でした。
100万円を投資して年利5%で運用できたとしても利益はせいぜい5万円です。しかし、1億単位の投資ならば、500万円の利益です。
つまり、投資はある程度、まとまった資金がなければ、旨味は薄いものなのです。
ですから、資産運用はほどほどに、最も力を入れたのがブログやサイトなど広告収入です。
ブログに必要な経費は数千円から1万円ほど。それでいて青天井で稼げる可能性があるのですから、資産運用よりは圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。
実際、ブログを始めて4年目に年収1800万円を超えたとき、副業の凄さを実感したものです。
同時に、その副業収入こそが株式投資など資産運用に活用すべきお金だと考える「余裕資金」でもありました。
余裕資金を運用したので日々の株価変動に一喜一憂する必要もありません。
年に1度、銘柄の組み替えを行った程度でしたが、それだけでも累計1000万円程度の利益を確定し、いまなお毎年、株式配当を振り込んでくれる「不労所得」となり続けています。
金融資産を貯めて早期退職したいま、「副業ブログ→余裕資金の発生→投資」という順番で資産形成を考えたのは正解だったと考えています。
その意味では、ブログは収入を増やす施策の基本だったと言っても過言ではありません。