ユーチューブの登場で視聴習慣が変わった
ジャパンドリームの体現者・ヒカキン(HIKAKIN)から始まった
最初は、どこかのサイトで推定年収が数億円のユーチューバーがいるという情報に接したのがきっかけでした。
それはヒカキンさんという20代ユーチューバーでした。
お店の品物を大人買いしたり、オプションてんこ盛りの高価なiMAC proを購入したり、4K動画が撮影できるパナソニックのミラーレス一眼GH-5を買って映りを試したりと、様々な企画で視聴者を獲得し、番組登録者数は1000万人を超える人気です。
新潟から上京し、スーパーで働きながら動画配信を始めたということですから、まさに現代版ジャパンドリームの体現者といっていいでしょう。
そのヒカキンさんの動画に飽きたら、次はサンフランシスコに住むソフトエンジニア・drikinさんの動画に見入る日々が始まりました。
ユーチューブは才能の宝庫だった
彼はカメラやパソコン、その周辺機器などガジェット系ユーチューバーです。次から次へと買い集めることから「散財王」とも呼ばれています。
様々なガジェットを購入しては「いい買い物ができた」とドヤ顔で紹介し、その使い勝手を探求する姿はコミカルなのですが、知識量も豊富でとても参考になります。
その他にも、高校卒業後、悪性リンパ腫に罹患し、抗がん剤治療を終えたあと、「好きなことをして生きよう」とカメラマンになった仲道雄大さん。
福井に住み続けながら様々な商品・サービスを面白くレビューする登録者数100万以上のカズチャンネルのkazuさん。
また、日本人旅行者に注意点やおすすめのお店など紹介してくれるタイ在住で、ちょっとイケメンのTJさん。
ユーチューブ配信しながら月10万円生活を実践する里チューンさんなど、ユーチューブには数えきれないほどのキャラクターが存在します。
そうそう忘れてはいけないのが、横浜国立大卒の理系女子ゆきりぬさんです。登録者数は80万人以上。「ピースの角度は30度、どうもゆきりぬです」という冒頭の挨拶のリズム感が抜群です。
テレビとユーチューブの視聴時間が逆転した
もともと私が娯楽を楽しむ映像メディアはテレビでした。
しかし、今年初めごろから、すっかりユーチューブの視聴時間が増え、最近は逆転しました。
というのも、テレビは横並び的・画一的な番組内容が多く、一方のユーチューブはコンテンツの内容が多彩です。
ユーチューブは、いま自分が知りたいことに即座に答えてくれるメディアでもあります。
例えば、ソニーのフルサイズミラーレスカメラα7Ⅲの性能を知りたいと思ったら、購入したユーチューバーのレビュー動画でα7Ⅲの性能を知る事ができます。
ほとんどの動画が宣伝費をもらって作られたコンテンツではないため、ユーチューバーたちが本音で性能や欠点を評価しています。
何作り込まれていない分、動画の内容はドキュメンタリー的で真実味も感じます。
ユーチューブの可能性と大きな課題
テレビはニュースやドラマの質と量で優位に立つが・・・
ただ、私の視聴習慣のなかで、テレビがまだ優位に立っている分野もあります。
それは地震や台風などニュースです。
テレビは圧倒的な制作費をかけて、多くの記者やカメラマンを投入しています。
ですから、即座に一次情報を取材し、分析し、伝える力は、まだまだユーチューブは及びません。
しかし、大手メディアが新興メディアに力を削がれた例は、最近、新聞とインターネットがあります。
新聞は限られた記者だけが記事を発信できるメディアですが、個人がブログやサイトで情報や解説を発信するにつれ、新聞の発行部数も減少していきました。
特定の記者が発信するメディアが、大衆メディアに圧倒されたのです。
果たして、ユーチューブもテレビの視聴時間を奪う日が来るのでしょうか?
ユーチューブ動画の可能性
私がいま、ユーチューブに感じる魅力を要約すると、次のようになります。
- ユーチューバーの素人っぽさが新鮮
- コンテンツの幅が凄く広い
- テレビよりも知識を得られる
- 10分程度のコンテンツが多いので手軽に見れる
ユーチューブが面白いのは、ありとあらゆる知識や経験を持っている人たちが、分かりやすく伝えてくれる大衆性と多様性があるからです。
今後、そうした才能(タレント)がどんどんユーチューブで動画配信するようになれば、画一的で保守的なテレビ番組に魅力を感じなくなる人達が増えるのではないでしょうか?
そのとき、ネットが新聞の力を削ぎ落としたように、動画配信のプラットフォーム・ユーチューブが同じ歴史を築くかもしれません。
ユーチューバーの評価は登録者数かコンテンツの質か
ユーチューブは、2018年2月20日から、ユーチューバーに対する報酬条件を変更しました。
その変更内容に、多くのユーチューバーは驚きました。
- チャンネル登録者が 1000 人以上
- 過去 12 か月間の総再生時間が 4000 時間
要するに、登録者数が1000人以下のユーチューバーは報酬がもらえないということです。
しかし、登録者数が少なくても、コンテンツ内容が良質で、知識・経験に優れているユーチューバーも少なくありません。
お金がすべてではありませんが、ユーチューバーのモチベーションを高めているのは間違いありません。
登録者数や総再生時間が収益化の基本的な条件では、多彩な才能が配信を始めようという気分を削ぐことになりはしないかという点が懸念されます。
たとえ、登録者数が少なくても視聴者に役立つ動画を配信しているユーチューバーに報いる方法がないのか再考してほしいものです。
ユーチューブにとって、最も重要な資産はユーチューバー個々人の才能です。
その個々人をどれだけ大量に、しかも幅広く取り込む事ができるのか、そこがテレビとの時間の奪い合いを制するカギのような気がしています。