貯めるべきは金融資産!不動産は当てにしないことが重要
早期退職後に自由になれる経済的基盤は2種類ある
前回は早期退職を目指した際に、どんな副業に取り組んで、その成果はどうだったのか、私自身の経験談をお伝えました。
早期退職するには、リタイア後に無職であっても悠々自適に暮らしていける経済的基盤が絶対に必要です。
経済的基盤がなければ、バイトなどで生活費や小遣いを補填する必要が出てくるため、結局はお金に支配される生活になるからです。
サラリーマン時代は嫌な仕事や上司の命令でも生活のため、お金のために我慢していたのです。
ところが、早期退職後もお金のために我慢して働くのなら、むしろ、給料の高い以前の会社に止まっていた方が良かったという気持ちにもなりかねません。
心の自由を獲得するためには、手段として経済的基盤は不可欠なのです。
では、経済的基盤とは何でしょうか?
- すぐに現金化できる金融資産
- 趣味など楽しみながら得られる収入
大別すると、上記のふたつが心の自由を保ちながら生活できる経済的基盤といえます。
これまでは二つ目の「趣味など楽しみながら得られる収入」、たとえばブログなどの重要性を説明してきましたが、今回は「すぐに現金化できる金融資産」の目標金額について考えてみたいと思います。
目標資産は現金と株式で設定するのが賢明!不動産は除外すること
早期退職後に重要なことは不動産資産を除いて「すぐに現金化できる金融資産」を貯めるということです。
不動産はお金さえあれば、買うのはいとも簡単です。
しかし、立地条件など魅力的なポイントがなければ、売却はとても時間を要するものです。
現金化しづらい代表的な資産が不動産です。
どんなに不動産資産家でも現金がなければ、いざという時に貧困生活を強いられます。
大規模な不動産を保有しながら、貧しい生活に追い込まれている人は少なくありません。
なぜなら、家賃収入が少なく固定資産税が高いために現金がないからです。
お金持ちが海外旅行に行った際、多額の日本円を持っていてもカードや現地通貨を保有していないためにひもじい思いをするのに似ています。
一方、株式は証券口座で簡単に現金化できます。ですから、準現金とみなして差し支えないと考えています。
ですから、早期退職を目指す際には現金や株式を目標金額を設定するのが賢明です。
早期退職に1億円の貯金は必要か?
金融資産の目標額は退職年齢や年金受給額で異なる
私の場合、幸いにも早期退職時に1億円以上の金融資産を貯めることができましたが、果たして1億円もの貯蓄がなければ早期退職できないものなのでしょうか?
そんなことはありません。
早期退職した年齢や予想される年金額、それぞれの生活水準や生活環境によって、当然、異なってきます。
例えば、20〜30代では平均余命は50〜60年あります。
毎年400万円前後の慎ましい生活でも2億〜2億8000万円は必要になります。
30歳で早期退職して自由に生きていく場合、公的年金は微々たる金額で当てにはできません。
ですから、1億円の貯蓄があっても一生安泰とはいえません。
一方、50歳で早期退職した場合は、相当、様相が異なってきます。
平均余命は30〜40年。年間400万円の生活水準で、必要な生活費は1億2000万円〜1億6000万円が必要になります。
50歳前後の退職ならば、ある程度の退職金や夫婦の年金も期待できます。
その退職金や年金受給額を差し引いた分が自分で貯めるべき金融資産ということになります。
30代よりも50代の方が準備すべき金融資産は少なくて大丈夫なため、当然、早期リタイアのハードルは低くなります。
かねてから、私が「早期退職は50代が理想的だ」と申し上げてきたのは、若い頃にフリーランスになるよりも、サラリーマンの副業が経済的な基盤を安定的に構築できるからです。
私が金融資産の目標額を1億円に設定した理由
私は早期退職を目指すにあたって、金融資産の目標額を1億円超に設定しました。
おそらく自分が死ぬまで使い切ることはないと思いますが、では、なぜ、1億円超を目標にしたのでしょうか?
理由は次の3点です。
- 高めに目標設定した方が最終到達点が高くなる
- 1億円という数字はキリが良い
- 使い切れない金額の方が心の余裕を持ってリタイア生活を送れる
とくに、1番目の「高めに目標設定した方が最終到達点が高くなる」というのは、実際、自分で実践してみて、途中で慢心することなく副業や貯蓄に取り組むエネルギーになりました。
その結果、現在は経済的な不安を感じることなく自由な生活を送れているわけですが、もう一点、重要なことがあります。
それは、貯蓄が目標の金額に到達しなくても、給料のほかに副収入を得るために始めた副業が順調ならば、早期退職は十分可能だということです。
とくに、50代であれば、年金の支給年齢まで、さほど遠くはありません。
最悪の場合でも、近い将来、年金という命綱が控えています。
ですから、金融資産の目標額もさることながら、給料以外の副収入をいかに増やすかということに注力すれば、より柔軟に人生を選択することが可能になります。
大切なことは、人生の後半は自分が思い描いていた生活や自分が自由にやりたいことを必ずやるんだという意思と姿勢を継続することだと考えています。