超人気の「副業するならカメラマン」を読んで分かったこと
ノウハウ本「副業するならカメラマン」が人気の背景とは?
厚生年金に加入しているサラリーマンでも2000万円不足する。
こんな試算が世の中に広まるにつれ、副業や投資に取り組む人たちが増えています。
そんななかで、いま人気となっている副業のノウハウ本があります。
それは以前にも紹介した「副業するならカメラマン」です。
この本が人気なのは「カメラ歴0日でも大丈夫!1日2時間の仕事で、テクニックもセンスも不要で、月収100万円」という触れ込みに、ちょっと読んでみたいという人が多いのだと思います。
多くの人が、稼げるカメラマンになるためには特別な技術やセンスなど才能が必要だと思い込んでいるからです。
「スマホでしか写真を撮ったことがない私でも、本当に商業カメラマンになれるの?」
半信半疑でこの本を手にした人も多いと思います。
私もその一人でした。
しかも、「1日2時間程度の副業でも相当稼げるカメラマンになれる」というので、私も読んでみました。
結論からいうと、この本には新鮮な驚きがありました。
プロカメラマンに必要不可欠な秘訣が網羅されたノウハウ本
本書は「カメラ歴0日でも稼ぐカメラマンになれる全ノウハウ」というだけあって、単にカメラの技術論だけではなく、顧客の獲得方法が詳細に紹介されています。
自分から営業するのではなく、facebookなどSNSを活用することで顧客からの値引き交渉を避けるコツなど副業や独立に最も重要なお金の問題にページの多くが割かれています。
有名なブロガーやユーチューバーが販売する情報商材(電子書籍)は2万9800円などと驚くほどの高値ですが、本書は1620円(執筆時現在のアマゾン価格)です。
いかに情報商材は暴利かということです。
この「副業するならカメラマン」を読んで、次の3点が重要だと感じました。
- 高価なカメラではなく数万円のカメラでも顧客に喜ばれる写真撮影は可能なこと
- 自分から営業しなくてもSNSなどネットを活用して集客できること
- カメラマンという副業はサラリーマンでも十分稼げる分野であること
これからカメラマンという副業を考えている人には目から鱗の話が満載されています。
まずは技術面。最近は廉価なカメラでも十分に高機能で高性能です。
絞りやシャッタースピードを全オートに設定して撮影すれば、プロが撮った写真なのか、アマチュアの写真なのか、素人(顧客)には見分けがつかないものです。
さらに、プロカメラマンが口を揃える点なのですが、プロに必要なのはカメラ技術よりもお客さんを獲得する集客力や営業力という点です。
その方法について、SNSを利用したり、驚愕のキャンペーンを実施した経験談など、実践的な方法論が詳しく述べられています。
多くは、著者自身の体験や生徒たちの経験に基づく話なので、再現性の高いノウハウ本なのかもしれないと感じました。
しかし、私は、それ以上に感心した点があります。
それは何か?
カメラマン以外にも通じる副業を目指す本質論が書かれている
時間・場所・お金の自由を手にする重要性が強調されている!
ノウハウ本は、書かれている内容以上に、どんな人が書いているのかという点が重要です。
本書の著者は、カメラマン養成所「カメラマン全力授業」代表の小椋翔(おぐら・しょう)さん。バンドマンや飲食店経営、貿易会社の起業、フィットネスクラブの経営など、あらゆるビジネスを経験し、多額の借金を抱え、苦し紛れに最後に行き着いたのがカメラマンでした。
まずは、アマゾンに書かれている詳しい経歴を紹介します。
小椋 翔(おぐら・しょう)
カメラマン養成所「カメラマン全力授業」代表。株式会社コトノ葉代表取締役。1983年、大阪府八尾市生まれ。2001年、近畿大学文芸学部芸術学科演劇・芸能専攻コース入学。2010年、株式会社コトノ葉設立。世界中を旅する3児のパパ。
バンド「コトネイロ」でデビュー(現在もカラオケに入っている)。貿易業務の会社を起業するも、納品物の瑕疵によって数千万円を請求される。連帯保証人契約により、自分が死んでも請求が家族にいってしまい「死ぬに死ねない状態」を経験する。そのとき、わが子を撮影するために購入した3万円のカメラ1台で、そのまま写真館をオープンし、その後に出張撮影を開始。全国どこにでも出張する撮影サービスとして好評を呼ぶ。そこからフィットネスクラブ、飲食店を開業し従業員を多い時に30人以上まで増やす。2017年、カメラマンを育成する「カメラマン全力授業」を全国で開始。たちまち人気講座となり、受講生の中には月に100万円以上を稼ぐカメラマンも多数輩出している。(出典:アマゾン)
経歴にもあるように、貿易事務の会社を起業し、あっという間に年商7000万円を売り上げました。しかし、ある日、商品に瑕疵があったと数千万円を請求され、どん底生活に転落します。
途方に暮れるなか、救ってくれたのが子供を撮影するために買っていた3万円のカメラでした。
そのカメラを使ってカメラマンとして稼ぎ始め、月収200万円を達成。現在は年商1億円のカメラマン養成所の代表というわけです。
本当に好きなことで生きていくために必要なことは?
著者の小椋さんは「成功者」を次のように定義づけています。
「目標を達成して自分の望む人生を送っている人」
決してお金持ちになることを推奨した本ではありません。
むしろ、お金は好きなことをするための手段であり、決して目的ではないと強調しています。
ですから、よく見かける「脱サラして年収数億円」などといった脱社畜ノウハウ本ではなく、サラリーマンを続けながら年収1000万円を実現する方法を提案している点が好印象でした。
現在のような不透明な時代は、会社を辞めてフリーランスに舵を切ってしまうのは、あまりにも危険です。
むしろ、サラリーマンの副業からスタートし、その副業に確かな手応えを感じてから独立するのか、兼業のままで継続するのか判断しても遅くはありません。
著者が説いているのは、ワクワクする仕事、ワクワクする人生を送るということです。
「もし今、あなたが余命3ヵ月と言われたら、どうしますか?」
こう問いかけています。
自問自答することで、人生の本当の目的や意義、何よりも自分が本当にやりたいことが見えてくるはずです。
いまの会社に勤めながら人生を終えたいと思うのなら、現在の仕事に魅力や意義を感じているのです。
逆に、明日から会社を休みたいと思うのなら、生活のためだけに会社に通っていることになります。
そして、余命3ヵ月のうちにやりたかったことがあるなら、それが本当に自分が心底やりたいことなのです。
サラリーマンが副業で給料プラスαの副収入を目指すのは、まさにワクワクする人生を送るための手段(資金)を手にするためです。
本書はカメラマンにフォーカスを当てていますが、カメラマンだけでなく、どんな副業に取り組む人にも必要な人生論が盛り込まれていると感じました。