単なるバラマキだったのか?孫社長のPayPay100億円キャンペーンとZOZO前澤社長100万円あげちゃう企画の損益と影響を考察した

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金持ちがおカネをばらまいて人々の心を動かす時代

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格差の時代を象徴したようなキャンペーン

日本はかつて「1億総中流社会」と言われましたが、いまでは「中流」がすっかり減って貧富の差が激しい「格差の時代」となりました。

そんな格差の時代を象徴するような出来事が、昨年暮れから年初にかけて世の中の注目を集めました。

ひとつは昨年暮れにヤフーとソフトバンクが出資する会社が仕掛けたQRコード決済サービス「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」。これはソフトバンクの孫社長が中心になって考案した企画のようです。(参考:News Picks

出典:News Picks

ZOZOの前澤社長はポケットマネーをばら撒いた

もうひとつは、年始にZOZOの前澤友作社長が自身のツイッター告知をリツイート(再投稿)した人のうち、100人に現金100万円をプレゼントする企画です。

これは前澤氏のポケットマネーを使用した企画なので、「Pay Pay」のキャンペーンとは枠組みは異なりますが、一般国民からすれば、お金をばら撒いてくれることには変わりありません。

どちらも中途半端ではない、多額の現金バラマキだったため、大手メディアも大々的に報じ、それを知った多くの人たちがキャンペーンに参加しました。

バラマキ企画の効果は絶大

昔風にいえば、二人とも一代で巨万の富を築いた、いわゆる「成金」です。

成金の一般的なイメージは金品を身につけて金持ちアピールして承認欲求を満たそうというものですが、今回の二人の行動はビジネスライクな計算を感じます。

集客の手段として、お金をストレートに利用しました。

とくに、ツイッターやフェイスブップなど個人メディアで情報が素早く伝達される時代になったため、現金バラマキ企画の効果は絶大でした。

まず、「PayPay」の「100億円還元キャンペーン」。利用者が殺到して、わずか10日間で終了しました。キャンペーンは190万人もの利用者を獲得しました。

一方、前澤社長のリツイートした100人に100万円プレゼント企画。リツイート数が世界記録を更新し、最終的にはフォロワー数が500万人を超える成果でした。

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おカネのバラマキ企画がもたらしたもの

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おカネのバラマキ戦略の収支は?

「PayPay」は、クレジットカードの不正使用被害が多発したほか、年明けには規約違反などでボーナス付与が取り消され絶望する声が相次ぎ、決して後味が良いものではありませんでした。

ただ、最近の企業PRで、今回の「PayPay」キャンペーンほど話題になったものはありません。その意味では、当事者たちは最初のサービスを宣伝する手法としては成功だと総括しているはずです。

前澤氏の企画も終了後に大量にフォロワー数が抜け落ちました。それでも、最終的には560万人以上のフォロワーが残っています。1億円の原資で500万人余りを集客したと考えれば、コストパフォーマンスは悪くはありません。

しかし、おカネをばら撒くキャンペーンに対しては、「品がない」「お金で心を弄ばれているような気がする」など批判も少なくありません。

確かに、私も同じ感情は持ちます。

しかし、凡人では思いつかない下品さがあるからこそ、誰もが驚き、注目したともいえます。せっかくなら、一人につき1億円とか、年末ジャンボ宝くじがますます人気薄になるくらいの夢のある金額なら、より一層インパクトがあったと思います。。

常識的なことを常識的にPRしているのでは、テレビCMや新聞広告と変わりません。おそらく、あれだけの成果は出なかったと思います。

バラマキ集客で一番焦ったのは広告代理店なのではないか?

今回のキャンペーンは、いろいろ荒削りな点や準備不足な点が見られましたが、今後、よりブラッシュアップされた同種のキャンペーンが登場する可能性があります。

これまで企業の商品・ザービス広告は大手広告代理店に数億円の予算を渡して、そこから制作費や代理店の手数料を支出していました。

しかし、その費用を消費者に直接渡した方が宣伝効果があるのではないかという戦略が増えてくるかもしれません。

実際、企業の営業部と宣伝部、法務部、総務部が連携すれば、簡単にできるPR方法です。多額の予算をかけてCM素材を制作する必要もありません。

Webやブログ、ユーチューブの出現によって、新聞・テレビなど大手メディアが独占していた広告費がブロガーやユーチューバーに配分されるようになりました。

今度は、企業が広告代理店に支払う手数料を一般消費者に配った方が効果的だと判断した場合、企業の宣伝PR行動が変化する可能性があります。

その意味では、孫・前澤両氏が打ち上げたバラマキキャンペーンは、様々な可能性を内包した行動だったとも感じています。

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