私が東京と京都の不動産を買わなかった理由
私もハマりそうになった不動産投資
私は不動産投資をやっていましたが、早期退職する1年前に物件を売却し、現金を手にリタイア生活に入りました。
現金は邪魔になりませんし、不動産のようにメンテナンスの必要もありません。不動産では豆腐も買えませんが、現金があれば買うことができます。
つまり、現金があれば飢え死にすることはありません。
ただ、私は都心近くの駅徒歩2分という物件を貸していたので、空室に困ることもなく、20年余り、苦労のない不動産投資でした。
しかし、10年ほど前、マンションやアパートを一棟ごと購入して、不動産投資の拡大を考えたことがありました。
そのころは、帰宅後や週末になると、ネットサーフィンして全国の物件を調べることに熱中しました。
実際に自宅近くに完成した新築アパート物件を見学したり、観光地として発展しそうな京都市中心部の物件を不動産業者に電話で問い合わせたこともありました。
東京も京都も土地勘があったので、自分でも不動産投資に成功する自信がもあったからです。
あるメガバンクからは2億円程度であれば融資可能だとも聞いていたので、自分の信用力を最大限利用したいという気持ちにもなったものでした。
要するに、気が大きくなっていたのです。
しかし、最終的には不動産投資を拡大するのは中止しました。
それはどうしてか?
私が不動産投資の拡大を断念した理由
私は自宅近くの新築アパート物件は土地130㎡余りで価格は9000万円でした。
土地は綺麗な長方形や正方形ではないのですが、人気地域でもあり、やや割安にも感じました。
そこで、私が普段から親しくしている不動産業者に利回りや物件価格の妥当性を調べてもらったところ、逆に「ちょっと割高」という診断でした。
仲介業者と価格を交渉しましたが、納得できる価格まで下がらなかったので、最終的には無理に買うのはやめました。
ただ、いまは地価が上昇しているので、きっと1億円以上になっているでしょう。
一方、京都の物件も購入を取りやめました。
不動産物件を遠隔操作するのは、いろいろと煩わしいことも多い上に、不動産会社に管理を痛くすると、その手数料がかさんで利回りとしては魅力が薄れると考えたからです。
自分の信用力を最大限利用することなく、早期退職したわけです。
不動産投資を拡大しなかったのは正解だったのでしょうか?
不動産投資で人生が暗転しがちな3タイプとは?
自分の信用力を過信すると落とし穴にはまる
当時、購入を断念した物件は東京と京都の人気地域にあったので、おそらく現在は資産価値が大幅に上昇しているはずです。
当時の私の信用力からすると、買うのは簡単です。
しかし、不動産投資は、資産価値よりも日々入金される家賃収入が重要です。
銀行からの融資利回りや税金・管理費など総経費に対し、家賃収入が安定した利回りになっていたかどうかは分かりません。
当時はすでに40代でしたから、借金を増やすことよりは現金化しやすい資産に移行することも考えていました。
その意味では不動産は株式や投資信託などよりも現金化が難しい資産でもあります。
借金残高を増やして現金化の難しい資産を積み上げることが、早期退職して自由な人生を実現するうえで得策なのか慎重に考えました。
同時に、早期リタイア生活で不動産投資に関係するトラブルに忙殺されるのも避けたい気持ちもありました。
現在、金融資産や不動産資産に関連するトラブルが全くないので、結果的には投資を拡大しなかったのはよかったと思っています。
不動産業者が語った悪質業者が狙うタイプ
私の不動産を管理していた会社は、その社長が20代の頃から付き合っていた人たちでした。
そのため、申し訳ないほど格安料金で管理してもらっていました。
その彼らが率直に語った不動産で人生を間違う人のタイプについて、ご紹介したいと思います。
悪質業者は次の3つのタイプだと、俄然、頑張ります。
- 大手企業や公務員など銀行融資を弾きやすい高属性の人
- 年収が高い医者
- 土地資産を保有している地主
つまり、失うものを持っている人が狙われるのです。
こうした人は他人を信用しがちで忙しいため、業者に任せてしまいがちです。
ですから、割高なダメ物件をはめ込まれる恐れがあります。
逆に、信用力の弱く土地資産もない人は、奪われるべきものが少ないために、悪質業者に狙われる確率は低いと言えます。
しかし、最近の不動産投資をめぐる事件を見ると、所得の少ない人の預金通帳を改ざんして高所得に見せかけるなどする超悪質業者も判明しました。
不動産業者も誰かに物件を売れないと食っていけない人たちです。
苦しくなると、どさくさ紛れに、なんでもありの世界に足を踏み入れる恐れがあるのです。
不動産投資は成功すると安定的な収入をもたらしてくれるのは間違いあありません。ですから、株式投資家でも最後は不動産に行き着くものです。
しかし、不動産投資の失敗は他の投資以上に、人生を暗転させる力が強いを持っていることを留意する必要があります。