インフルエンサーがカネになる時代が本格的に到来した
インフルエンサーの源流はカリスマブロガーだった
ブログの普及とともに世の中に定着した言葉があります。
それは「インフルエンサー」です。
インフルエンサーの源流は、多くの読者を持つカリスマブロガーが登場し、そのカリスマブロガーが「口コミ」として紹介した商品やサービスが売れる現象を見て、企業が宣伝戦略に活用したのが始まりでした。
インフルエンサー (英: influencer)は、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと。その様な人物の発信する情報を企業が活用して宣伝することをインフルエンサー・マーケティングと呼んでいる。(出典:Wikipedia)
企業が本格的にインフルエンサー・マーケティングに乗り出したのは2010年ごろと記憶しています。最近は有名人やタレントに加えて、YouTubeの登録者数やツイッターやインスタグラムなどSNSで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーが注目されています。
インフルエンサーに潜む危険性とは?
私もカメラやレンズを購入する際に、ユーチューバーの動画などを参考にすることがあります。
一方で、インフルエンサーが自身の影響力を利用して、若い人たちを有料サロンに呼び込んだり、情報商材を販売している人たちもいます。
有用な情報を提供しているのなら問題はありませんが、サロンや情報商材はおカネを払ってコンテンツを見ないと、その価値が分からないという問題があります。
インフルエンサーに魅力を感じるあまりに、商品やサービスの中身に不透明感があっても財布の紐を緩める人たちも少なくありません。
しかし、そのインフルエンサーに危険な部分も露見しています。
それは「盛る」文化です。
盛るインフルエンサー・ビジネスには要注意!
私が「盛る風潮」を知ったのは若い女性社員がきっかけだった
私がリタイアする前、入社したばかりの若手女性社員から、スマホで自撮りした写真を見せられたことがあります。
彼女はとても綺麗に写っていました。というよりも、実物とはかけ離れた美しさでした。
「どうですか?きちんと盛れていますか?」
彼女から感想を聞かれたのですが、当初、「きちんと盛れていますか?」という言葉の意味が分かりませんでした。
私が返答に窮していると、彼女は、実物よりも綺麗に撮れるアプリがあり、実物以上に綺麗に写っていることを「盛る」と言うことを教えてくれました。
「盛る」ことを恥ずかしがらずに、むしろ嬉しそうに説明する姿が印象的でした。
リタイア後、その「盛る」という言葉を私は意外な場面で目にすることになりました。
「2~3桁億円をメインとしたM&Aコンサル会社」で炎上
今年1月、有名ブロガーのイケハヤさんと、ブロガー兼作家・はあちゅうさん、、そしてM&Aコンサル会社代表取締役の正田圭さんが主催し、有料の「脱社畜サロン」をスタートしました。
参加費は月額3000円。当初、サロンには3000人が集まりました。参加費を合計すると、月商900万円のビジネスです。
ところが、このサロンの主催者・正田圭さんについて、作家兼YouTuber・えらいてんちょうさんが「自称連続起業家・正田圭氏の経歴に重大な疑義」と題して問題提起しました。
正田氏のプロフィールは「2〜3桁億円をメインとしたM&Aコンサル会社」と明記されていました。普通に解釈すると、数十億円から数百億円のM&A実績があると読めます。
しかし、えらいてんちょうさん(慶應大学経済学部出身)が外資や金融系M&A、証券系M&A、独立系M&A、ファンドの専門家らに取材したところ、「正田圭という名前は聞いたことがない」と口を揃えたということでした。
えらいてんちょうさんは「正田圭さん、単刀直入にいって、あなた儲かってる風の雰囲気だして信者つくって、信者から集金することで儲けるタイプの人とちゃいますか?」と直球を投げたわけです。(えらいてんちょう氏の指摘詳細)
当初、正田さんは「誹謗中傷」「悪質な嫌がらせだ」と法的措置もチラつかせ、イケハヤ氏もえらいてんちょうさんを非難していましたが、問われた疑問に答えようとしなかったことから疑惑が広がり、火に油を注ぐ結果となりました。
賢者はインフルエンサーに決して騙されない
過去に2〜3桁億円の実績はなかったことが判明した
えらいてんちょうさんは一歩も引かず、むしろ法的措置を要求するなど決闘も辞さない姿勢を示し続けました。
すると、正田さんはは「3桁億のM&Aをやったのかって僕が問い詰められてますが、2〜3桁億のM&Aがメインとプロフに書いてあるだけで、決めたとは言ってない」とトーンダウン。経歴を盛っていることが明らかになりました。
最終的には、正田さんが脱社畜サロンから撤退。そのお知らせの中で、経歴詐称疑惑について「一部、 誤解を招く表現があったり、説明不足だった点、本当に申し訳ございません」と謝罪しました。
インフルエンサーがおカネを生み出す時代です。今後、自分を実態以上に大きく見せようと、経歴を詐称する人たちが増える可能性があることを印象付ける出来事でした。
重要なのは実勢を盛ったインフルエンサーを見極める力
若い女性が自分だけが楽しむためにアプリで容姿を盛る行為はかわいいものです。
しかし、おカネが動くビジネスを展開する際に、実態以上に実績や経歴を盛るのは悪質と言わざるを得ません。
今回の場合、えらいてんちょうさんのように取材し疑惑を突きつける人がいたので、実態が明らかになりましたが、いつも、こうした賢者に依存してばかりもいられません。
我々一人一人が信頼できるインフルエンサーなのか見極める目も必要です。
今後、こんなインフルエンサー・ビジネスが横行しそうです。
- SNSやYouTubeで「私はインフルエンサーになって●億円稼いだ」と宣伝する
- フォロワーが増えてきたら「インフルエンサーになれる秘訣を教えます」と告知する
- その秘訣を学べる「サロン」や「情報商材」を提供し、若い人たちからおカネを集める
- しかし、参加者の多くはインフルエンサーにはなれない
- ただ、参加者はインフルエンサーになれる方法を売ったらビジネスになることに気づく
- SNSやYouTubeで「私はインフルエンサーになって●億円稼いだ」と宣伝する
- フォロワーが増えたら「インフルエンサーになるコツを教えます」と告知する
- エセインフルエンサーが情報商材を売ってカネを集める
こんなことが起こったとしたら、まさに騙しの連鎖です。
実際、会社を辞めて自由とおカネを手にしたと称する人たちが、その秘訣を教えるといったツイートが氾濫しています。
若い人たちには、怪しげなものを見極め、決して騙されない力も、豊かで自由に生きるために欠かせない能力ということを肝に命じて欲しいと思います。
コメント
こんばんは。
こういうのを見聞きすると、ネット上の情報にいかにフェイクが多いか実感できますね。まぁリアルの世界でも嘘は随分まかり通っていますけどもね。困ったもんです。
パルタ7さん こんばんは
最近、ネット上で他人を騙しても儲けた者勝ち的な拝金主義がはびこっているような気がしたので記事にしてみました。コメントありがとうございました。