消費者庁がスマホ広告の表示に異例の注意喚起!
スマホの安売り広告にはくれぐれも要注意
「大特価商品1080円」「期間限定○月○日まで10000円!」「新規限定1円」
最近、スマホの安売り広告をよく見かけます。
あまりの安さに心を奪われ、販売店に聞いてみると、いろいろな有料オプションの加入や、どうみても割高な通信料金の契約が必要なケースがほとんどで、最終的には全く安売りではないことが少なくありません。
こうした”誤解商法”には、高齢者ほど内容を理解しないまま契約させられているケースが多いと聞くので、「うまい話には必ず裏がある」と疑ってかかる必要があります。
そんなことを考えていた矢先、スマホ広告について、消費者庁が景品表示法上の考え方という文書を公表しました。
消費者庁がタイムリーな注意喚起を公表
消費者庁が今月13日に発表したのは「携帯電話等の移動系通信の端末の販売に関する店頭広告表示についての景品表示法上の考え方等の公表について」という文書です。
行政文書らしく長々としたタイトルですが、私なりに解釈すると、スマホ販売の広告がアウトになるかもしれない景品表示法上の基準について消費者庁の考え方を示した、ということです。
景品表示法は、虚偽や誇大な広告を取り締まる基本法のようなもので、違反した業者は行政処分を受けることになります。
最近では、10月31日に「めっちゃたっぷりフルーツ青汁」を販売するシエルが、根拠もなく「痩せる」と表示して商品を宣伝・販売していたとして、景品表示法違反(優良誤認表示と有利誤認表示)で1億886万円もの課徴金の納付を命じられています。
安売り広告は条件なしの価格を表示してほしい
スマホ安売り広告で消費者庁が指摘したポイント
どんな広告表示が景品表示法違反の可能性があると、消費者庁は考えているのでしょうか?
- 安くスマホを買えるかのように表示しているが、実際には様々な適用条件が設定されていて、広告にあるような代金を支払うだけではスマホが買えない場合
- 安く買える条件が広告に記載されていても、条件の文字が小さい場合や書かれている箇所が代金の表示と離れて表示され消費者が正しく認識できないような場合
いずれも、安売りスマホ広告の「あるある」ですね。
消費者庁は違法の恐れがある表示例も公表しました。主な広告の表示例は、次の通りです。
広告表示 | 実際は? |
SIMフリースマホが格安 特価10,000円 | 通信契約をすることが条件 |
格安端末 本体一括2,018円 | 他社からの乗換えや通信契約が条件 |
特別価格‼️実質負担0円 | 指定の有料オプションの加入や通信契約が条件 |
新規限定 本体価格1円 | 固定通信やWiFiなどの契約が条件 |
特価9,980円(右下に小さく)詳しくは店員に | 指定の有料オプション加入が条件 |
10台限り 本体特価9,980円 | 実際には販売台数に制限がない |
期間限定9月30日まで 10,000円 | 実際には販売期間の延長が繰り返されている |
条件を理解できず半数以上が契約を継続
条件つきの安売りスマホを契約してしまった人たちは、その後、どうしているのでしょうか?
消費者庁の調査(消費者1000人対象)では、51.4%の人が現在も契約を続けていると答えたということです。
また、購入条件を理解できないまま契約した人は年代別で見ると、次のようになっています。
- 60代以上 39.9%
- 50代 30.1%
- 40代 21.3%
- 30代 28.6%
- 20代 18.5%
年代が上がるほど、安売りスマホを買いに行って割高な通信料金を契約させられたり、有料オプションに加入させられ、理解できないまま購入した人が多いという結果でした。
とかくスマホの契約というのは、様々なオプションがあって分かりにくものです。通信料金の話も加わると、一層複雑になります。
安売り広告に惑わされない方法
販売店の店員から早口で説明されても分からない人は、見栄を張らずに「理解できない」と何度も聞き返して、通信料金も含めたトータルの料金を計算してもらいうのが手っ取り早い方法です。
ひょっとしたら、安売りスマホは、通信料なども含めると、いま使っているスマホより高い買い物かもしれません。
スマホの安売り広告を見かけたら、安くなる条件をよく確かめ、理解できなかったら、安易に契約しないのが懸命です。
同時に、スマホの販売業者や通信サービス業者は、これを機に、広告表示の業界ルールを厳格に整備したらどうでしょうか?
人を騙すような広告ではなく、適用条件なしの価格表示や、通信料金も含めた総額表示ができないのか、真剣に考えてほしいと思います。(参考:消費者庁のニュースリリース)