ホリエモンの「デモ参加者は税金泥棒」炎上ツイートは正しいか?「老後2000万円不足」問題の余波

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年金2000万円不足問題のデモ参加者は税金泥棒?

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ホリエモンの「税金泥棒」ツイートが炎上

老後2000万円不足すると警告した金融庁の報告書問題。麻生財務大臣が受け取らず、政府内では「なかったこと」になりました。

しかし、年金不安を抱いた市民がツイッターなどで呼びかけ、16日、約2000人(主催者発表)のデモを開催。このデモに対して、思わぬ燃料が注がれて新たな炎上が発生しました。

その主役がホリエモンこと、堀江貴文氏(46歳)。「そんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め」とツイートしたため、「税金泥棒」という言葉に批判が相次ぎました。

ホリエモン、年金デモに「税金泥棒」ツイートで炎上…「誤解して政府を批判しても何も始まらない」と持論

 元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏(46)が19日、自身のツイッターを更新し、年金問題に持論をつづった。

 金融庁が老後資金で年金以外に約2000万円が必要と報告書を公表した問題を受け、16日に都内で政府の対応に抗議するデモが発生。堀江氏はデモについて17日に「バカばっか」とツイートし、18日にも一般フォロワーからの「年金デモ参加者達も暇で羨ましいっすわ」とのリプライに反応する形で「ほんとそんな時間あったら働いて納税しろや。税金泥棒め」とツイート。「税金泥棒」がトレンド入りするなど炎上状態となっていた。(出典:スポーツ報知

ホリエモンのツイートには、2つの疑問点があります。

まずは、デモは日曜日に開催されました。にもかかわらず、なぜ、「そんな時間があったら働いて納税しろや」とツイートしたのか?

一般的に日曜日は休日です。市民が仕事をサボってデモに参加しているわけではありません。むしろ、日曜日に「仕事しろや」というのはブラックです。

そして、最も疑問なのはデモ参加者を「税金泥棒」と言い放った点です。

納税額の少ない人は主張できないのか?

デモ活動は国民が権力者に非暴力で意思を伝える手段の一つです。

一般的にデモは表現の自由の一貫として許されていて、日本では憲法第21条第1項で保障されている国民の基本的な権利です。

第二十一条 ①集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

ですから、道路を占拠する可能性がある場合でも、事前に所管の警察署に届け出たら許可されるもので、デモの参加者が決して違法な行為をしているわけではありません。

では、なぜ、ホリエモンがデモの参加者を「税金泥棒」とツイートしたのでしょうか?

デモの参加者が納税額よりも多額の行政サービスを受けている納税額の少ない人、つまり所得の少ない人たちだと考えたとしか思えません。

仮に、低所得の人たちだったとしても、デモに参加するのは何ら分不相応なことではありません。なぜなら、前述したように、デモは憲法で保障された国民の基本的な権利だからです。

むしろ、納税額の多い人、つまり高所得の人が声をあげることができて、貧乏人は主張を控える国であってはいけません。

しかし、ホリエモンの主張には耳を傾けるべき内容もあります。

その部分を無視して、「税金泥棒」の当否ばかりを論じるのは建設的ではありません。

では、耳を傾けるべき点とは何でしょうか?

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ホリエモンが指摘した重要なポイントとは?

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ホリエモンにも一理ある年金制度の設計ミス

ホリエモンのツイートが炎上したことについては、スポーツ報知がとても分かりやすく報じています。

その記事の中で、ホリエモンが年金制度の設計ミスや積立金の運用などにも言及していることが書かれています。

 続けて「年金デモに参加してる奴は年金の仕組みなんか理解してないだろうが今更批判してどーする?って感じだ。最初の頃の設計ミスっててさらにそれを政治家とかが利益誘導してグリーンピアとかで運用して大失敗したのを何とか立て直しつつあるのが現状だ」(出典:スポーツ報知

もともと日本の公的年金は自分が払った保険料を積み立てて、老後に受け取る積立方式でした。

しかし、積立方式はインフレに弱いことなどを理由に、現役世代が高齢者を支える賦課方式に変更され、現在に至っています。

民間の保険会社では年金型保険に積立方式を採用しています。

このため、自分が払った分に運用益も加味されて受け取る方式なので、基本的には少子高齢化のような影響は受けません。

一方、賦課方式は現役世代が減って高齢者が増えると必然的に収支が悪化する弱点があるため、現在のような年金不安の要因になってしまいました。

年金財政の傷口を広げた政治家の利益誘導

しかも、年金財政に余裕があった時代、政治家が地元にグリーンピアという年金保養施設を誘致しました。

この施設は年金資金で建設されたもので、大規模な施設のために建設業者は潤いました。

しかし、所詮はお役所仕事。運営は赤字で、旧厚生省の役人の天下り先ともなっている実態があきらかになり、公的資金の無駄使い問題として国会でも大問題になりました。

2004年(平成16年)、国会や新聞報道で、年金福祉還元事業(グリーンピア・年金福祉施設・年金住宅融資)の意義や実施経緯が問題になった。事業に関連した公益法人が厚生労働省(旧厚生省)及び社会保険庁の職員の天下り先となっており、国民はこれらの事業の必要性やあり方について疑いを持った。グリーンピアは、施設運営に係る収支状況が平成15年度までの累計で、約8億円の赤字となっていたことから、事業の損失や失敗の責任が問われ、責任の所在を明らかにすべきだと批判された。(出典:Wikipedea

グリーンピアは散々、批判の的となった末に、最終的には民間に売却されました。

しかし、年金保険料から1953億円も投じられたグリーンピアは売却総額がわずか約48億円。年金資金が1900億円以上も泡と消えたのです。

ホリエモンがツイートで言いたかった点は、こうした年金制度の設計ミスと政治家の利益誘導に利用された不幸な歴史だったと思われます。

さらに、ホリエモンは、もうひとつ、極めて重要なことをツイートしています。

それは何か?

次回、詳しく解説したいと思います。

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