サラリーマンが金融資産の形成過程で勘違いすること
王道は貯蓄と副業!多くの会社員が陥る落とし穴とは?
早期退職して経済的に豊かなリタイア生活を送るためにはお金が必要です。
しかし、お金は扱いを間違うと人生を狂わす曲者でもあります。
今回は、人生を豊かにする手段・お金を貯める金融資産の形成術について解説したいと思います。
会社員が収入を増やす道は2つしかありません。
一つは給料を増やすこと。しかし、会社員の給料は短期間に急増するものではありません。
もうひとつは、給料プラスαの副収入源を増やすこと。そのためには投資や副業といった本業以外の収入源を拡大する必要があります。
その際に、多くのサラリーマンが陥りやすい落とし穴があります。
給料以外の収入を増やそうと副業を始めると、想定外に収益が増えて、サラリーマンの給料を超えることは少なくありません。
私も早期退職を目指して副業を初めて4年目で2000万円近い副収入となったことがあります。
そのときに、ある感情が心の中に沸き起こります。
「サラリーマン生活をやめて副業に専念したら、もっと収入を増やせるのではないか」
とくに、会社の職場に不満を抱いているサラリーマンほど、早期退職→専業フリーランスに心が傾きがちです。
しかし、経済的に豊かな早期リタイアを目指す場合、大前提として安易にフリーランスになっていはいけません。
金融資産の形成には給料と副業が理想的な組み合わせになる
サラリーマンが副業で収入を増やすと、その増えた分はほとんど貯蓄に回すことができます。
給料がで基本的な生活費を賄っているからです。
しかし、フリーランスになると、副業の収入から生活費も捻出する必要があるので、自ずと貯蓄額が目減りします。
とくに株式投資などで稼いでいるサラリーマン投資家が専業になると痛感する点です。ですから、個人投資家は極めて質素な生活をしている人が多いものです。
お金を使うことは武器(お金)を減らすことと等しいからです。
「専業になるのだから、副業の収入も増えるのではないか?」
そう考える人も少なくないと思います。若いサラリーマンほどフリーランスに憧れる傾向にあるものです。
しかも、成功したインフルエンサーと称するブロガーやユーチューバーは向こう岸から「こっちの水は美味しいよ」と盛んに誘います。
会社を辞めた若者は稼ぐノウハウを欲しがりますから、有料サロンや情報商材の養分にできると考えているのかもしれません。
しかし、給料の相当分を副業でカバーするのは簡単なことではありません。
何よりも副業の収入は右肩上がりで増えるとは限りません。むしろ、大物ブロガーやユーチューバーが突然の大幅減収に喘いでいるのが現実です。
山あり谷ありがフリーランスの宿命なのです。退職してしまったら引き戻すことはできません。
年金の本当に役割とは?豊かな人生後半を実現する勘所
早期退職は退職金と年金の存在を無視して語れない
サラリーマンが早期退職を考える際に重要な視点があります。
それは少しでも多くの退職金と年金を手にするということです。
サラリーマンは勤続年数が増えれば増えるほど、退職金と年金の受給額が増加するものです。
退職金と年金の威力は思った以上に大きいものです。
ですから、会社が退職金の割り増しを用意するリストラ計画を実施したときに、手を上げるのが賢明です。
一方の年金は、毎年送られてくる年金定期便で年金収入の見込み額を調べて、退職のタイミングを考えることが重要です。
ちなみに、私は年金支給見込みが年間200万円以上に達した年齢を早期退職するタイミングに設定しました。
同時に、妻も働いているため、夫婦で年金受給額は約400万円という見込み額になります。
年金は老後の生活を守る重要な役割がある割に、多くの人たちが正確に理解していない不思議な制度でもあります。
しかし、年金の性格をよく知っていれば、会社員時代、何を努力するべきなのか明確になるものです。
公的年金は積立貯金ではなく保険の一種
「年金財政は危機的状況だ。我々若い世代は将来もらえない」
このように、年金は大きな誤解の上に存在している制度でもあります。
「年金危機だ」「将来はもらえない」と叫んでいる人は、年金の本質を理解していない人たちでもあります。
年金は自動車保険と同じ保険です。
交通事故がなければ自動車保険が下りないように、年金も若くして死亡すると支給されません。あくまで長生きリスクに対応する保険なのです。
- 自助・・・積立投資や積立貯蓄
- 公助・・・生活保護(福祉)
- 共助・・・公的年金(保険)
さらに、公的年金は現役世代の保険料を引退世代に分配する世代間の扶養です。
自分のお金を自分のために積み立てて老後に受け取る制度ではありません。
ですから、収入と支出の関係が悪化した場合、支給額や支給条件が変更されることはあっても、制度が崩壊することはありません。
年金崩壊を心配するのは杞憂であり、心配を募らせて保険料を支払わないのは愚の骨頂なのです。
年金は長生きしたときに生活費の不足を補う保険です。
ですから、老後生活を支える主体はあくまでも貯蓄など金融資産と考えるべきです。
しかし、年金に全面依存して老後を送ろうと考える人がいます。
年金の支給額はさほど多くはありませんから、年金をあてにして会社員時代に貯蓄を怠っている限り、当然、老後の生活は厳しいものになります。
私が早期退職のために目標にした金融資産額とは?
前回、長寿社会になって人生のモデルケースには、60歳から70歳の「準労働期間」が加わったという話をしました。
- 教育期間・・・生まれてから高校や大学卒業まで
- 労働期間・・・就職から定年退職まで
- 準労働期間・・60歳から70歳まで低賃金で働く
- 引退期間・・・貯蓄と年金で生活する
早期退職を目指すことは、その「準労働期間」をジャンプするということです。
50〜70歳は経済的・体力的に人生最後の黄金期でもあります。
その黄金期を夢を追いかけ自由を楽しむ期間にするのか、それとも会社に残って低賃金で働く期間にするのか、これは大きな人生の選択です。
私は自由を選択しました。しかし、自由になるためには、ある程度のお金が必要です。
私が経済基盤に想定しているのは、①貯蓄や株式資産②退職金③公的年金が3本柱となります。
会社員時代、早期退職するための目標額はざっくり1億円と設定しました。
想定外だったのは、副業ブログを始めたところ、5年ほどで副収入が6000万円になったことでした。
その副収入のおかげで、退職金を除いたとしても、金融資産は1億円を突破し、自由に生きる基盤をつくることができました。
私は早期退職の理想年齢は50代と申し上げてきました。
50代は、退職金や年金、副業、そして貯蓄、どれを取っても最も有利な年代だと考えているからです。
お金に支配される人生を避けるためには、ある程度のお金は必要不可欠です。