”脱社畜”で自由な人生は幻想!フリーランスに重要な能力とは?
熱狂的な”脱社畜”ブームは緩和したのか?
最近、”脱社畜”を提唱する有名ブロガーの信頼性が低下したせいか、多くのブロガーやユーチューバーがフリーランスの過酷さを配信するようになりました。
ほとんどのフリーランスが脱サラ組ですから、フリーになって初めて会社員の良さを実感しているからだと思います。
プロ野球で年収5億円を稼いでいる選手が「プロ野球は儲かるし、時間も自由になるから、脱サラしてプロ野球選手になろうよ」と誘われて、普通の人が脱サラするでしょうか?
まさに、それと同じような現象がネット上で跋扈しているわけです。とくに、まだ社会を知らない若い大学生や新卒間もない新入社員たちが心を揺さぶられています。
「本当に会社員ではなくプロ野球選手を目指すのですか?」
まともな感覚の人は、そう問いかけると思います。
若いうちはフリーランスの人たちの姿はキラキラして見えるかもしれません。しかし、50代以降の姿を想像すると、ついつい「早まってはいけない」と言いたくなります。
サラリーマンは黙っていても仕事が降ってくる
確かに、サラリーマンは社内の人間関係が鬱陶しいし、上司の指導に腹が立つこともあるでしょう。
毎日、満員電車に揺られ、自宅に帰ると深夜。あとはネットやテレビを見て寝るだけの生活を繰り返すと、自分は何のために働いているのかと疑問も湧いてくるかもしれません。
しかし、会社員でいる限り無収入になる心配はなく、生活は保障されます。仕事も自分で案件を探す必要はなく、会社が探してくれて、自分はその仕事を処理するだけで給料はもらえます。
年に何度か、長期休暇があり、休んでいても給料はもらえます。長年働けば、フリーランスでは手にできないような退職金や厚生年金も手にできます。
しかし、フリーランスだと、そうはいきません。
社交的でない会社員が脱サラすると地獄が待っている
40代後半になって切り捨てられたフリーランスの知人
フリーランスにとって最も重要なことは何でしょうか?
スキルではありません。営業力です。
会社員なら会社が仕事を取ってきてくれますが、フリーランスは自分で仕事を取ってきて処理しなければいけません。
フリーランスになって初めて、会社員の時には当たり前のようにあった仕事を自分で探すことの大変さに気づくのです。
私にも極めて技術力のあるフリーランスの知人がいます。若い頃は複数のクライアントを抱え、それなりに収入もあって楽しそうでした。
しかし、40代後半からはクライアントも減り、しかも、元来、営業嫌いなために、小学生の子供さん2人を抱えて仕事がなくなりました。
技術力のある人は腕に自信があるせいか、自分を過信し、営業がおろそかになりがちです。私もいくつかの会社を紹介しましたが、クライアントは若い人たちを選択します。
しかし、その若い人たちも将来は彼のように切り捨てられるかもしれません。誰も避けることはできない加齢という運命。フリーランスは過酷な世界です。
若い時は勢いもあってフリーランスになって成功したと思っても、40代後半から50代、60代、悲惨な人生に転落する人は少なくないのです。
フリーランスに重要なのはスキル以上に営業力
社交性のない人がフリーランスになって営業に走り回るのは大変なことです。
しかし、仕事がなければ、スキルをアピールすることもできません。
会社員は仕事がなくても給料はもらえますが、フリーランスは仕事もなく休んでいる間、無収入です。「ああ、サラリーマンの方が生活が安定していて心が自由だったなあ」と思う瞬間です。
現在、東京・恵比寿で集客コンサルの会社を経営する高橋真樹さんというユーチューバーがいます。
その高橋さんが「フリーランスで生きていく為に大切なこと」と題して動画を配信しています。
高橋さんは10数年前に自分と同時に脱サラした何十人もの同僚たちが、いまはほとんど廃業したことを明かしています。同僚たちは廃業したあと、またサラリーマンに戻ったそうです。
高橋さん自身は脱サラ直後から積極的に企業に営業し、下請けとなってしのいだそうです。
それでも、リーマンショックで元請けの会社自体の経営が厳しくなり、自分自身が仕事を作り出す側にならなければいけないと決意したといいます。
「毎朝、電車通勤するのは嫌だ」「自由な生活がしたい」といった短絡的な気持ちで、会社員の身分を捨てるのは、地獄の入り口に足を踏み入れる行為なのかもしれません。
営業力のないフリーランスにも光明がある
営業力のないフリーランスが生きていく方法
私はフリーランスの選択は究極の贅沢だと思っています。
フリーランスでも安定した生活ができれば、時間も場所にも縛られず、幸せな人生です。
しかし、その贅沢を手にするためには、会社員時代に残りの人生を無収入でも生きていけるだけの資産を構築することが必要不可欠だと考えています。
私も現在、フリーランスです。しかし、無収入でも生きていける準備ができたからこそ、早期退職し、自由な生活を送っているのです。
では、社交性がなく営業力に自信のない人は、フリーランスという選択は厳しいのでしょうか?
そんなことはありません。ただ、心がけるべきことがあります。
- 少なくともライティングで生きていける準備をすること
- 営業はクラウドソーシングを有効活用すること
- ライターで報酬単価を上げるために会社員時代に海外勤務など希少な経験を積むこと
- 必ず複数のクライアントをつかむこと
まずは、当面の生活費を安定的に工面することが先決です。
そのためには、手っ取り早く稼げるブログやウェブのライティングは会社員時代に身につけておくことをおすすめします。
いまは昔と違ってクラウドソーシングがある
いまは昔と違って、ライターでもネット上で仕事を受注できるクラウドソーシングが整備されています。
大手のランサーズやクラウドワークスは仕事の案件も多く、実績を重ねると単価をアップすることができます。
最初は単価が安くても実績をつくり、自分のスコアをあげることに注力することが大切です。
クラウドソーシングを活用すれば、対面営業が苦手な人でも仕事は受注できるようになります。しかも、スコアが上がれば、複数のクライアントと取引できる可能性も広がります。
そこまで自分を高めることができれば、次の展開は楽になります。
高単価の仕事を受注し、記事執筆の外注化でサヤを抜いたり、スキルのマーケット・ココナラで自分の希望する単価で仕事を受注することもできます。
営業力に自信のない人でも工夫次第で道を切り開ける時代です。