芸能人の理想は「美しい姿を永遠に」
40歳でも抜群のスタイルと美声のアムロ
平成の歌姫・安室奈美恵さん(40歳)がきょう(9月16日)、芸能界を引退します。
きのうは、出身地の宜野湾(ぎのわん)市で最後のコンサートが開催されたため、沖縄県内のホテルは予約が難しい状態になるなど、アムロフィーバーの様子をメディアが伝えています。
いまから、およそ26年前、安室さんは沖縄から派生したダンスパフォーマンスグループ「スーパーモンキーズ」のセンターボーカルでした。
しかし、ダンスのキレ、スタイルの良さ、何よりも歌唱力が抜群でした。しかも、当時はまだ10代半ばの少女です。
「凄い子が現れた。これは売れるかも」と予感しましたが、その後の活躍は、ご存知の通りです。
その後、ソロ歌手・安室奈美恵でトップ歌手に躍り出て、結婚、出産、育児、実母の義弟殺害事件、離婚、そして芸能活動を本格再開・・・
安室さんは波乱の人生を歩みながらも、私生活を決して明かすことなく、ひたすらステージ上の姿を披露することで、ファンを魅了し続けました。
その意味では、まさに真のプロパフォーマーでした。
人々の脳裏に美しい姿を残し続ける
今回の安室さんの引退にあたって、メディアは引退の真相を書きたてましたが、私はあまり関心はありません。
むしろ、まだまだ歌えて美しい時期に引退する賢明さに感心しました。
かつて、交通事故で早世した米国俳優ジェームズ・ディーン(1931〜55年)を思い出します。
1955年に「エデンの東」でアカデミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされて人気俳優となった矢先に、ジェームス・ディーンはポルシェで高速道路を運転中に事故死しました。
その後、上映された「理由なき反抗」では、Tシャツとジーンズというファンションとともに、当時の若者の鬱屈とした気分を表現し、長きにわたって、ジェームス・ディーンはイケてる若者の代名詞的な存在であり続けました。
ジェームス・ディーンは大好きな俳優ですが、脳裏に浮かぶ姿は、いつになっても24歳の彼です。なぜなら、それ以降の姿は存在しないからです。
彼は死して、美しい姿を人々に残し続けた芸能人とも言えるのです。
芸能人とはなんぞや?夢を与え続ける人
引退後は静かに暮らしてほしい
日本では、歌手の山口百恵さんも人気絶頂期の1980年、多くのファンに惜しまれ、21歳の若さで引退した芸能人の一人です。
衰える前に、惜しまれて、芸能界を去る。
その後はマスコミには姿を見せず、ファンの脳裏には絶頂期の記憶だけを残し続ける。これは、とても大切なことだと思います。
願わくは、安室奈美恵さんもファンの前に姿を見せるのは引退コンサートを最後にし、引退後は静かに暮らし続けてほしいものです。
でも、10年後の彼女も、ちょっと見てみたいかな・・・・(笑)
芸能人は恵まれない幼児期ゆえに共感性を生むものである
何の悩みや苦労もなく恵まれた家庭環境で育った人は、そんなに多いものではありません。ほとんどの人たちは多くの困難や苦悩を抱えながら育ち、生きています。
しかし、そこから這い上がろうとするからこそ、エネルギーが湧いてくるし、奇跡が起こるのです。
安室奈美恵さんは、小学生のとき、家庭の事情で月謝が払えず、タレント養成所「沖縄アクターズスクール」を断念したこともありました。入学後は、片道3時間半の道のりを徒歩で通った苦労人です。
山口百恵さんは、母と妹の3人家族で育ち、芸能界に入ったのは家計を助けるためだったと言われています。
俳優・三浦友和さんとの婚約と同時に芸能界引退を発表したのも、百恵さんにとっては、恵まれた家庭こそ、最も欲しかった夢だったのかもしれません。
ジェームス・ディーンだって、9歳のときに母親を亡くし、父親の姉夫婦に預けられて育ちました。
芸能人とはなんぞや?
いまは恵まれていなくても、頑張れば、幸せな人生を手にできるという夢を売る職業でもあります。
これこそ、芸能人の最大の社会的役割なんだと思います。
今回は私の大好きな3人の芸能人に焦点を当て芸能人の意義と役割を考えてみました。